さあ~てと 帯しめましょか。

人生、山あり谷あり
向かうはわが身の置き場所よ。
帯締め、気を染め、往きましょか・・・  ~part 2~   

とんど・どんどやき

2013年02月24日 15時52分30秒 | 神・仏教・民俗の話

【 トンド 】

 トンド・ドンドン・ドンダラなどともいう。
すべて囃子調だが、元は火をめぐる足踏みの音から出たようだ。
奈良県山辺郡・三重県の山村地域では、大晦日の夕方に火を焚いてドンドという。



≪正月トンド≫

普通は正月15日に野外で大火を焚く。
トンド正月・ドンド祝い・ドンドヤ(熊本県)などとも呼ぶ。
日取りには、7日・14日・18日・大晦日などがあるが、
この大火の煙に乗り、歳神(正月神・祖先神)は還られるとし、
一方では、虫送りとも考え、松明の火を捨ててくる。

正月に祀る正月様は、トンド焼きの煙に乗って帰るといい、
はるか西の空を高砂の尉(じょう)と姥のような姿が消えて
ゆくとも、長さ2メートル、幅1メートルの大草履を川に流し、
それに神を乗せて帰すなどと、身内の者と別れる親しみを
抱いている。


≪主神は道祖神≫

この火祭りの主神は、道祖神になっている。

『古事記』・上巻
――伊邪那岐命が死の国(黄泉国)から、伊邪那美命とその軍勢に
   追われ黄泉比良坂(よもつひらさか)の道ふさぎに、大石ひっぱり
   だして、離縁を言い渡す。
   「その黄泉坂に塞(さぐ)れりし石(千引石〈ちびきいわ〉―道へ引
   っ張り出した石(いわ))は、道反(ちがへしの)大神とも号し、
   塞坐黄泉戸(さやりますよみどの)大神とも謂す」とある。

『日本紀』・巻一
――その前続きに、「此よりな過(き)ましそとのりたまひて、即ちその
   杖を投げたまふ、是を岐神(ふなどのかみ)と謂ふ」とある。

「さえの神」・・・堺目にいる神
「サエ」・・・境・堺の義
「サヤリ」・・・境:堺をする・つけるの意、
        境をする樹木をサヤ木(遮木)という。

『記・紀』では石・杖に神が宿り現れた形式による道の神(道祖神)、
道六神・岐神(〈ふなどのかみ〉くなどの神)とあり、仏法では地蔵菩薩
の垂跡だといい、外部の外敵をさえぎり防ぐ意で、サエから遮(せ)き
(=堰き)の神(猿田彦命・天狗)となり、咳を治してくれる神にまでなる。

この神祭りに子供が参加するようになると、主神に代わって小神(眷属
〈けんぞく〉神)・配下の神)が託宣するようになり、次第に信仰祈願を持
ってこの小神に仕え、前もって意外な祟りを避けようとする風習を生じ、
いつとなく道の神は、行旅の愛護者として、仰ぎ敬われることになった。

「道祖神」・・・(※)うながける神・塞の神
        男女二神が肩組みをしているものの、女が主で男がそれに
        配されている形式に見えるが、女神の手にする徳利は、もと
        食物調理器具(杓子か手杵)で、「オナリ神」(水仕〈みずし〉神
        ―神の仕女)であった。
        (※)「うながける」=互いに相手の首に手をかけ親しみあう意 


その焚く所――ドンドバ・サエトは村外れ(村境)・道辻・坂の根・橋の袂などで、
この火にあぶった物(餅・団子・芋類)を食えば、年中病気をせぬという。



  『日本民族語大辞典』文学博士石上堅:著(桜楓社)参照

 

                    


4年ほど前のgooSNS(もう終了したが)で、初めて「どんど焼き」なる
行事があることを知った。その頃は、てっきり「どんど焼き」という
今でも売っている駄菓子のことだとばかり思っていたのだが・・
(コレって単に太鼓のお菓子?みたい)

とにかく、このときは「左義長(さぎちょう)」という言葉が出てこなかった
ので今年まで知らなかった。

ちなみに私の方の(今は無き)実家付近では、たった17件の小さな町
だったからかもしれない(しかもその3分の一は他所から移り住んだ方々
だったように思う)が、大々的な「トンドヤキ」のような行事はなかった。

しかし私は、確かに「トンド」と聞いたことがある。
近所にいた代々農家さんだった家の次女である幼馴染が言っていた。
米を収穫した後に出る籾殻の山、あるいは落ち葉や稲藁のくずなどの
処理で決まった日付けもなく、その都度焼いていたことがあった。
それを彼女は「一緒にトンドあたろうや~♪」と言っていた。
 

何より、トンドの楽しみはホイルに包んだ芋を忍ばせてあること。
籾殻でゆっくりじっくり焼いた焼き芋は、それはそれは物凄く甘くて美味しく、
大阪市内にKトラックで売りに来る焼き芋やさんの味には満足できなかった。
昔、一度味見で買ったことがあるだけでそれからは買ったことがない。
トンドの焼き芋のあの味は今でも忘れられない!
 

普通に言う「焚き火」のようなものだと思うが、私はそれを「トンド」
というのだとばかり思っていた。とんどといえば口ずさむ歌がある。

♪ 垣根の垣根の曲がり角~ 焚き火焚き火だ落ち葉焚き~♪
     参考に→ http://youtu.be/S9wgi2SlsJA

 

調べてみれば、この火にあぶった物(餅・団子・芋類)を食えば、
年中病気をせぬという、なるほど、これもとんど行事の一種といえそうだ。
知らず知らずにしてること思えばいろいろあるものですね。 

 

                    

 

【 リンク集 】

「どんどやきは日本の国民行事」HP様こちら
   (NPO法人地域資料デジタル化研究会様)
   平成15年より、全国の新聞社WEB版に掲載された記事を主な情報源として、
   小正月行事である「どんど焼き」の実施状況を調査し、表形式で比され、
   小正月行事「どんど焼き」の全国調査集計(平成25年版)をとられています。
   

「PRUNUS なんやん」様ブログ→「どんど焼き」(2013.1.15 記事)
   1月14日だったのが雨天延期で15日になったそうです。   

どんど焼きの画像検索結果→ こちら

 

 

 

 

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