最近、私の心中を占める最重要の関心事はこれである。三つの中第一は、何でもしたい放題、言いたい放題の迷惑大国という嫌悪感。第二は、深刻な矛盾を内にかかえる中国は崩壊すると分析するもの。第三は、国土がヨーロッパに匹敵する広さ、とにかく勢いとパワー、可能性があり、世界中のあらゆる国と企業がこの国に参入しようとしている、と魅力を強調する見方である。
この三つは、他の見方が間違っていると否定するものではなく、注目する要素や現象は現存し、関連し合ってさえいる。巨大なガリバーに変貌しつつある隣国をどう見ればよいのだろうか、私なりに整理してみた。
まず第一に日本人が抱く対中国観は残念ながら、尖閣諸島の近辺・日本の領海内を海洋監視船が航行したり、領有権主張を展開するなど、東に南に拡張主義があからさまであること、時折反日デモが荒れるさまを見て中国に対し深い嫌悪感・不快感を持っていることである。これは無理もないことで、なぜ中国がそのような行動に出るのか、現在世界の他の地域では見られない動きではないのかと日本としては神経をとがらす事柄である。
第二の崩壊が生じる可能性を指摘する考えはこうである。中国の作家王力雄は現在の中国を積み上げられていく砂山に譬えて、ある程度以上高くなれば臨界に達して微細な力が加わっただけでも崩壊に到るのと同様、危機が迫っていると見る。中国は経済発展が著しいという点だけが良く、アンバランスの代償を払わなければならない時がくる。急速な経済発展が永久に続くわけはなく、既にいろいろな側面に巣くっている病因が指摘されていて、崩壊は経済、社会、政治面に潜伏する矛盾が事件を引き起こす時に始まる、と見る。
また王力雄は、共産党の一党独裁も今日までに築かれた官僚集団を統制し動かすのに苦労しており、時に自分たちの利益を損なうと見れば官僚グループは共謀し、引き延ばし、捻じ曲げ、うやむやにして独裁者の決定を骨抜きにするという。改革が進みにくい体制になってしまっている。
さらに、中国は現在、力で抑え込んでいるがチベット、モンゴル、新疆ウイグルで無理な同化政策を進め人権を蹂躙していて、不満が鬱積している。これも中国にとって不安材料である。
以上二つの見方を先に書くと筆の勢いが鈍ってしまいそうであるが、三番目はとにかく中国に躍動する勢い、新しい力が伸びていく感じがして魅力的であると見る。その魅力に魅せられて(経済的・文化的な意味で)アメリカ人をはじめ外国人が大勢押し寄せている。また、大阪在住の知人の中国人は流動する中国に帰ると面白いと語る。日本もいいが物足りないと感じているのである。私自身短い2年間の経験であったが、中国に住んで躍動し、急速に変貌する流動的な中国を感じてきたので、私の中ではこの三番目の見方が最も強い。
私は、第一の観点について、中国の厚顔な拡張主義に対しては毅然とした態度を堅持し、日本側が悪いとする主張に対抗できる説得材料をそろえておきたいと思う。第二の中国崩壊の可能性について、それが不可避であると見るより漢民族の知恵で、また民主化運動を起こしている人たちの努力が実を結んで、民主的な法治国家に変わっていく可能性に期待したい気持ちである。
参考
王力雄、「帝国政治体制の苦境」、ツェリン・オーセル、王力雄「チベットの秘密」2012年、III部。
迫慶一郎「中国を拠点に世界に羽ばたく」朝日新聞b3 2013/05/11
この三つは、他の見方が間違っていると否定するものではなく、注目する要素や現象は現存し、関連し合ってさえいる。巨大なガリバーに変貌しつつある隣国をどう見ればよいのだろうか、私なりに整理してみた。
まず第一に日本人が抱く対中国観は残念ながら、尖閣諸島の近辺・日本の領海内を海洋監視船が航行したり、領有権主張を展開するなど、東に南に拡張主義があからさまであること、時折反日デモが荒れるさまを見て中国に対し深い嫌悪感・不快感を持っていることである。これは無理もないことで、なぜ中国がそのような行動に出るのか、現在世界の他の地域では見られない動きではないのかと日本としては神経をとがらす事柄である。
