銀ステ根なし草

銀のステッキ旅行・スタッフの雑記帳

花を買う

2016年09月11日 | 見かけだおしNのつぶやき

近所の花屋さんに行って面白い話を聞きました。

 

退院のお祝いに、と

ぐるり店内を見渡し、あっ、これ好き。

手に取ったお花は、紫が艶やかな大輪でした。

 

お店の方は、、、

高齢の方向けですか?

 

だったら、もっと華やかな、パステルカラーがいいのでは?

少し遠慮がちだったので、

私、ハッとして、、、

もしかして、お祝いにはふさわしくない花ですか?

これ?

 

そういえば、9月はお彼岸の季節。

お供え用に、見かけぬ花が仕入れられていたのか。

ううん、でも花を贈る時は、

絶対に、自分仕様で花束を決めてきました。

それが、唯一の、相手への想いにつながると思ってきたから。

花キューピットは、おまかせだからなるべく頼りたくないのです。

 

なので、その店で、一番自己主張していた、

大ぶりの、その見知らぬ紫の花に決めました。

それでも、日本的TPOに合わせて、かすみ草の花をたっぷり重ね、

これで、まずまず、しきたり?にはクリアできたよう、

が、リボンも、色彩的に濃いグリーンを指定したのですが、、、

それも、祝い事には不向きらしく、優しく却下されました。

なるほどねぇ。

なかなか難しい。

 

思っているより、ダサい花束に仕上がり、、、

少々、不満な顔をしていたからでしょうか、

お店の方が、

「でも、受け取った方が、こっちに不満を言いに来られるのよね」

へえ。

「母の日に白い花なんて、どう思う!」とか。

ひぇ。

「気持ちでしょう、気持ち」と言ってみたものの。

なるほど。

細かく四季の上のしきたりが繰り返されてきた日本。

もちろん、無知がゆえにそれを怠るのは、どうかと思います。

でも、四季さえ、曖昧になってきた日本で、

想いがあれば、そこは許されてもいいように、、、ダメですか。

 

そういえば、昔、当時の彼が初めてプレゼントしてくれた花、

うん10年経っても忘れられない。

何十本もの「白い菊の花束」でした。

何百本のバラを贈るのがトレンド(言葉の古さよ)だった時代に・・・

これは、花屋ではなく、直接、本人に罵詈雑言を投げつけましたが。

 

花を贈る。

 

個人的に、ほぼ形ないものを大量消費するため、

すぐに消え去るものに価値を置くタイプです。

一瞬の喜び、泡のような時間空が、お祝いにはふさわしいように思うのです。

だいたい贈り物はこっち勝手な想いがあるのだから、

それが相手の負担になるのも嫌ですしね。

 

花を贈ることは、不思議なことに、

こちらもささやかな喜びになるのです。

 花屋さんで、季節の花に囲まれて、

自分好みに、選ぶ作業も心が華やぎます。

豊かな心ってやつ。

 

ついでに、自分にもちょっとしたご褒美。

一本だけ、今日の入荷だったと聞いたので。

形残さず消える運命の、美しさよ。

 

花を包みながら、おなじみの店員さん、

「これは、 〇〇さん向けですよ。

枯れてからが綺麗ですから、、、」

......。

残るんかい!

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