ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

「ひとりがたり馬渕睦夫」 - 3 ( 国際金融資本家と社会主義者 )

2019-12-21 13:47:27 | 徒然の記
 本日は、ロス氏の意見を紹介します。4年前には意識せずに読んでいましたが、馬淵氏の動画を見て、ロス氏の意見が無視できない発言だったと、気づきました。
 
 氏の説明によりますと、国連の最高機関である安全保障委員会が決定した、国連の目標があります。つまり五大国が決めた、世界の未来像です。
 
 なんとそれが、「グローバル化」なのです。氏が、反対意見を述べています。
 
 「官僚言葉でグローバル化などと曖昧に言わず、世界の文化の均質化、資本市場の開放、労働力の流動化と問題を具体的にして議論すべきだ。」
 
 「政治家たちが、なぜ具体的に語らないのかと言えば、グローバル化とは、国家や領土や民族までも超越した、地球世界へとつながっていく概念だからだ。」
 
 「国毎の歴史や、伝統を大切にする国民が、大多数を占めている現在においてハッキリ言いすぎると、邪魔されるため、曖昧にして進めているのがグローバル化なのだ。」
 
 グローバル化とは、強いものが弱いものを淘汰していく、弱肉強食の世界政策です。4年前の私の意見が、現在そのまま通用します。
 
 「一部の大富豪が、世界の富を独占してしまうグローバル化に、私は到底賛成できない。」「職業外交官として、こうした正論を表明したロス氏は、きっと勇気のある人物なのだろう。」
 
 ここでやっと、馬淵氏の動画へ戻ります。
 
 「トランプ大統領は、アメリカファーストと言っています。」「マスコミはこの言葉だけしか伝えませんが、次の言葉が重要なんです。大統領はなんと言っているか、各国ファーストと言っているのですよ。」「アメリカだけがファーストでなく、世界の国々がそれぞれファーストだと、そう言っているんですよ。」
 
 「国連が目的としているのは、世界のグローバル化です。」「人も物も金も自由に行き来し、国境も何もない地球国家を作ろうとしているんです。」「世界の金融を支配する人々にとっては、都合の良い国家ですね。」「アメリカの指導者たちは、国連を舞台にして、そんな世界を作ろうとしているんです。」
 
 「トランプ大統領の国連演説は、このグローバリズムへの明確な反対なのです。」「大統領は、こうも言いました。アメリカの目指すゴールは、世界の調和だ。」
 
 対立と破壊を繰り返し、それを進歩と捉え、是認してきた世界の思想があります。その中で日本は和の尊さを語り、神々の共存を認め、調和のある社会を目指してきました。トランプ氏の意見は、日本の文化そのものだと氏が語ります。そこまで広げるのは考え過ぎでないかと言う気もしますが、氏に言われると私は賛成したくなります。
 
 ロス氏の著書を思い返しますと、馬淵氏の言う「国連の目的が、世界のグローバル化」だと言う意見が、単なる思い込みでないことが分かります。世界のグローバル化を目的としている勢力は、下記の2つです。多くの人には別々のものと思われていますが、どこかでつながっているとそんな気がしています。
 
  1.  世界の金融界を支配する、国際金融資本家たち 
  2.  社会主義者・マルキストたち
 
 「彼らはこれまで、金と物のグローバル化には成功しつつあります。」「それがIMF ( 国際通貨基金 ) と 、WTO ( 世界貿易機関 ) ですね。」「金と物の動きは、この二つでグローバル化の道がつきました。」「残るのは、人の動き、人間の流動化です。」「経済的移民を促進させるだけでなく、彼らがやっているのは、世界各地で大量の難民を動かし国境を越えさせることです。」「難民を発生させ、ヨーロッパやアメリカに動かしているのは、顔を見せない彼らなんです。」
 
