末日聖徒は英語で時々「独特な(または『風変わりな』)民」と呼ばれ、また私たちはそれを意識し誇りにもしてきた。先日そのことが神権会で話題になった。他の人たちとは異なっていることを積極的に明らかにしていこうという説教を読んでいて、英語を母国語とする会員がペテロ前書2:9に英語ではpeculiar とあると指摘した。私はそれに対し、ギリシャ語ではどうなっているかを確認する必要がありますね、と意見を述べた。
案の定、調べてみると、λαὸϛ εἰς περιποίησιν (a people that has become [God’s own] possession) とある。それで日本語訳は「神につける民、神の所有とされた民」(口語訳、文語訳、二番目の訳は新改訳)となっている。
さらに、出エジプト19:5 でKJVが peculiar treasure としている部分に相当するヘブライ語は סְגֻלָּה , segullah 「所有物」possession, property となっている*。このsegullah は七十人訳でπεριούσιος と訳され、テトス2:14 (Iぺテ2:9) につながっていくのである。
英語の現代語訳はいずれ**も peculiar と訳しておらず、KJVの訳 peculiar は今日の語義から見れば、適切でないことがわかる。
(updated 27th of Jan.)
*邦訳は「わたしの宝、わたしの所有」(口語訳、新共同訳、新改訳、文語訳。二番目の訳は関根正雄訳)。
**NRSV, REB, NIV, RSV, . . .など possession と訳出されている。
[補足] late Middle English (in the sense ‘particular’): from Latin peculiaris ‘of private property’, from peculium ‘property’, from pecu ‘cattle’ (cattle being private property). The sense ‘strange’ dates from the early 17th century. [from Internet page] 従って、誤訳というのは言い過ぎ、KJVの時点では property の意が残っていたと思われる。記事 revise 済. 2018.01.27.
>私はそれに対し、ギリシャ語ではどうなっているかを確認する必要がありますね、と意見を述べた。
おそらくネストレ・アーラント版のギリシャ語なんでしょうか。
KJVの底本TRのギリシャ語だと少し違うのかも。
(少しあたってみましたが。。わからずじまいw)
https://www.logosapostolic.org/bibles/textus_receptus/1_peter/fpet02.htm では、やはり peripoieisin 、「所有物、持ち物」(possession) が元の言葉でした。
肉薄する Omni さんに緊張する私です。
peculiar 自体はラテン語由来で、意味は群れ、欽定訳者は主の群れといった意味合いで使ったのであろうと・・ま、そういう説明があるにはありますな・・・
https://search.yahoo.co.jp/search?ei=UTF-8&p=peculiar%20%20greek
なるほど、KJは底本の問題以外にも色々あるのですね。
読み比べは大切。
感謝感謝。
KJVで使用された語彙の意味が変遷しているのですね。創世記 2:4 に出てくる generations もそうであることが分かりました。誤訳というより、現代では分かりにくなっている例だと思います。
ご指摘に感謝致します。
https://search.yahoo.co.jp/search?ei=UTF-8&p=mcconkie%20doctrine%20peculiar