7月14日から9月9日まで
兵庫県立歴史博物館では,「ふしぎジオラマミュージアム」という特別展が開催されています。
詳しいことは,歴博のホームページを見ればわかるので,
ここでは,私の趣味にあわせて,
葛飾北斎「新板組上灯籠湯屋新見世之図」(文化(1810年代)頃)のみ
簡単な説明と感想などを・・・
(今回の展示は,写真撮影可なので,久しぶりに写真を上に載せました。
組み立てた後のものと,組み立て前の図のうちの1枚です。)
図録によると,
組上絵というのは,
切り抜いて組み立てると建物や芝居・物語の一場面などができる
日本の伝統的なペーパークラフトのことです。
盆の灯籠から発展した「灯籠飾り」が商品化されたもので,
正しくは「組上灯籠」「切組灯籠」といい,
上方では「立版古(たてはんこ)」とも呼びます。
描いているのは浮世絵師
立体的な構成力を要求されるためか
組上絵を得意とする絵師は限られています。
というわけで,
この度は写真の北斎の図のほか,
歌川国郷の芝居小屋などが展示されていました。
(8月12日以降は展示替えのため,この2つは8月11日まで)
(ひとりごと)
当時の風呂屋は一応男女で入り口が分かれていたのですね。
男女混浴だった・・・と聞いたことがありますが,
どうかな?と
すき間から中をのぞくと,中は仕切られていない?
それにしても,細かいですね。
そういえば,今年,1月から3月にかけて,
同じ,兵庫県立歴史博物館で,特別企画展「ふろくの楽しみ」がありました。
その時の「世界一高いエンパイア・ビルディングの大模型」や
「帝国新議事堂大模型」はすごかったですね。(昭和初期)
ちょっと,組上絵とは違うけど,
北斎の組上絵の方も雑誌の付録にありそうです。
無茶苦茶細かいですが。
あ,そうでした。
2016年に行った,明石市立文化博物館の「江戸の遊び絵づくし」にも
組上絵があったのを思い出しました。
図録を見直すと,
歌川芳藤の「しん版ひなだん組立の図」などが載っていましたが,
今回の北斎ほど,細かくはありませんでした。
8月12日からの後期では,
歌川芳藤の「組上三枚続き安宅新関の図」が展示されるようなので,
こちらもまた見たいです。
北斎の組上図に戻って
他の絵の部品?には,のりしろもあるんですよ。
でも,今の付録のように,切込みがありませんから,
切っていくのも,大変です。
(もちろん,図を作って描くのも大変ですが)
格子なんて細いですよ。
完成図(「組上おもての図」「組上内の図」)も描かれているので,
出来上がりを想像しながら,作れますね。
(2枚目の写真がちょうど「組上おもての図」「組上内の図」も写っています。)
北斎の「新板組上灯籠湯屋新見世之図」,
いつまでも顔を展示ガラスにくっつけて見ていましたが,
他のお客さん,きっと変わった人だなあ・・・と思ったことでしょう。(笑)
あれっ?写真?
まあ,どんなものかわかるので,お許しください。