とにかく、見ていて「辛い」
主人公は6歳のムーニ-(ブルックリン・プリンス)
彼女の視点で、母親との生活が描かれる。
ディズニーリゾートの近くにある安モーテルの一室での2人暮らし。
安モーテルの名前はなんと「マジック・キャッスル」
マジックキングダム内だと思ってタクシーで来た新婚カップルは到着直後から大揉め。
宿泊客は多かれ少なかれ、このモーテルの問題に触れ、最後は逃げ出す。
そんな具合なので2人の生活は最低レベルで、宿泊費生活費の捻出のためあらゆることをする。
化粧品を高級ホテルの客に転売、高級ホテルのモーニングでただ食い、だけでなく…
(ここの暗喩表現が実にうまい)
こんな状況が6歳の視点で描かれていく。
特徴的なのは、
1.カメラは基本、彼女の目の高さで描かれているので大人は顔がなかなか画角に入らない(笑)
監督は、全編iPhoneで撮影した「タンジェリン」で名を上げたショーン・ベイカー。
2.悲惨な生活なはずが、主人公6歳は子供視点でなんでも遊びにして楽しもうとする。
それがまた見ていて「辛い」「痛い」
親子2人の迫真演技もいいが、今作でアカデミー助演男優賞にノミニーの ウィレム・デフォー。
ホテルのマネジャーの立場ではあるが、貧しい人たちに可能な限り同情的に接する人物を演じる。
なお タイトルのフロリダ・プロジェクトとは、ディズニーワールド開発中の呼び名(凄い皮肉!)
ラスト、その救いのなさが極まり、賛否両論のエンディングへ。
当ブログ的には、観た直後は困っちゃったものの、救いのなさが際立つ点でマル、かと。
結論:夢の国の隣にある「現実」は、フロリダだけでない「現実」