近所の花屋さんに行って面白い話を聞きました。
退院のお祝いに、と
ぐるり店内を見渡し、あっ、これ好き。
手に取ったお花は、紫が艶やかな大輪でした。
お店の方は、、、
高齢の方向けですか?
だったら、もっと華やかな、パステルカラーがいいのでは?
少し遠慮がちだったので、
私、ハッとして、、、
もしかして、お祝いにはふさわしくない花ですか?
これ?
そういえば、9月はお彼岸の季節。
お供え用に、見かけぬ花が仕入れられていたのか。
ううん、でも花を贈る時は、
絶対に、自分仕様で花束を決めてきました。
それが、唯一の、相手への想いにつながると思ってきたから。
花キューピットは、おまかせだからなるべく頼りたくないのです。
なので、その店で、一番自己主張していた、
大ぶりの、その見知らぬ紫の花に決めました。
それでも、日本的TPOに合わせて、かすみ草の花をたっぷり重ね、
これで、まずまず、しきたり?にはクリアできたよう、
が、リボンも、色彩的に濃いグリーンを指定したのですが、、、
それも、祝い事には不向きらしく、優しく却下されました。
なるほどねぇ。
なかなか難しい。
思っているより、ダサい花束に仕上がり、、、
少々、不満な顔をしていたからでしょうか、
お店の方が、
「でも、受け取った方が、こっちに不満を言いに来られるのよね」
へえ。
「母の日に白い花なんて、どう思う!」とか。
ひぇ。
「気持ちでしょう、気持ち」と言ってみたものの。
なるほど。
細かく四季の上のしきたりが繰り返されてきた日本。
もちろん、無知がゆえにそれを怠るのは、どうかと思います。
でも、四季さえ、曖昧になってきた日本で、
想いがあれば、そこは許されてもいいように、、、ダメですか。
そういえば、昔、当時の彼が初めてプレゼントしてくれた花、
うん10年経っても忘れられない。
何十本もの「白い菊の花束」でした。
何百本のバラを贈るのがトレンド(言葉の古さよ)だった時代に・・・
これは、花屋ではなく、直接、本人に罵詈雑言を投げつけましたが。
花を贈る。
個人的に、ほぼ形ないものを大量消費するため、
すぐに消え去るものに価値を置くタイプです。
一瞬の喜び、泡のような時間空が、お祝いにはふさわしいように思うのです。
だいたい贈り物はこっち勝手な想いがあるのだから、
それが相手の負担になるのも嫌ですしね。
花を贈ることは、不思議なことに、
こちらもささやかな喜びになるのです。
花屋さんで、季節の花に囲まれて、
自分好みに、選ぶ作業も心が華やぎます。
豊かな心ってやつ。
ついでに、自分にもちょっとしたご褒美。
一本だけ、今日の入荷だったと聞いたので。
形残さず消える運命の、美しさよ。
花を包みながら、おなじみの店員さん、
「これは、 〇〇さん向けですよ。
枯れてからが綺麗ですから、、、」
......。
残るんかい!
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