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「神話」の持つ力 [ トム・ハーパーの著より ]

2017-09-07 23:52:36 | 聖書

 [画像:真理を読み取る] 

神話と言えば、普通自分たちとは関係のないはるか昔の、想像上の話であり、真実味のないおとぎ話のようなもの、信じられない嘘の話と受けとめられる。

 しかし、トム・ハーパーは「神話そのものは虚構だが、神話が表現する時代を超えた真理はそうではない」、「神話には、想像力と気力をかき立て、われわれの意識をより高い段階に引きあげるという途方もない力がある」と言う。

 言いかえると、「神話は意識の状態を変え、他の方法によっては近づけない崇高な真理を伝えるという本質的な力を持っている」。

 新約聖書の放蕩息子や良いサマリア人の譬えは、実際にその通りのことが起こっていなくても、その話が読者にとって妥当であり、真理であることに変りはない。ギリシャ神話にも真理と見ることができる話が含まれている。

なお、聖書の語句を文字通り受けとめる直解主義(literalism)について、「昔ながらの直解主義は、現代の思想、研究、学問による徹底的な究明に抗しきれるものではない」と断じている。

そしてイエスについて、専門知識を駆使した長年の研究を通して、イエスが「新約聖書」の「福音書」に描かれたような歴史上の人物ではなく、より普遍性を持つ神話的な存在であることを確信するに至った。

出典:

トム・ハーパー著、島田裕巳訳「キリスト神話: 偶像はいかにして作られたか」(Pagan Christ) バジリコ株式会社、2007年 (原著は 2004年 Tom Harpur )



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18 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (教会員R)
2017-09-08 03:28:39
神話化の必然性

ギリシャ神話のようなものは、元をたどれば少数の家族からひろがった民の歴史のようなものなのでしょう。

史実を学術的に忠実にしない理由としては、時の為政者に都合の悪い事実を抹消されたり歪曲されることからの防御と、神々を語ることで子孫たちに、より伝えられやすく加工されるというメリットが考えられます。

イエス像もそのようなものなのかも知れません。 イエスという宗教改革を行った人物はいたのかも知れないが、都市伝説とギリシャ哲学が混じった主流のキリスト教神学を本人が聞いたら、言いたかったことの幾つかについて保存されていることを認めつつ、大半のことについて知らんなあと否定するのかも知れません。





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桃太郎も・・・ ()
2017-09-08 10:07:00
>「神話は意識の状態を変え、他の方法によっては近づけない崇高な真理を伝えるという本質的な力を持っている」


そうだよな~

桃太郎や金太郎もスマホの売り上げに貢献してるし・・・。
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桃太郎発祥の地は山梨 (たまWEB)
2017-09-08 11:04:25
「 しかし、岡山発祥説は時代的に新しく、提唱されたのは昭和に入ってからのこと。戦後になって、県知事が音頭を取って広めたことが〝桃太郎岡山発祥説〟のきっかけなのだ。何より、本来の黍団子を吉備団子と銘打ったのがウケらしい。」
http://tocana.jp/2017/01/post_12136_entry.html

「ここは山梨県大月市にある岩殿山の中腹。岩殿山は標高634メートルにすぎないが、巨岩、岩壁が所々に露出し、奇観・名勝をつくっている。

この洞窟もそうした奇観のひとつだが、地元では「鬼の洞窟」と呼ばれている。そして、それはただの鬼ではない。「この洞窟は、桃太郎に退治された鬼のすみかだった」――地元では古くからそう言い伝えられているのだ。」
http://getnavi.jp/life/107749/

大月桃太郎連絡会議
https://search.yahoo.co.jp/search?ei=UTF-8&p=%E5%A4%A7%E6%9C%88%E6%A1%83%E5%A4%AA%E9%83%8E%E9%80%A3%E7%B5%A1%E4%BC%9A%E8%AD%B0

鬼はやはり巨人だったんでしょうね、ヤレドの民に近いんでしょうね。
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"ギリシア神話の知恵の女神アテネの肌が黒かったのではないか" (たまWEB)
2017-09-08 11:11:51
「2007  ギリシア神話に出てくる知恵の女神アテネの肌が黒かったのではないかという仮説である。
といっても、トンデモ系の話でなくて、いま欧米の古代ギリシア史関連の学会で大論争を起こしているテーマとなっている。
ロンドン出身でアメリカの大学で教鞭をとっていたマーティン・バナールが、歴史学・社会学的見地から古代ギリシア史を再構築し、私たちの考えていた古代ギリシア世界が、19世紀近代ヨーロッパのヨーロッパ中心主義による「捏造」であると看破したもの。
事実、19世紀以前の文献(古代ギリシアのヘロドトスから中世~ルネサンス期を通じて)では、エジプトとフェニキアが古代ギリシアの母であると当然のように語られている。
すなわち、ギリシアはエジプトの植民地としてエジプト文化の薫陶を受けることによってはじまり、ギリシア神話の神々もエジプトの神々にその起源を持ち、ギリシア神話でおなじみの「登場人物たち」....つまり私たちがなんとなく白人だと思っている英雄たちもまた、神話を丹念に読んでいくと、フェニキア出身であったり、エジプトから来た人たちだったりするということだ。

それが、帝国主義の時代の中で、ヨーロッパ文明の母であるギリシア文化がアフリカの影響によって生み出されたということを否定したい人たちによって、巧妙に史実はすり替えられてきたと。
とても興味深い本である。」http://nobuyoyagi.blog16.fc2.com/blog-entry-177.html?sp
黒いアテナ
https://search.yahoo.co.jp/search?ei=UTF-8&p=%E9%BB%92%E3%81%84%E3%82%A2%E3%83%86%E3%83%8A
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追加 エジプタスが (たまWEB)
2017-09-08 11:16:07
思い起こされます・・・女系という感じか?!
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Unknown (教会員R)
2017-09-08 20:30:29
まあギリシャ神話の神々の肌の色は何も伝えられていませんので、黒人系だったのかも知れません。
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チラ見してみました。 (たまWEB)
2017-09-11 17:17:29
イシスとかって予言的だったんねと解してしまいました。新約を神話化するということですがクリスチャン学者さんって何をどう信じてるんですかね??
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キリスト神話説 (オムナイ)
2017-09-11 19:43:40
>イエスが「新約聖書」の「福音書」に描かれたような歴史上の人物ではなく、より普遍性を持つ神話的な存在であることを確信するに至った。

個人的にはやはりキリストは実在したと思っています。しかし、

厩戸皇子(聖徳太子)も歴史上存在しなかったことがほぼ確定しているようでキリストにについてもそのような流れになるのでしょうか。

先年も経つとジョセフ・スミスの最初の示現もスミス自身の存在も神話化されたりして。。
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キリスト神話説 (オムナイ)
2017-09-11 19:46:10
こういったものがありました。

https://ja.wikipedia.org/wiki/キリスト神話説

キリスト神話説(英語:Christ myth theory キリスト神話・イエス神話・キリスト非実在説とも)とは、

イエス・キリストは、歴史上の人物としては実在せず、最初期キリスト教におけるイエスは後世になって実際のできごとと結びつけられた神話的な存在であるとする議論である。
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こちらさん なんか すごぉぉく (たまWEB)
2017-09-11 21:41:05
まとめてるというか・・・
「新・夜話:トム・ハーパー著「キリスト神話」の欠点」
http://www.geocities.jp/todo_1091/new-night-tale/024.htm
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