日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
このプラットフォーム上で思いついた企画を実行、仮説・検証を行う場。基本ロジック=整理・ソートすることで面白さが増大・拡大
 






この本の中身を紹介するのに、最終章の冒頭がふさわしいと思うので引用。

イノベーション・エコシステムの新しい世界では、自社に実行する能力があるからと言って成功するとは限らない。
これまで考えられてきた自社の競争力、顧客、競合会社に関する懸念の点は相変わらず重要だ。
しかし現在、戦略立案とその実行はパートナーとの相互依存関係を考慮しなければならない。
その減速をマスターすれば大きな利益を得、そうでなければ、非効率となり競争に遅れ、失敗すると言う
手痛いペナルティを受けることになる。


上記のように、この本ではブルーオーシャンを発見し自社の力を強力に投入したが、失敗に終わってしまった事例を紹介している。
ミシュランの画期的な新ソリューション、ノキアの3G電話、マイクロソフトのオフィス2007、映画館デジタル化 etc...
どのケースも当初は圧倒的な成功を予測していたにもかかわらず、失敗に終わっている。
こういう失敗事例そして、その根っこにある問題を解き明かしているという点で、おおいに読ませる。


冒頭にもふれられているように、今やイノベーションは単一では成立しずらい。
パートナーとの相互依存関係がからむ、エコシステム(生態系)という領域があるのだ。
その前提から作者が提示している、広い視野(ワイドレンズ)からの検討、は大きく2つの視点。

複数の組織間の組み合わせによって成り立つ「コー イノベーション」
そして、
複数の組織間の中に潜む「危険分子」ひとつで全てが成立しなくなる「アダプションチューン」


個々の相互依存関係による実行リスクを「図表」で示してくれるのでわかりやすい。
唯一の不満は、こうしたビジネス書にありがちなように、最後の事例が iPod、iPhone、つまりジョブズに至る事。
参入のタイミング、強みを構築する戦略など、もちろん最良の事例だということは否定しないのだけれど...
とはいえ、ブルーオーシャンといえば一見全て明るそうに見える中、そのゾーンの罠を緻密に分析している点で、今年度ベストの1冊は固い!


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