日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
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イラン出身、アスガー・ファルハディの新作。
前作「彼女が消えた浜辺」(2010.9.19アップ)での醍醐味は、イラン社会「独自」あるいは「普遍的に共通」なものを発見させることだった。


今回は旅行に出かけた人々ではなく、テヘランに住む夫婦を描く。
そしてタイトルの示す通り、この夫婦うまくいっていない。
娘の教育のため海外移住を考える妻と、老いた父を老いて行けない旦那。
妻が実家にいったん帰ってしまったところをきっかけに、意外な方向に物語が展開する。

前作で感じた「イラン社会」で自分たちと共通するもの、ちょっとした文化の違い、を今回も。
今回の特徴的なのは、日本でも共通する多くのテーマでそれを浮かび上がらせるところ。
「子供の教育問題」から始まって、「親の介護」「嘘をつくことの罪」「親子の信頼」「一族の信頼」「警察権力のあり方」など、枚挙にいとまがないくらい。
その分、前作より惹き込まれ度が高くなる。


実はこの映画、今年の賞を取りまくった。
アカデミー賞 外国語映画賞受賞。
ゴールデン・グローブ賞 外国語映画賞受賞。
ベルリン国際映画祭 史上初の主要3部門独占。

それも大いにうなづける内容だと言える。
ファルハディのの次作は必ず映画館でと、大反省。

そう思いつつ、こんなことも考えてしまった。
「日本ではこういう映画は生まれないのだろうか。 なぜ?」


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