ミルグロム教授はカリフォルニア大学バークレー校でヘブライ語
旧約聖書講読上級クラスを担当していた。記事を書いたのはBYU
在学当時デービッド・ライト教授から強く勧められてミルグロム
の講義を受講したシェルドン・グリーヴズである。バークレーや
他の米神学校で伝説的評判のミルグロム教授はレビ記を1学期に
1章進める講義であった。中世以来タルムードを学ぶのに用いら
れたのと同じ手法で、学生一人一人にヘブライ語で本文を読ませ、
翻訳させて、綿密な講義を進めていた。
ある夕べ院生が授業に出ていると、教授は学生の一人が乳がんに
かかっていて終わりまで授業を受けられないことを告げた。そし
てミルグロムはその学生に向かって、ユダヤ教の伝統にのっとっ
て病人の祝福をしてもよいか尋ねた。彼女は頷いて同意した。教
授の雰囲気が少し変化したように見えた。教授は普段から親切で、
受講生のことに気を配る人であったが、それでも微かにしかしは
っきりたたずまいに違いが生じるように感じられた。
講義課目がトーラー(モーセ五書)であったので教授は伝統的な
ラビの服装をしていた。彼は両手をかすかに上げ、受講生全員と
特に祈りの対象となる学生を包み込むような角度で、ヘブライ語
で祈り始めた。深みのある豊かな声でゆっくり、ついで確認の意
味で英語で繰り返した。その時部屋にいた者が感じたことを言葉
で言い表すのは難しい。
隣人のひとりに対する優しいいたわりと愛にあふれ、時に声がと
ぎれ、深い憐みが感じられた。部屋にははっきりわかる暖かい雰
囲気と皆の同じ祈る気持ちが充満していた。私はその日力強い霊
的な経験を共にしたのであった。(執筆者のグリーヴズは聖書学
を修めて教会を去るに至ったが、上記のような霊的な経験をして
豊かにされた、と報告している。)
Source: Sheldon Greaves, “The Education of a Bible
Scholar,” Dialogue Vol. 42:2 (Summer 2009) pp. 75, 76.
Milgrom教授が担当したレビ記注解書
旧約聖書講読上級クラスを担当していた。記事を書いたのはBYU
在学当時デービッド・ライト教授から強く勧められてミルグロム
の講義を受講したシェルドン・グリーヴズである。バークレーや
他の米神学校で伝説的評判のミルグロム教授はレビ記を1学期に
1章進める講義であった。中世以来タルムードを学ぶのに用いら
れたのと同じ手法で、学生一人一人にヘブライ語で本文を読ませ、
翻訳させて、綿密な講義を進めていた。
ある夕べ院生が授業に出ていると、教授は学生の一人が乳がんに
かかっていて終わりまで授業を受けられないことを告げた。そし
てミルグロムはその学生に向かって、ユダヤ教の伝統にのっとっ
て病人の祝福をしてもよいか尋ねた。彼女は頷いて同意した。教
授の雰囲気が少し変化したように見えた。教授は普段から親切で、
受講生のことに気を配る人であったが、それでも微かにしかしは
っきりたたずまいに違いが生じるように感じられた。
講義課目がトーラー(モーセ五書)であったので教授は伝統的な
ラビの服装をしていた。彼は両手をかすかに上げ、受講生全員と
特に祈りの対象となる学生を包み込むような角度で、ヘブライ語
で祈り始めた。深みのある豊かな声でゆっくり、ついで確認の意
味で英語で繰り返した。その時部屋にいた者が感じたことを言葉
で言い表すのは難しい。
隣人のひとりに対する優しいいたわりと愛にあふれ、時に声がと
ぎれ、深い憐みが感じられた。部屋にははっきりわかる暖かい雰
囲気と皆の同じ祈る気持ちが充満していた。私はその日力強い霊
的な経験を共にしたのであった。(執筆者のグリーヴズは聖書学
を修めて教会を去るに至ったが、上記のような霊的な経験をして
豊かにされた、と報告している。)
Source: Sheldon Greaves, “The Education of a Bible
Scholar,” Dialogue Vol. 42:2 (Summer 2009) pp. 75, 76.
Milgrom教授が担当したレビ記注解書
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