
2004年発行マイケル・ルイス著、マネー・ボール Moneyball: The Art of Winning an Unfair Game の映画化。
数年前、楽天が球団経営に乗り出した時にも話題になったこの本の冒頭には、以下のフレーズが。
「貧乏球団アスレチックスはなぜ3分の1の選手予算でヤンキースと同等の成績を収められるのか?」
ここだけで、つかみはOK!という感じ。
その答えは、
「選手を採用する善し悪しの判断について、従来のパラダイムを破棄し、もう一回 本質的なメカニズムまで昇華して考えてみた」
というわけだが、インターネットの普及とパソコンの計算能力の飛躍的向上がこれを可能に。
モチロンその根っこにあったのは、その大胆な「発想」であるのは大前提として。
それは例えば、驚きの!
打率より出塁率(=四球を選ぶヤツはエラい!)
盗塁は禁止! etc...
さて映画になってみて、まず語らなければなのは、主演の2人。
白状すると、実はブラピってこれまであまり好きになれない俳優だった。
ギャグに走る彼は、笑えるので マル ○ だったが(笑)
だが、ここの彼はセリフ一つ一つの決め方もかっこ良く、スピーディにトレード他を仕切っていくサマがいちいち「絵」になる。
そして共演のジョナ・ヒル。
彼が、今年度のアカデミー他で主演男優賞にからんでくるのは間違いないだろう。
このコンビが挑戦するのが、古臭いしきたり(に近い経験則にしばられた)「野球常識」への闘い。
これは、先日アップした「読後評:ホワイトスペース戦略」(11-10-25) にも共通する現代人のテーマ。
<そのスペースを見つけるだけではなく「従来」の企業活動とどのように折合いをつけ、
<実際にそのイノベーションが、どうやれば力強い成長の起爆剤になりうるか
そういう点で、映画になりドラマ色が強くなっただけでなく、いっそう共感を獲得しやすくなった。
原作の面白さを巧みに映像化したことで、もう一度観たいと思わせるクラスの仕上がり。
2時間13分が全く気にならない。
オリジナル・ポスターも素敵(写真:小さい場合 クリックすると大きくなります)
このコピー WHAT ARE YOU REALLY WORTH ? に痺れてしまった....
(観たらわかります)
ぶっちゃけ! 今年のベスト3くらいに食い込みそう。