日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
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先日アップした野口悠紀雄氏「変わった世界 変わらない日本」でも結論部分でも指摘=「高齢化社会ならではの需要の取り込み」
本の結論部分で項目レベルでしかなく、もっと突っ込んだ議論を読みたかったところに本書に出会った。

というのは、昨今、日本創成会議が発表した全国の市町村の消滅可能性リストによると、地方自治体の半数が「消滅可能性都市」
というだけでなく、今後30年間で若年女性が半減するとの試算結果が示されている。
既に国が行う「対策」レベルでは既に太刀打ちできないのでは?という疑問が拭いきれない。
その疑問の核に少しでも近寄れるか、というスリリングな読書(笑)


さて著者の根本 重氏。
この方は、現在、拓殖大学商学部教授で、流通経済研究所理事。
このため、学者視点でこの問題を分析したのちに、後半は「流通業・消費財メーカー」視点で語る。
この流通視点があり、そこから人口について読み解くところが面白い。


その点で、当ブログで刺さったのは前半。
人口減少、世帯規模縮小市場を、タイトルのように「ディープな高齢社会」と捉え、5期に日本の人口動態変化を分割する。

現在以降の第3期以降は、以下のように分類されている。

第3期(1996-2010年)生産年齢人口が減少へ
第4期(2011-2042年)総人口の減少、老年人口のみが増加
第5期(2043年以降)   老年人口も減少へ


そして最も重要な第4期について、さらに4つのステージを提示。

それは、
第一ステージ 2010年代前半 団塊の世代が高齢者になる
第二ステージ 2010年代後半 ディープな高齢社会の到来
第三ステージ 2020年代   後期高齢者2000万人時代の到来
第四ステージ 2030年代   85歳以上の高齢者1000万人時代の到来

ここまで整理した例はみたことがなかったので、新しく感じた。
さらに次に、成長が期待できる消費分野を探っており、読ませる分析になってる(43p)


後半に入ると流通視点で、流通業がこの状況下でも国内で稼ぐための課題と着手すべき施策を示している。
消費税への対応など流通に特化した内容であり、刺さる部分は多くはなかったが、前半部分だけで十二分に満足。


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