登録番号 第53号 入善ジャンボ西瓜
特定農林水産物等の区分 第2類 野菜類 すいか
特定農林水産物等の生産地 富山県下新川郡入善町
登録生産者団体 みな穂農業協同組合
特定農林水産物等の特性 ラグビーボールのような長楕円形のユニークな外見であり、果皮の色は濃く縞がはっきりとしている。平均重量が17~19kgと大きい。サッパリとした甘みが口の中で広がる。
地域との結び付き 産地は黒部川によって形成された広大で肥沃な扇状地であり、砂質浅耕土であるため保水力が低く、多湿に弱く病害の発生しやすい西瓜を長期間生育し重く大きく育てることができる。産地では明治後期からジャンボ西瓜の栽培が始まり、ジャンボ西瓜の栽培方法が確立している。
*https://www.maff.go.jp/j/shokusan/gi_act/register/i53.html より
「入善ジャンボ西瓜」は、富山県の北東部にある入善町で栽培されたラグビーボールのような長楕円形のユニークな形状をしたスイカで、果皮の色が濃く縞がはっきりとしているのが特徴です。
他の大玉のすいかの平均重量が7~9kg程度であるのに対し、「入善ジャンボ西瓜」の平均重量は17~19kgもあります。大きくても糖度があり、食味は、サッパリとした甘みが口の中で広がります。
「入善ジャンボ西瓜」の特徴的な形、大きさ、風味から、市場や消費者からも富山県入善町ならではの特産品として、古くから夏の風物詩として親しまれています。地域の祭りなどのイベントに使われることも多く、また、お中元の贈答品としても重宝されています(1)。
栽培品種は「入善ジャンボ」を使用します。また、「入善ジャンボ」と同等の性質を満たしている別の品種を用いることもできます。
栽培は、果実が肥大化できるよう株間を60cm以上取って定植します。また、果実に養分を集中させるため、1株当り2個以下となるよう摘果を行うとともに、日焼けを防ぐため稲わらで日よけをします。
なお、生産地では連作障害を防ぐため、一度栽培したほ場は6年間以上、栽培は行いません。
このようにして生産したもののうち、収穫後の果実重量が9kg以上のものを出荷することとしています。
入善町は、飛騨山脈(2)に囲まれた富山県の北東部に位置します。この地域には、黒部川(3)によって形成された広大な扇状地が形成されています。この地域の土質は砂質浅耕土であり、保水力が低いため、多湿に弱い西瓜を長期間生育し、重く大きく育てることが可能です。また、町内の農地の多くを占める水田を、西瓜のほ場として利用しやすい環境にあったことも、西瓜栽培が普及した要因です。
この地域では明治30年(1897年)頃より大型西瓜の栽培が行われており、100年以上の間に培った栽培技術の蓄積が、栽培管理上の土づくりや病害虫対策、果実の肥大化などに不可欠な栽培方法や土壌管理方法を生み出し、ジャンボ西瓜の産地を形成してきました。
明治時代から始まった大型西瓜の栽培は、大正時代には作付面積96haにのぼり、海外にも輸出されましたが、その後の戦争や消費者の嗜好の変化により、作付面積が減少しました。このため、栽培技術の共有や品質の向上を図るため、1971年「入善町黒部西瓜生産組合」が発足し、その後、1982年には、品質管理の徹底と町の特産品振興を目的に、名称が「入善町ジャンボ西瓜生産組合」に変更されました。
1983年頃から「入善ジャンボ西瓜」の名称で生産・出荷されるようになり、2016年度には、生産面積が4.1ha、7,846個が生産されています。
(1)日本では1年に2回、お世話になった方に対して、「感謝の気持ちを込めて」、贈り物をする習慣があります。夏は「お中元」、冬は「お歳暮」と言います。なお、入善ジャンボ西瓜は、かつては米を入れるための包材である「米俵」を利用して持ちやすく梱包されていたことから、現在でも贈答用には、稲わらで編んだ特徴的な形の梱包材で梱包したものもあります。
(2)飛騨山脈:富山県、新潟県、岐阜県、長野県に連なる山脈です。山脈の主要部分は「中部山岳国立公園」に指定されています。
(3)黒部川:富山県東部を流れる河川です。急峻な飛騨山脈を源流とし85kmの短さで日本海に至ります。黒部川の流域にある黒部ダムが国内最大級のダムとして有名な観光地になっています。
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