日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
このプラットフォーム上で思いついた企画を実行、仮説・検証を行う場。基本ロジック=整理・ソートすることで面白さが増大・拡大
 






8年前からはじまった、NYにあるアメリカの代表的オペラハウス、ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場(MET)のライブ・ビューイング。
最新のオペラ公演を、高品質のHD映像と最新の音響で収録し、映画館で上映、というシリーズ。
9年目に突入!

このシリーズの素晴らしい点として、
1.「字幕が出ること」で、過去になく自然にストーリーに入り込む事が可能になった。
ライブでは、字幕スクリーンなどでフォローするが、視線がいったりきたりとなる。
かつ海外で観ると、このいったりきたりに、時差ボケが激しくのしかかり、落ちてしまうことも...

次に、
2. 歌い手にカメラが寄ることで、実際のライブよりも、たいへんに迫力ある体験となる。
アップによって、ライブで歌っている歌い手の表情、息づかいまで感じれること、これは大きい!

3.上映されるのは、NYでの最新ステージで、数週間以内に公開される。
そんなしょっちゅうNYを行ったり来たりはできない(よね?)


この結果、
このライブ・ビューイングで、本当にNYメトロポリタン歌劇場で体験したような、
いや!それ以上のそういう高揚感に酔うことができる。
以下、過去の感想からの引用。

<出口を出て、いつもの映画館の風景がなぜかまぶしく、これまでになく素晴らしい場所のように思えた(笑)
<というくらい、間違いなく入場料(3500円)の価値はある



今回は、ヴェルディの最初のオペラ、マクベス。
シェイクスピアをオペラにアレンジ。

NY講演時に話題になっていた、アンナ・ネトレプコの「悪女」ぶり。
確かに彼女の歌唱・演技は特筆すべき出来!

ヴェルディ自身のコメントで、夫人役に必要だと発言した要素は以下。
「醜い悪魔的な印象」そして「とげとげしい、押さえつけられた、低い(こもった)声」
昔のお嬢さんからすっかり貫禄がついたネトレプコは、少なくとも前者と「とげとげしい」はクリアーしてる、かな?

相手役のマクベス、ジェリコ・ルチッチもいいのだけれど、ネトレプコの前ではかすんでしまう。
それは先のヴェルディ自身のコメントでもわかることだが、マクベス夫人への力の入れようがより強い。
自責の念にからまれ続け、ちょっと情けない感じのマクベス。
これに対し、マクベス夫人は常に悪魔的なセリフを、夫に浴びせ続けるだけに(笑)

なので今作は「マクベス」じゃなく「マクベス夫人」に近いかも?
その点で ネトレプコ起用がズバリはまった、2014-2015シーズンのトップバッター!
上映は今週金曜まで。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )



     


 
編集 編集