第二の崩壊が生じる可能性を指摘する考えはこうである。中国の作家王力雄は現在の中国を積み上げられていく砂山に譬えて、ある程度以上高くなれば臨界に達して微細な力が加わっただけでも崩壊に到るのと同様、危機が迫っていると見る。中国は経済発展が著しいという点だけが良く、アンバランスの代償を払わなければならない時がくる。急速な経済発展が永久に続くわけはなく、既にいろいろな側面に巣くっている病因が指摘されていて、崩壊は経済、社会、政治面に潜伏する矛盾が事件を引き起こす時に始まる、と見る。
また王力雄は、共産党の一党独裁も今日までに築かれた官僚集団を統制し動かすのに苦労しており、時に自分たちの利益を損なうと見れば官僚グループは共謀し、引き延ばし、捻じ曲げ、うやむやにして独裁者の決定を骨抜きにするという。改革が進みにくい体制になってしまっている。
さらに、中国は現在、力で抑え込んでいるがチベット、モンゴル、新疆ウイグルで無理な同化政策を進め人権を蹂躙していて、不満が鬱積している。これも中国にとって不安材料である。
以上二つの見方を先に書くと筆の勢いが鈍ってしまいそうであるが、三番目はとにかく中国に躍動する勢い、新しい力が伸びていく感じがして魅力的であると見る。その魅力に魅せられて(経済的・文化的な意味で)アメリカ人をはじめ外国人が大勢押し寄せている。また、大阪在住の知人の中国人は流動する中国に帰ると面白いと語る。日本もいいが物足りないと感じているのである。私自身短い2年間の経験であったが、中国に住んで躍動し、急速に変貌する流動的な中国を感じてきたので、私の中ではこの三番目の見方が最も強い。
私は、第一の観点について、中国の厚顔な拡張主義に対しては毅然とした態度を堅持し、日本側が悪いとする主張に対抗できる説得材料をそろえておきたいと思う。第二の中国崩壊の可能性について、それが不可避であると見るより漢民族の知恵で、また民主化運動を起こしている人たちの努力が実を結んで、民主的な法治国家に変わっていく可能性に期待したい気持ちである。
参考
王力雄、「帝国政治体制の苦境」、ツェリン・オーセル、王力雄「チベットの秘密」2012年、III部。
迫慶一郎「中国を拠点に世界に羽ばたく」朝日新聞b3 2013/05/11
実に興味深いByガリレオ
中国観ですが、日本を抜いて世界第二位の経済大国になったころからアジアの覇権を握ろうあちらこちらに唾をつけに行っている感があります。
しかし、中国、日本、韓国、台湾、東南アジア諸国で共闘できればどんなに良いか。。
大東亜共栄圏とか。
アジアの仲違いを実はアメリカさんはほくそえんでたりして。
韓流ブームならぬ中華ブームこないかな。
同じ日本人でも、グローバル企業の経営者から見れば、中国は魅力的な市場であり、給与が高くなったとは言え、生産拠点としての魅力もまだ有るでしょう。
一方、国内の製造業から見れば、競争相手、同じ国内でも、観光業者はよいお客さん・・・。
政治家から見ても、経済の欠くべからざるパートナーともいえるし、覇権主義のやっかいな隣国、とも言えます。
尖閣問題にしても、本当に全ての日本人が、「日本固有の領土として、断固として中国の干渉を排除する」と言う強硬な決意を持っているのか?と言えば、そうでもないような気がします。
それよりも、経済的に日本を追い詰める相手としての、中国脅威論から連なって、覇権主義中国の脅威へと繋がっているのではないでしょうか?
日本経済がうまく行ってた時は、中国の横暴さも、さほど気にならなかったが、日本経済が行き詰って、その原因の矛先を、政治家が中国にもとめた様にも思えます。
さらに、右翼陣営が、脅威論をあおり、日本の国粋主義を盛り返そうとする・・・。
今後の日本の観かたとすれば、都知事時代の石原さんの尖閣買取に端を発して、それに乗ってしまった政府が国有化したと言う政治判断によって生まれた、対中国問題を外交的にどう収めるのか?
意地を張り合って、又戦争を起こすのか?
