「かんぴょう巻き」
主な伝承地域 東京湾周辺、都内全域
主な使用食材 米、かんぴょう、焼のり、酢、砂糖
歴史・由来・関連行事
かんぴょう巻きとは、巻きずしの一種で、水で戻したかんぴょうを甘辛く煮付けたものを酢飯とのりで巻いたもの。
かんぴょう巻きは江戸前ずしの中の定番ネタとして欠かせない一品。かんぴょうとはユウガオの果肉を薄く細長くむいて、天日干しした乾物食品のひとつ。当時、のり巻といえばかんぴょう巻きを指し、のり巻は細い太いに関わらず「の」の字に巻くのが原則とされており、芯にした具がくたっとしないように巻き上げるのが職人の腕の見せどころであり特徴であった。
また、かんぴょう巻きに必須である焼のり。元々のりは日本において太古より貝類とともに食されてきた海藻で、江戸時代になると現在の品川から大森エリアでのり養殖がさかんになり、紙のようにすいて作るすき製法が定着する。当時、浅草には「浅草紙」と呼ばれる手漉きで再生紙を作る製紙産業があり、その製法からヒントを得たことから、江戸時代の焼のりは「浅草のり」と呼ばれるようになった。養殖により焼のりは庶民でも手に入れることができるようになったため、大正時代になると家庭でものり巻きが作られるようになった。関東ではすしの一品として誰もが食したことのあるかんぴょう巻だが、関西では太巻きが主流で、現在に至っても馴染みのない巻物。かんぴょう巻きは江戸前ならではの粋な食べ物といえる。
食習の機会や時季
江戸時代、高級すし屋の形態により寿司は主にハレの日に食されるようになった。現在は寿司屋の形態が多様化したことにより、ハレの日だけでなく日常的に食される。また、家庭でも日常食として食される。
飲食方法
かんぴょうは水で戻して甘辛く煮付ける。巻きすに、焼のり、酢飯を敷き詰め、煮付けたかんぴょうを芯にして巻く。食べやすい大きさに切って食す。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
江戸前ずしには必ず入っているほか、すしの形態が多様化した現在では、すし屋、すしチェーン店、スーパーのお惣菜コーナー、コンビニエンスストアなどで幅広く販売されている。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/34_13_tokyo.html より
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