 「一方で、大量の移民を合法的に動かすのは、人材派遣会社です。」「彼らが、儲けますね。」
 
 この時私はすぐに、竹中平蔵氏の顔を思い出しました。氏は米国の金融資本の代理人として、日本政府に送り込まれた学者であり、自己中心的な悪徳商人です。馬淵氏の話は怪しげな陰謀説が混じると言う人もいますが、私は氏の言葉のはしはしに、愛国心を感じ取ります。
 
 氏はさらに、トランプ大統領の国連演説について語ります。
 
 「世界のリーダーがなすべきこととして、大統領は六つのことを述べました。」
 
    1.  祖国を大切にし、祖国を建設すること
    2.  文化を大切にすること
    3.  歴史に敬意を払うこと
    4.  国民を宝とすること
    5.  国を強くし、繁栄させること
    6.  道義的に正しい国家を作ること  
 
 「ここに述べられていることは、日本の古事記の思想そのものです。」「私はこのような話は、トランプ氏でなく日本の総理大臣にしてもらいたかったですね。」
 
 現在のトランプ氏が、道義的に正しい言動をしているのか、首をひねるところですが、演説をする勇気にf敬意を表します。安倍総理にしても、移民法を成立させたり、アイヌ新法を作ったりロクでもないことしていますが、保守の旗は下ろしていません。
 
 馬淵氏と田中英道氏が、トランプ氏と安倍総理を否定しない間は、私も是々非々でいく考えです。息子たちに言います。大切なことは、自分の国を愛して、愛する日本を自分の子供たちに残すことです。間違っても、次の二つの勢力に騙されてはいけません。
 
  ・ 世界の金融界を支配する、国際金融資本家たち
 
  ・ 社会主義者・マルキストたち
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「ひとりがたり馬渕睦夫」 - 2 ( 国連の敵国条項と分担金 )

2019-12-21 07:05:28 | 徒然の記
 4年前の平成27年に、カーン・ロス氏の『独立外交官』を読みました。その時の書評を探し出して紹介します。
 
 「ロス氏は元英国外交官で、国連安保理のイギリス代表部に、中東問題の専門家、一等書記官として、4年間勤めたキャリアだった。」「ブッシュ大統領が行ったイラク戦争に、英国代表として深くかかわり、この結果を見て国連と祖国に失望し、退職したという変わった官僚だ。」

 そのまま、当時の書評を転記します。

 「国連で最高の位置づけにあるのは、安全保障理事会だが、構成する5大国が、どのように振る舞っているかなど、氏の叙述で明らかになった。」「常任理事国が、米・英とロ・中・仏の二つのグループに分かれ、常に牽制し合っているなど、推測はしていたが、ここまでハッキリ対立しているとは、意外だった。」
 
 「ましてフランスが、ロシアや中国と緊密な立場にいて、米英に対抗しているとは知らなかった。」

 安保理事会で力を発揮しているのは、政治家ばかりでなく、実務家である外交官、つまり官僚です。彼らのもとにあらゆる情報が集まり、彼らはそれを分析し、報告書にまとめ決断する政治家へ渡します。必要とあれば彼らは、自分に有利な情報だけを集め、政治家へ届けたりします。
 
 「何ということはない、日本の国会と同じで、無能な大臣たちが官僚の作った答弁書を読み、野党の質問に答える図式と同じだった。」「優秀な役人は、世界のどこの国でもそうなる、という話だろう。」

 ウォルフレン氏は、日本は官僚に支配された社会主義国だと批評しましたが、国連も同じだったのです。氏の本の出版は平成17年で、ロス氏の著作は平成21年ですから、ウォルフレン氏は、ロス氏の書いた安全保障理事会の実情を知らなかった、とも言えます。
 
 しかしロス氏の著書の出版は、たった4年後です。4年という短い間に国連が変わったというより、創設以来理事会の運営は同じだった、と考える方が自然でしょう。ロス氏の著書を紹介します。
 
 「国連では、常任理事国が世界情勢への対応を決め、他の国などは彼らの眼中にない。」「5大国間の駆け引きが密室協議で行われ、紛争国への介入や不介入、軍事力の行使など、世界のすべての重要案件が決定される。」
 
