ナショナルジオグラフィック社から出版された「驚異の大地アフリカ」という写真集を見た。アフリカの大地を空撮したもので、それは素晴らしいものだ。何か素晴らしいか。
アフリカというと「内戦・貧困・疫病」というマイナスイメージが先行しがちだが、「広大で美しく、限りなく豊か」というのが本来の姿であり、負の遺産は、そもそも文明諸国と呼ばれる人々が創り出したことがわかる。そしてこれを作ったのは資産家である。しかしアフリカという地を空撮するのは単に金持ちの道楽ではできない高い志が必要であることもわかる。彼はこの本の印税は一切受け取っておらず、アフリカの負の資産を軽減すべく努力している。六本木ヒルズにお住まいの方々もこのくらいスケールの大きい志が欲しい。
豊かな資源を持つが故に起きる内戦や貧困、美しい自然や希少価値のある動植物を持つがゆえに生じる疫病。アフリカは様々な矛盾を抱えている。でもそれは人生そのものかもしれない。アフリカはアフリカ。あなたの人生はあなたの人生。
安曇野の楽園から。新年に寄せて