「しょっから汁」
主な伝承地域 式根島、新島、御蔵島
主な使用食材 しょっから(ムロアジ)、アシタバ、サトイモ
歴史・由来・関連行事
「しょっから汁」とは、小ぶりのムロアジを丸ごとミンチにして塩を加え発酵させた「しょっから」に、アシタバやサトイモなどの島で採れる野菜を加えて煮込んだ汁物。御蔵島を中心に伊豆諸島に伝わる料理で、伊豆大島では「えんばい汁」と呼ばれている。
ムロアジは伊豆諸島の食文化に欠かせない魚で、伊豆諸島の名産「くさや」の原料である。くさやの語源は、ムロアジの別名「クサヤモロ」からきているという説と、江戸の魚河岸の間で「くさいからクサヤ」という名前がついたという説もある。「しょっから」はそのムロアジを発酵させた魚醤。塩漬けにして、約1ヶ月程度発酵させて出来上がったしょっからは、独特な匂いと濃厚な旨味に加え栄養分もたっぷり。アシタバとサトイモがしょっからの臭いと塩気を中和する。島に暮らす人々の知恵と、島の特産品の旨味が詰まった一品である。
食習の機会や時季
アシタバとサトイモが獲れる晩秋から冬に食べられてきた。現在はムロアジの漁獲量の減少とともに、作られる機会は減っている。
飲食方法
開いた新鮮なムロアジをミンチ状にし、塩を加えて1~2週間置いて発酵させたものを、あしたばと共にだし汁に入れ、他の具材とともに煮込む。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
現在はムロアジが獲れた時に、ごく一部の家庭で作られ継承されている。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/34_9_tokyo.html より
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