今日はボイス・オーバーの仕事です。
この仕事は吹き替えと違って…芝居をしていない生身の人間ですから大変です。
過去何回も偉大な人物や殺人犯や一般市民の声を…原音に載せた僕です。
なんと今日の声の主は…第42代アメリカ大統領 ビル・クリントンです。
テーマは人権問題です…そして中心人物は【ローザ・パークス】女史です。
あの「アメリカ公民権運動の母」として知られている…ローザ史の歴史でした。
1955年のアラバマでは…バスで白人が乗ってきたら黒人は席を立つ決まりです。
しかし疲れていたローザは…運転手に怒鳴られても白人に席を譲りませんでした。
この事件が元で黒人達はバスをボイコット…なんと人権抗議運動が始まったのです。
そして1年後にバス会社は謝罪し…座席の差別はなくなります。
この勝利で黒人にも選挙権が与えられるべきと…非暴力の戦いが始まるのです。
やがて無条件で黒人も選挙権を得て…あのワシントン大行進まで発展するのです。
そんな人権運動を続けて来たローザ・パークス女史に…クリントンが言います。
1999年の大統領の有名なスピーチです…僕は声を当てていて涙が出ました。
映像には戦いに勝利した女性…パークス女史の輝かし顔が映っています。
クリントン大統領は…ローザ・パークス女史を紹介し賛嘆します。
43年前、アラバマである一人の女性がバスの席に座り…
立ち上がる事を拒絶したその日から旅は始まったのです。
今…彼女はファーストレディーの隣に座っています。
ローザ・パークス!今日は立つも立たないもあなたの自由です!
なんと感動的な…ウィットにも飛んだスピーチでしょうか!
パークス・ファンの僕は…スタジオで一人感涙です。
久々に…涙しながらの仕事でした。
ローザ・パークスを知らない人には…全く詰まらない話でした。
でも「人権」と云う事を考えた時に…この人の名前は忘れてはダメです。
今日は少し真面目な…僕のブログでした。