「フィル・コリンズ」
1951年1月30日生まれの70歳
【COLUMN】「Still Not Dead Yet」復活フィル・コリンズの魅力と今 Genta Kobayashi2019-06-15COLUMN、MUSIC
バンド、ジェネシスでの活動やソロアーティストとして実績を積んできたフィル・コリンズ。第一線で活躍してきた彼が長年の沈黙を破り、2019年に世界各国でのツアー開始を表明。今月から始まった「Still Not Dead」と題されたヨーロッパツアーでは、6月7日ドイツ・ベルリンでの公演でジェネシスの元バンドメンバーのマイク・ラザフォードと共演したというニュースも上がっています。
今回は復活ツアー中のフィル・コリンズにエールを送るとともに、改めて彼の魅力、現在の活動とその背景についての記事をお届けします。
マルチプレイヤー、フィル・コリンズの魅力
「世界一忙しい男」
1951年にイギリスで生まれたフィル・コリンズ。70年代イギリスで人気だったプログレ・バンド「ジェネシス」にドラマーとして加入したことから、彼の音楽活動は本格スタートします。
リーダーのピーター・ガブリエル脱退後はヴォーカルも兼務し、メロディーをポップ路線に変えバンドを飛躍させると共にソロとしても大成功を収め、イギリスだけでなく、80~90年代はアメリカ、日本でも大きな支持を集めた。
日本では、ディズニー映画「ターザン」の主題歌である「You’ll Be In My Heart」の印象が強いかもしれません。
80年代を象徴する男性ヴォーカリストの一人でありながらドラマー、プロデューサー、俳優など自身の歌以外にもマルチな才能を発揮し、「世界一忙しい男」と言われるほどの活躍ぶりでした。
ちなみに、母親が芸能プロダクションに勤務していた為、5歳の時から子役として演劇界でも活躍しており、観客役のエキストラで「ハードデイズナイト」にも出演しています。恐るべきタレント力です。
特筆すべきは1985年にリリースした、自身の3作目のソロアルバム「フィル・コリンズⅢ( No Jacket Required)」
ホーンセクションとファンクの要素を入り混ぜた当時としては斬新なサウンドの「Sussudio」から、しっとりバラード「One More Night」まで幅広い楽曲が収録されていて、どれも完成されたポップサウンドで統一されています。当時第一線で活躍していたスティング、ピーター・ガブリエルがバック・ヴォーカルで参加していたことも話題に。
このアルバムからは4曲のTOP10ヒットが生まれ、アメリカだけで売り上げ1000万枚を超え名実ともにスーパースターの地位を確立させたアルバムとなりました。
魅力的な歌声
フィル・コリンズの魅力といえば綺麗なハスキーボイスです。燻銀というほど渋すぎない、ポップなメロディーとの相性が抜群の歌声で、少しハモりを入れるだけでその迫力は相乗的に増していくのが特徴的。元のジェネシスのリードヴォーカルである、ピーター・ガブリエルの声がまさにその力があったためにジェネシス脱退のニュースはファンをがっかりさせたが、当時それまで後ろで黙ってドラムを叩いていたフィル・コリンズの歌声を聴いて驚いたといいます。
苦悩からの立ち上がり
フィル・コリンズはジェネシスの40周年を記念して行われた2007年のパフォーマンスを期に一度音楽活動を休止。また、2011年には父親業に専念するために引退を表明しています。
その間、彼は神経性の病により2009年に背中の手術を受けています。その副作用で思うようにドラムがプレイできない状態となり、現在に至るまで彼はドラムを演奏することはおろか、歩くことも困難なほどの神経性の病気に長く苦しんでいました。
このことが原因で公演のキャンセルがあったりと、表舞台から姿を消しつつあった彼。しかし、その熱意は冷めることはありませんでした。一昨年には自身が執筆した自叙伝のタイトルでもある「Not Dead Yet」と題された北米ツアーを行い、今年も現在進行形で「Still Not Dead Yet」と題されたヨーロッパツアーを行っています。
昔からのリスナーが今の姿をどう捉えるか、彼の衰えを感じている人は少なくないと思います。ですが、今現在のライブ映像を見て魅了されたり、ライブ会場で見せる盛り上がりは確かなものだと筆者は感じています。
彼の冷め止まぬ音楽への想いと、今現在のツアー活動に敬意とエールを送ってこの記事を締めさせていただきます。
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