今朝。
カーテンを引いたら、久しぶりに見る青空です。
「いつだって、青空ほどいいものはないわ」
10日ほど前にいたアラスカ・デナリ国立公園を思い出しました。
北米最高峰デナリ(マッキンリー山)のあるアラスカ山脈がそびえる国立公園。
四国ほどもある国立公園のなかにたった4軒しかない宿泊施設。
そのなかでも、デナリ北壁を臨み、心地よいもてなしで知られるノースフェースロッジに4連泊する。
それを楽しみに、はるばるアラスカまで訪ねていただきました。
晴れていたら、それは絶景なのです。
…が、滞在した4日間、ずっとずっと空は分厚い雲に覆われていました。
ロッジへは、デナリ国立公園の入り口で宿泊客専用バスに乗り換えて
6時間あまり揺られて向かいます。
夕食は、途中の川添いでピクニック・ディナー。
どうするのかと心配していたら、さすがロッジスタッフ、慣れたもので、即席の屋根づくり。
ロッジで焼いたパンや、お手製のブルーベリージャムも並び、心ぬくもる夕食でした。
そこからの4日間、毎晩、明日こそ晴れるといいなぁ、と思って眠りにつくのに、
なんということ、ずっとずっと曇り、曇り、曇り。
デナリは分厚~い雲の隙間からほんのちょっとだけ。
でも、足もとには、真っ赤に色づくベリーの葉。
そんな大地のうえをハイキングのあとは、ガイドのライアンさんによるティー・セレモニー。
そして、こんな雲の多い日は動物に出会うチャンス大。
大きなムースや、グリズリー熊、カリブー、ドールシープなど
たくさんの動物たちに出会えました。
そして最終日。
祈るような気持ちでカーテンを開けるのに…空には雲。
でもこの日、私たちはセスナでの遊覧飛行へ。
ベテランパイロットの操縦で、雲を突き抜けて
デナリ全貌が、見えました!
ロッジでの4連泊は、またたく間に過ぎ、さよならの朝。
なんと、この日まで、雨こそ降っていないものの、空はどんより灰色。
初日に6時間をかけてたどった国立公園内の一本道を引き返します。
もうあと1時間ほどで、デナリ国立公園の入り口に到着というとき、
大きなバスのハンドルを握っていた、アニーさんが歌うような口調で言いました。
「ブルー・スカイ!」
――進む先に、青空のかけらが見えました。
そしてその青空は、ぐんぐん、ぐんぐん、広がっていきます。
…どうして今ごろ。
でも、それ以上に、弾む思いがありました。
そこに、アニーさんの声が重なりました。
「いつだって、青空ほどいいものはないわ」
少し、間をおいてから
「――とくに、向かっていく先に見える青空」
――ほんとうに、そう。
久しぶりの太陽を受けて、空も、ポプラの葉も、輝いていました。
灰色の空がつづいたデナリ国立公園での4日間。
今回、写真は、あまり撮っていません。
でも、ほんとうに心に残ることというのは、写真に撮る必要なんてないのかもしれません。
「いつだって、青空ほどいいものはないわ。とくに、向かっていく先に見える青空」
今朝、久しぶりに見る青空に、アニーさんの歌うような声を思い出しました。
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