( その1 )は、6月1日の新聞記事です。
「政府は31日、有識者会議の第5回会合を開き、海外王室や歴史の専門家ら4人から、意見を聴取した。」これが記事の書き出しで、君塚直隆、曽根香奈子、橋本有生、都倉健之各氏の選定理由が、説明されています。
「これまでの聴取対象者は年齢層が高めで、皇室制度や皇室典範の専門家が多かった。」「今回は、曽根、橋本両氏が30代、都倉氏が40代と比較的若く、」「3氏とも、皇室とは直結しない分野に関わる。」「若い世代や、一般の感覚の声を聞きたいとの、」「有識者会議メンバーの意見を踏まえて、人選した。」
ここからもう「冗談」が、始まっています。元々素人である有識者会議のメンバーが、若い世代や一般の声を聞きたいからと、皇室に関係のない素人を選んだと説明しています。素人が素人の話を聴取して、皇位継承者問題を決めようというのですから、呆れる話です。会議の内容も、皇位継承問題を外れています。
「有識者会議の第5回会合では、新型ウィルス禍で、」「皇室が、国民から遠い存在になったと懸念する意見も出た。」
ここで、関東学院大教授の、君塚氏の意見が紹介されます。53才の氏が一番年長になるためなのか、氏の意見が記事の半分を占めています。
・皇室活動拡大や情報発信強化で、国民に近づく試みが必要ではないか。
・天皇陛下は、「より国民に近い存在」を、理想の天皇像とされてきたと感じる。
・新型コロナ禍の終息後は、国民との距離を縮めるため、園遊会の招待客数や親授式の機会を増やすほか、ソーシャルメディアの活用が必要
・英王族約20人が関わりを持っているのは、約3千団体にのぼる。他の欧州諸国も、相当数に及ぶ。
・日本では皇族15人ほどが、85団体に関わっているに過ぎない。
・関与する団体数を増やせば、もっと身近な存在になれる。
・皇位継承の議論に多くの国民が関心を払っていない。この現状がいかに深刻かを、理解してもらうことが必要。
氏は英国王室の専門家だということですが、宮中三殿のことも知らず、その意味も知らないようです。皇居の中にあるこの神社は、日本の神社の頂点に位置する、最も格式の高い神社です。いわば神道の総本山であり、ここで神儀を行われる天皇は、文字通り最高位の神官です。
この三殿で天皇は、国の安寧と国民の幸せを祈られ、神話の世界に包まれながら、神官としてのお役目を果たされます。
天皇陛下が頻繁に外へ出かけられるようになったのは、上皇陛下と美智子様の時からです。昭和天皇は皇居に住われているだけでしたが、国民は敬意を払い、身近に感じていました。関係する団体数を増やすとか、園遊会の人数を多くするとか、マスコミを活用し情報発信を増やすなど、およそ的外れの提案なのに、それをまた共同通信社が活字にしています。
氏のような、頓珍漢な人物が集まり、ヘンテコな議論をするから、国民の関心が高まらないのであり、現状を深刻なものにしているのは、彼ら自身ではないのでしょうか。「冗談もほどほどにしなさい」と、言いたくなるではありませんか。
参考のため、他の専門家の意見も、記事から抜粋してお伝えします。
曽根香奈子氏
・「男系女子」が一時的に必要な時は、可能。
・「女系」は、新たな王朝・国家を開くことになるので、反対
橋本有生氏
・女性天皇は過去にも存在、伝統の観点からも否定されない。
・女系天皇も、自由に論じる余地がある。
都倉健之氏
・「男系女子」は、法的な条件が整えば賛成。
・「女系」は、最後の選択肢として、継承の道を確保するため必要。
君塚直隆氏
・男系女子と、女系を認めるべき。
・継承順位は、男女を問わず、第一子を優先すべき。
愚かしい意見も、新聞が活字にし全国に発信すれば、有識者や専門家の意見として浸透していきます。ご先祖さまが、どんな苦労をして「男系維持」を保たれてきたのか。どんな意味があるのかと、学者と名のつく人間なら、謙虚に過去を調べた上で望むべきではないのでしょうか。
これだけでも、力が抜けそうな新聞記事ですが、次回は ( その2 )です。本当に、言いたくなります。政府と、メンバー各位と、マスコミ各社に対し、
有識者会議の冗談も、ほどほどに・・