 「非常任理事国や、他の国が本会議に同席していても、5大国に相手にされることはない。」「協議の対象となっている、紛争当事国の参加もなく、議論は5大国の国益に添って進められて行く。」
 
 これがイギリスの外交官として現場にいた、ロス氏の叙述です。どこに、公正と正義があるのでしょう。ウォルフレン氏だけではありません。日本には氏と同じように国連を信頼し、尊敬している人間が沢山います。4年前の書評を、もう少し紹介します。

 「中国は韓国と手を取り合い、慰安婦問題を国連で喧伝しているが、この本を読むと、黙認しているアメリカも、戦勝国の立場を崩していないのだと理解できる。」「日本が歯ぎしりしても、中国は常任理事国クラブの正規メンバーであり、米・英・仏・ロと、幾らでも意思疎通できる立場にある。」「ここでは、戦後体制がそのまま生きていて、敗戦国の日本とドイツは日陰者扱いで、最貧国になったイタリアは語られることもないらしい。」
 
 「こんな国連を有り難がり、日本の軍隊を提供すると言った、小沢一郎氏の戯言を、改めて考える。」「日本で剛腕政治家と言われた人物が、この程度かと情けなくなる。」

 ロス氏が、国連に民主主義がないと語るのは、五大国の横暴を知ったからでした。私が小沢氏に失望したのは、ロス氏の著作が一因でした。そして今度は、ウォルフレン氏に失望する番が来ました。氏は国連の内情を調べず、権威のある組織と思い込んでいたということです。
 
 腹立たしい思い出のついでに、国連分担金について、4年前の私の意見を紹介します。今は中国が世界第二位の経済大国なので、内容は変わっていますが、当時の状況を確認しておくのも、悪いことではありません。
 
 「2012年から2015年までの、国連分担金の推移を調べてみると、日本は、米国の22%に次ぎ、10.8%とという第二の負担率だった。」
 
 「英・仏・中は、日本の半分の5%で、ロシアは2%で日本の5分の1しかない。」「ドイツも7%だから、日本がいかに断トツの負担をしているのかよく理解できた。」

 「しかも分担金の支払は、アメリカを筆頭に遅延し、ほとんどの国が延滞金を抱え、国連の赤字に貢献している。」「日本だけが、律儀に毎年キチンと支払い、しかも何の敬意も払われていないというのだから、呆れて果てた国連の実態でないか。」

 原因は全て五大国にあり、国連憲章の「敵国条項」にあります。敵国条項というのは通称で、正しくは国連憲章第53条、77条及び107条を指します。中身を要約すると、次のとおりです。

 「国際連合の母体である連合国に、敵対していた枢軸国が、将来、再度侵略行為を行うか、またはその兆しを見せた場合、国際連合安全保障理事会を通さず、軍事的制裁を行う事が出来る。」

 どの国が敵国に該当するかという、明確な規定はありませんが、
 
「日本政府の見解では、第二次世界大戦で国連発足時の、原署名国である51ヶ国と交戦状態にあった、以下の国々を指すとしている。」
  • 日本国
  • ドイツ国(現在のドイツ連邦共和国)
  • イタリア王国(現在のイタリア共和国)
  • ブルガリア王国(現在のブルガリア共和国)
  • ハンガリー王国(現在のハンガリー共和国)
  • ルーマニア王国(現在のルーマニア共和国)
  • フィンランド共和国
 これはまさに朝鮮戦争の休戦協定と同じで、五大国がその気になれば、いつでも日本と交戦できると言う物騒な規定です。小沢氏だけでなく、日本の政治家はほとんど知らないのではないでしょうか。日本の政治家たちが、呑気に国内政争に励んでいますから、国民も呑気にしているわけです。
 
 馬淵氏の動画に戻る前に、もう一つ重要なロス氏の意見があります。氏の主張が正しいという、根拠にもなります。偶然の発見なので、次回に報告します。
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