「治助芋のネギ味噌」
主な伝承地域 奥多摩地域
主な使用食材 治助芋、ネギ、味噌
歴史・由来・関連行事
治助芋のネギ味噌とは治助芋と呼ばれる芋を蒸して、ネギ味噌をつけた料理。
治助芋は馬鈴薯品種に属し、西多摩郡奥多摩町小河内(おごうち)地区を中心に100年以上前から栽培されており、オイネさんが山梨県都留市から嫁入りした時に隣の檜原村で栽培されている芋(オイネのつるいも)を持参し、それを治助さんが持ち帰ったことが名前の由来とされる。
奥多摩地域は稲作に向かない土地であったため、食糧不足の時代には副菜としての利用はもちろん、客人が来た時にインゲンや昆布とともに煮てもてなす習慣もあるなど、生活に密着した食材であった。小ぶりながらも病気に強く、白皮・白肉が特徴で、男爵薯より遅い7月上旬頃が収穫時期である。味は濃厚で粘りが強く、煮崩れしにくい特性を持つことから、ネギ味噌と食すだけでなく、煮物やカレーの具材など広く日常的に食されている。
粘りのあるみっちりとした食感とネギやかつお節を混ぜたネギ味噌との相性は抜群。奥多摩の庶民に愛される一品だ。
食習の機会や時季
収穫時期を迎える7月以降に主に食されるが、治助芋は馬鈴薯と同じく長く保存ができるため、通年、各家庭で食される。
飲食方法
治助芋の皮をむき、蒸す、煮る、焼くのどれかで火を通したのち、ネギ味噌を添えて食す。また、昔は冬の寒い気候を利用して、濡らした芋を一晩屋外に出して凍らせたのち、乾燥させ、粉にして「芋団子」を作り、こがし(大豆と麦を炒って粉にしたもの)をまぶして食すこともあった。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
近年は奥多摩町で治助芋普及促進協議会を立ち上げブランド化を図っている。2012年には「治助芋」の名称を商標登録し、町の種芋から生産されたものだけを治助芋としている。また2016年8月から奥多摩町観光協会は、治助芋と鹿肉が入ったレトルトカレー「おくたまカレー」を販売し。土産物として人気がある。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/34_14_tokyo.html より
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