「モルモン文学学会」とでも訳すべき組織(The Association for Mormon Letters)があって私は以前から注目していた。この学会がユタ峡谷大学(Utah Valley University、M.ホランド学長) 人文学のモルモンの学者と共催で2011年3月24日-26日学会をUVUとBYUで開催した。
発表されたテーマは「離反したlds作家と活発なlds主婦のブログ問答」、「神殿結婚した夫婦の性生活」「モルモンフィクションの意義」「作品トワイライトの登場者が聖を代表?」、スーザン・E・ホーウィの詩朗読など多彩にわたった。その中で断片的でもメモを残して置きたいと思ったものがあった。それは地元のデイリー・ヘラルド紙から次に引用するものである。
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ジェイコブ・ベンダーは「モルモン書に対する構造主義後の手法(A Post-Structural Approach)について発表した。彼はプラトンの洞穴の寓喩を引用して「全ての言葉は信頼できるものではなく、全ての文は不安定で自己否定的である」と言う。彼によれば、モルモン書は文学批評のこの概念が出現する160年前に「構造主義後の手法」を援用していた。
ベンダーによれば、モルモン書は元々その構想上いつか終焉を迎えることになっている。
「モルモン書が文学批評で解体されるとき、得られるものは大きな満足であり意味の確認である。全ての言葉は必然的に完全に如くことはない」と彼は述べた。これはこの書が「目的を遂げる為の手段であって、目的そのものではない」ことを示す自然で霊的な過程であるという。
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短い記事で断片的であるが、現代の文学批評や「語り」(narrative) に関連してモルモン書を分析していることが予想され、将来詳しく研究してみるためのノート(資料)として敢えて記事に取り上げた。
情報源
http://www.heraldextra.com/news/local/article_b94dfdfc-a6e2-525b-99fe-16c2d7d39100.html
関連して本ブログの記事:
2006/8/8 フォーラム「文学としてのモルモン書」
2008/9/18 モルモニズム研究会、広島で開催される (Wayne Boothのunreliable narrator)
Jacob Bender引用部分の英文:
scholar Jacob Bender spoke on "A Post-Structural Approach to the Book of Mormon." He began by addressing Plato's Allegory of the Cave to illustrate that "all words are unreliable" and "every text is slippery and self-negating." The Book of Mormon "plays the post-structural game 1,600 years" before that concept of literary criticism was invented, he said.
The Book of Mormon will one day come to an end, which was its design from the beginning, Bender told his audience.
"When the Book of Mormon deconstructs, what's left is fullness of joy and affirmation of meaning," he said. "All words inevitably fall short of perfection." This is part of the natural spiritual process of showing that the book "is a means to an end, not an end to itself."
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