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著名な聖書学者の逸話

2009-07-05 01:14:47 | 聖書
ミルグロム教授はカリフォルニア大学バークレー校でヘブライ語
旧約聖書講読上級クラスを担当していた。記事を書いたのはBYU
在学当時デービッド・ライト教授から強く勧められてミルグロム
の講義を受講したシェルドン・グリーヴズである。バークレーや
他の米神学校で伝説的評判のミルグロム教授はレビ記を1学期に
1章進める講義であった。中世以来タルムードを学ぶのに用いら
れたのと同じ手法で、学生一人一人にヘブライ語で本文を読ませ、
翻訳させて、綿密な講義を進めていた。

ある夕べ院生が授業に出ていると、教授は学生の一人が乳がんに
かかっていて終わりまで授業を受けられないことを告げた。そし
てミルグロムはその学生に向かって、ユダヤ教の伝統にのっとっ
て病人の祝福をしてもよいか尋ねた。彼女は頷いて同意した。教
授の雰囲気が少し変化したように見えた。教授は普段から親切で、
受講生のことに気を配る人であったが、それでも微かにしかしは
っきりたたずまいに違いが生じるように感じられた。

講義課目がトーラー(モーセ五書)であったので教授は伝統的な
ラビの服装をしていた。彼は両手をかすかに上げ、受講生全員と
特に祈りの対象となる学生を包み込むような角度で、ヘブライ語
で祈り始めた。深みのある豊かな声でゆっくり、ついで確認の意
味で英語で繰り返した。その時部屋にいた者が感じたことを言葉
で言い表すのは難しい。

隣人のひとりに対する優しいいたわりと愛にあふれ、時に声がと
ぎれ、深い憐みが感じられた。部屋にははっきりわかる暖かい雰
囲気と皆の同じ祈る気持ちが充満していた。私はその日力強い霊
的な経験を共にしたのであった。(執筆者のグリーヴズは聖書学
を修めて教会を去るに至ったが、上記のような霊的な経験をして
豊かにされた、と報告している。)

Source: Sheldon Greaves, “The Education of a Bible
Scholar,” Dialogue Vol. 42:2 (Summer 2009) pp. 75, 76.

Milgrom教授が担当したレビ記注解書


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