要は、すべて、見る側の問題です。
見られる側の中国が変わる事に期待するのは、それこそ、非現実的です。
珍しくイギリスの「エコノミスト」が日本の首相をスーパーマンと持ち上げています(^^;
ただひとつ懸念としてあげられているのが強気な中韓への態度。
アメリカも釘を刺しているようですし(立場上?)せっかくの評価、冷静に対処してほしいなぁ。
また、中国で出版できない、禁書と見做される書物で状況を知るようになりました。なかなか勝ち目のないような戦いですが、彼らが一様に言うのは、関心をもっていて欲しい、日本人は忍耐をもって接してほしいという言葉です。私は共感(empathy感情移入)を持つ者として関心と期待を持っています。
聖書も言っているではないですか、三つの大事なことは「信仰、希望、愛」であると。そのひとつ希望は期待と同義語であると思います。
アメリカにとって、日本は、経済的にも戦略的にも、中国の防波堤です。
日本が、うまく中国をなだめてくれると、アメリカは世界戦略がやりやすくなるんでしょうね。
間違っても、戦争なんか始められては困ると言うのが、アメリカの立場でしょう。
経済的には、今のところ世界経済を引っ張るのは、アジア地域しかないですから、日本の円安を容認してまでも、アジア経済の停滞は避けたいのだと思います。
とは言うものの、日本人は、円安株高の投資熱に踊らされて、個人資産を掠め取られないようにしないといけません。
物価が2%上がると言う事は、預貯金が2%目減りするって事ですし、政府は年金生活者への、実質の支払いも、2%減らせるわけです。
年2%の物価上昇が5年続けば、貨幣価値が10%以上下がるんですからね、10年続けば、実に25%も預金資産が目減りします。
ま、そうやって、庶民のたくわえを、かすめ盗ろうってのが、アベノミクスの一つの側面です。
あ!話がそれてきた・・・。
初歩レベルの域をでなくて低迷しています(笑。
中国料理や文化自体は好きで奨学金を得て米国やカナダに留学していた時期チャイナタウンでよく過ごしておりました。
台湾や東南アジアにいる華僑とくに福建系の中国の人々に友人が多いものですからどうしてもその影響を受け正直台湾や東南アジア、世界中にいる華僑の人々には好感があり
その影響も受けていますので中国人自体は好きですが正直現在の中国本土の政治情勢にはあまり好感を持っておりません。
友人によると中国といってもいろいろな人々がおり中国人自身は自分は広東系とか福建系とか雲南系の同胞とみなし同族意識が強くあまりお互いに好感は持っていないそうです。
ご存じのとうりそもそも中国語自体が標準語、広東語、福建語、上海語どうしてしゃべると英語とドイツ語、オランダ語ぐらい違いお互いに理解できないですし北京市が関東平野ぐらいの大きさがある国ですから。
友人によると今中国は尖閣などで強硬路線をとっている一因は中華人民共和国の実権を握っている老人が戦時中の経験から日本人にかなり恨みをもっており彼が院政を引いているのも一因あるので彼が死去した際に多少は軟化するのではと予想しているのですがどうなることやら。
昨今の中国をみると三国志や水滸伝を読んだことのある私からみますと現在の中国本土が三国志の董 卓などといった支配層に牛耳られており
だんだん曹操などに相当する反体制派がその支配を揺るがしつつありかつての
春秋戦国、三国時代、五代十国などと同じような状態になるのかなという印象もあります。
個人的には尖閣問題あたりで強硬路線を取る以前に中国本土国内の環境問題をどうにかないと中国本土に生物自体が生息できなくなってしまうのではないかと危惧しています。
現在中国は日本だけではなくベトナム、フィリピン、インドなどとも結構悶着をおこしておりますしチベットなどの少数民族との問題やウィグルなどのイスラム系の民族とも悶着をおこしています。
中国の歴史上どうしてもそういう発想になるのでしょうが中華思想が最近強くなりすぎかつて日本やベトナムや韓国などを倭の国などと一段下の国としていた歴史背景もあるのでしょうが最近の日中両国の雰囲気は
国内の反中感情、中国の反日感情どちらもどうしたものかなあと正直心配ではあります。
韓国と日本もそうですがヨーロッパでもドイツとフランス、スペインとポルトガルと隣国同士だと
私自身ヨーロッパ駐在時代感じましたが
お互いあまり良くないです。
どうもお互いに近すぎたりすると必ずしも仲が良いとは限りないようです。
スラブ語族の文化に興味がありロシア語やポーランド語など勉強したときも感じましたがポーランドとロシアのようにお互いにスラブ民族どうしでも類似言語や民族であっても歴史的な経緯であまり好感を持てないことも
多々あるようですね。
日本の外交下手に関してはお二人のご意見に同感です。
そこを乗り越えてどうやってお互い
になんとか理解しようかすることが大変ですが。なんとかwin-winでやっていくしかないのですが。
お隣の韓国でも私自身あまりにもなまじっか日本と似ている部分が多いので違いに面喰うことが多々あります。
豚さん、見る者によって異なる。当然です。その人の立場、利害、知識、経験から異なってくるのは理の当然です。ところで日本のldsは皆、西、それも米国に向いているようで残念に思われます。米人ldsがあれほど中国に押し寄せているというのに。(そのような傾向の人が改宗しやすいのでしょうけれど)。
そうです。(めずらしく意見の一致)
>そうやって、庶民のたくわえを、かすめ盗ろうってのが、アベノミクスの一つの側面です。
まぁ、停滞していたお年寄りの膨大な貯蓄を吐き出させるにはこれしかないでしょう。アベノミクスは投資で目減り分を補いましょうと、お金の流れを作ろうとしているわけですね。
豚さんもたっぷり吐き出してね。