兵庫県立歴史博物館のホームページで見つけました。
1月12日~31日まで
「近現代兵庫の災害史」が「兵庫県政150周年記念展示」の一環としてあります。
興味のある方は,ホームページの写真を見てください。
ちょうど瓦版のような
絵が大きく書かれ,説明の文章がついています。
なんと,保存して拡大すると,比較的はっきりくずし字を見ることができます。
「津浪」という文字にひかれて読んだのですが,
明治4年の段階では,
暴風雨による災害も「津浪」と言っていたのでしょう。
文章を読むと,地震による津波ではないことがわかります。
〔歴博の解説には,高潮であろう,となっていました。〕
さあ,翻刻頑張ります!
(いつものことですが,翻刻間違いあります。)
「大坂神戸兵庫湊 大津浪之新聞」
; 〔 〕は訂正版(入力ミスがあったらすみません。1月22日)
夫天変地異の非常に発ること 西洋
各物究(?)厘の説といへども その期する
〔格物究理の説といへども その期する〕
時を計ること能はずといへり 時は是明治
〔時を計ること能はずといへ日時は是明治
四年辛未五月十八日夜四つ時頃 摂州
大坂表大雨車軸を流し 大風沙石を
飛し 物のあいろも分たざる折から 天保
山の沖にあたりて海潮のひどさ漕估
〔山の沖にあたりて海潮のひゞき漕估〕
の茅を破ると見る間に 大津浪覆い重なり
〔の夢を破ると見る間に 大津浪覆ひ重なり〕
沖合に停泊なしたる外国軍艦蒸気舩の
〔沖合に碇泊なしたる外国軍艦蒸気舩の〕
大山の如きを揺あげ 帆柱を折き 火筒を倒し
日本精造の川蒸気帆まへ舩は残りなく陸に
うちあげ 海岸の人家はいふも更成 安治川辺の
損亡大方ならず 夫神戸兵庫までも
〔損亡大方ならず 夫ゟ神戸兵庫までも〕
舩家人民の死亡怪我多分にして外国
高館堅固なるも敢て慎ぜざることを
〔高館堅固なるも敢て損ぜざることを〕
埒す とりわけ日本舩は彼湊海口川辺に
〔得す とりわけ日本舩は彼湊海口川辺に〕
かかりたるは十に八九まであるひは破
裂し あるひはくづがえり 偶乗組たる
〔烈し あるひはくづがへり 偶乗組たる〕
舩主水夫も海上ことこと逆(?)波のために
〔舩主水夫も海上遠く逆波のために〕
まきこまれ底の水屑鯨鮫の
餌となる者おほし 親は最愛の
子を捨てはしり 夫は妻の生死を
知らず老若男女の泣きさけぶ声は
風雨の豪勢に消されながら 乾坤
〔風雨の暴勢に消されながら 乾坤〕
も泥土にまそれるかたばかり おそろし〕
〔も泥土にまそれるかとたばかり おそろし
なんといふばかり しかるに翌十九日
〔なんどいふばかり しかるに翌十九日〕
払暁未明に至りて 風雨をだ
やかに津浪まつたくやむに至り
十死を出て一生得たる 内外の
人には すこしすこし安堵の思ひを
〔人々には すこし〱安堵の思ひを〕
なせりとぞ
大阪心斎橋通り
化開堂蔵板
絶対に歴博に実物を見に行きます!
1月12日~31日まで
「近現代兵庫の災害史」が「兵庫県政150周年記念展示」の一環としてあります。
興味のある方は,ホームページの写真を見てください。
ちょうど瓦版のような
絵が大きく書かれ,説明の文章がついています。
なんと,保存して拡大すると,比較的はっきりくずし字を見ることができます。
「津浪」という文字にひかれて読んだのですが,
明治4年の段階では,
暴風雨による災害も「津浪」と言っていたのでしょう。
文章を読むと,地震による津波ではないことがわかります。
〔歴博の解説には,高潮であろう,となっていました。〕
さあ,翻刻頑張ります!
(いつものことですが,翻刻間違いあります。)
「大坂神戸兵庫湊 大津浪之新聞」
; 〔 〕は訂正版(入力ミスがあったらすみません。1月22日)
夫天変地異の非常に発ること 西洋
各物究(?)厘の説といへども その期する
〔格物究理の説といへども その期する〕
時を計ること能はずといへり 時は是明治
〔時を計ること能はずといへ日時は是明治
四年辛未五月十八日夜四つ時頃 摂州
大坂表大雨車軸を流し 大風沙石を
飛し 物のあいろも分たざる折から 天保
山の沖にあたりて海潮のひどさ漕估
〔山の沖にあたりて海潮のひゞき漕估〕
の茅を破ると見る間に 大津浪覆い重なり
〔の夢を破ると見る間に 大津浪覆ひ重なり〕
沖合に停泊なしたる外国軍艦蒸気舩の
〔沖合に碇泊なしたる外国軍艦蒸気舩の〕
大山の如きを揺あげ 帆柱を折き 火筒を倒し
日本精造の川蒸気帆まへ舩は残りなく陸に
うちあげ 海岸の人家はいふも更成 安治川辺の
損亡大方ならず 夫神戸兵庫までも
〔損亡大方ならず 夫ゟ神戸兵庫までも〕
舩家人民の死亡怪我多分にして外国
高館堅固なるも敢て慎ぜざることを
〔高館堅固なるも敢て損ぜざることを〕
埒す とりわけ日本舩は彼湊海口川辺に
〔得す とりわけ日本舩は彼湊海口川辺に〕
かかりたるは十に八九まであるひは破
裂し あるひはくづがえり 偶乗組たる
〔烈し あるひはくづがへり 偶乗組たる〕
舩主水夫も海上ことこと逆(?)波のために
〔舩主水夫も海上遠く逆波のために〕
まきこまれ底の水屑鯨鮫の
餌となる者おほし 親は最愛の
子を捨てはしり 夫は妻の生死を
知らず老若男女の泣きさけぶ声は
風雨の豪勢に消されながら 乾坤
〔風雨の暴勢に消されながら 乾坤〕
も泥土にまそれるかたばかり おそろし〕
〔も泥土にまそれるかとたばかり おそろし
なんといふばかり しかるに翌十九日
〔なんどいふばかり しかるに翌十九日〕
払暁未明に至りて 風雨をだ
やかに津浪まつたくやむに至り
十死を出て一生得たる 内外の
人には すこしすこし安堵の思ひを
〔人々には すこし〱安堵の思ひを〕
なせりとぞ
大阪心斎橋通り
化開堂蔵板
絶対に歴博に実物を見に行きます!