うまいッ! 「ぷりぷりで甘い 養殖とらふぐ~長崎県~」 2016年01月17日
番組内容
長崎県九十九島で養殖されるトラフグ。静かな海で栄養たっぷりのえさをあたえられ、手間ひまかけて育てられる高級フグ。刺身で食べてもよし、鍋にしてもよし。そのうま味は絶品だ。地元ならではの食べ方もご紹介。さらに、ブランド化に取り組む地域の人々の奮闘ぶりや、フグ養殖研究の最前線も取材してお伝えする。
*https://www.nhk.or.jp/archives/chronicle/detail/?crnid=A201601170615001302100 より
詳細不明につき、勝手に調べてみました。
「九十九島のトラフグ」
ブランド化で知名度をアップ 身の引き締まった長崎県の「九十九島とらふぐ」
冬の味覚として親しまれるトラフグ。長崎県のふぐ類の生産量は、全国生産量の約47パーセントを占めます(令和元年漁業・養殖業生産統計)。今回は長崎県佐世保市のトラフグ養殖の現場を取材。エサに同市の特産品である西海みかんを混ぜて与えるなど、おいしさを追求して育てられた「九十九島とらふぐ」のブランド立ち上げについて紹介します。
「豊かな自然が育む、九十九島とらふぐとは?」
養殖場からトラフグが出荷される様子は冬の風物詩となっている。
208ともいわれる島々から成る九十九島の海域は、複雑な地形が生み出す潮の流れを生かし、マダイやカワハギ、トラフグなどの養殖が盛んに行われています。特に養殖トラフグの生産量は全国でもトップクラス。近年では、九十九島漁協と若手生産者を中心に、地元で養殖されたトラフグをブランド化しもっと多くの方に食べてもらえるよう、さまざまな取り組みを行っています。
「漁協と養殖業者がタッグを組んで、ブランド化を目指す」
「九十九島のトラフグをもっと食べていただきたい」という思いから、そのブランド化を目指し2012年にスタートした「九十九島とらふぐ」プロジェクト。今回は、スタート時からこのプロジェクトに携わっている九十九島漁協販売部長の川尻庄司さん、養殖業を営みプロジェクトに参加している「とらふぐマイスターズ」メンバーの山ノ内孝太郎さん、新立博光さん、新立三好さんにお話を伺いました。
Q1 プロジェクトを立ち上げたきっかけや目的を教えてください。
A1 長崎県は全国有数の養殖トラフグの生産地なので、県内でももっとトラフグを食べてもらいたいと思ったことがきっかけです。九十九島だけでも12月から3月にかけて、18万匹から20万匹の養殖トラフグが出荷されています。しかし、このプロジェクトを始める前は、山口県や大阪府など、トラフグを食べる文化のある地域へ出荷することがほとんどでした。そこで、県内でももっとトラフグを食べる機会を作り、観光で訪れる方々にもそのおいしさを知ってもらえたらと思い、九十九島の8名のトラフグ養殖業者が集まりこのプロジェクトを始めました。(川尻さん)
Q2 地元では認知され始めてきていますか?
A2 当初は佐世保市内のホテルなどで九十九島とらふぐを提供してもらっていましたが、今は飲食店をメインに卸しています。コロナ禍になる前は、毎年12月にその年初めての「九十九島とらふぐ」が出荷される際、佐世保市長にもお越しいただいて出荷式を行っていました。出荷式では試食会なども行い、地元の情報番組などでも取り上げてもらったので、知名度は上がったと思います。(川尻さん)
Q3 トラフグの養殖ならではの苦労や気をつけていることはありますか?
A3 トラフグは、ストレスが溜まったり興奮すると鋭い歯で他のトラフグを噛んでしまうんです。このため、稚魚のうちから出荷まで多いと4回ほど“歯切り”という作業をします。他のトラフグの身を傷つけないためには重要な作業なのですが、1匹づつ丁寧に歯切りしていくので結構大変です。(新立博光さん)
トラフグには普通の魚のような鱗がないので、皮膚に寄生虫が寄り付きやすいという特徴があります。もし寄生虫が付いてしまった場合にはその駆除も必要になるため、そういう意味でも他の魚の養殖より手がかかっています。(山ノ内さん)
Q4 「九十九島とらふぐ」ならではの特徴を教えてください
A4 佐世保市の特産物である西海みかんを、トラフグのエサに混ぜこんで与えています。毎年7月までに1年分の餌となる早摘みのみかんを農協から購入して、それを粉砕してから漁協にある冷凍倉庫で保存しておきます。使用する時はその冷凍されたみかんを、小アジ、アミ、小女子(こうなご)などと一緒に混ぜ込みエサにし、トラフグに与えています。
エサにも九十九島らしさをと考え、当初エサに混ぜて与える品の候補として、佐世保市の特産物であるアスパラガスとみかんを検討しました。トラフグのおいしさにどの様な違いがあるのか比較検討した結果、採用されたのが早摘みした西海みかんでした。このみかんを与えることでトラフグの血流がよくなり、身が引き締まると言われています。(川尻さん)
Q5 飲食店にはトラフグをどのように納品しているのですか?
A5 トラフグは「毒」を持っているため、フグ調理免許を持っていないお店だと、そのまま納品しても扱えません。このため、県主催のセミナーに参加してフグ調理免許を取得した漁協メンバーが捌いた「身欠き」のものを各店舗に納品しています。いつ販売部に配属になってもいいように、今いる漁協の若いメンバーの多くはフグ調理免許を取得しています。
飲食店でも気軽に取り扱ってもらえますし、お客様にも安心して食べてもらえる。それが「身欠き」納品のメリットです。(川尻さん)
身欠き状態にし、皮やヒレもセットにして飲食店へ納品する。また、毒のある内臓はすべて漁協販売部で取り除き、処分する。
Q6 このプロジェクトが発足したことで、何か変化はありましたか?
A6 プロジェクト発足前よりも、養殖業者同士の横の繋がりが強固になり、今までよりも情報交換が活発に行えるようになったのはよかったですね。最初は手探りの部分もありましたが、自分たちが育てた魚をどう販売するか、どう付加価値をつけるのかを考える面白い取り組みだと思っています。どこから買った稚魚はどう育ったなど、さまざまなことを話し合い、養殖の参考にすることも多いです。(新立三好さん)
Q7 今後、「九十九島とらふぐ」をどのように広めていきたいか、教えてください。
A7 現在は、一般のお客様向けへは漁協の直販所で販売するだけに留まっているのですが、今後はふるさと納税なども含め、もっと販路を拡大できればと考えています。どうしても気軽に家庭で食べることができるという印象が薄い魚なので、自分たちだけでなく、客観的な意見も取り入れながら「トラフグでこんな料理もできる!」ということを発信していけたらとも思っています。(川尻さん)
「もっとトラフグのおいしさを多くの人に知ってもらいたいですね。味噌汁も、唐揚げも、とてもおいしいですよ。あと、てっちりにした後の雑炊はたまりません。高級魚の印象があるかもしれませんが、外食するときの選択肢にも加えてもらえたらうれしいです。」(とらふぐマイスターズの皆さん)
今回教えてくれたのは・・・
九十九島漁業協同組合 川尻 庄司 さん
とらふぐマイスターズ 山ノ内 孝太郎 さん、新立 博光 さん、新立 三好 さん
*https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2202/spe1_02.html より
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