タイトルに惹かれて「ラテンの秘伝書」風樹(カザキ)茂:著 (東洋経済新報社)を読んでみました。その感想を。
サブタイトルがまずオモシロイ。
「格差社会を生き抜く 最後の切り札」
大前研一氏が「ロウア-ミドルの衝撃」などで本のテーマとしているように、日本では格差社会が進行中...
こんな世の中で生き抜くための知恵を紹介する切り札だそうです。
商社勤務で転勤となった山下クンの視点から、びっくりラテン世界を紹介していく形式で、予想通り、最後には山下クンはラテンの人に変身します。
一通り事件を起こした後、山下クンが読むことになるのが、代々の駐在員が引き継いできた「ラテンの秘伝書」。
日本に南米系のチームが来ると、スタジアムの雰囲気からして全く変わってしまいます!! が、やはり違う世界があるのですね。
ここでは、その「ラテンの秘伝書」の62にわたる項目のうちから、気になったものを5つほどご紹介しましょう。
2.約束の時間には十分遅れて到着しろ
ラテンの人はいつでもどこでも約束よりも遅れてしまうことが多いのです。他者のために時を使ってくれないのです。人は刻一刻と死に向かって進んでいます。時は死を刻むのです。だから、できるだけ自分や身内のために時を使います。
自分や「身内」、というところがいいですね。この時間感覚は、ラテンの基本でしょうか。
43.アシタマニアーナで行け
今日は今日、明日は明日。仕事は時間内で終了するものです。
仕事よりも家族や恋人が大事。残業する人は無能です。
う~んわかりすぎる! 実行してみたいものだ....
『命』系のを2つ。
8.生まれたことに感謝しろ
ラテンでは、子供でも、若者でも、大人でも、老人でも、年に一度の誕生日を盛大に祝います。
生まれたことをみんなが祝ってくれるのです。
自分自身も生まれたことに感謝するのです。
そういう国では、自殺はめったにありません。
16.死体を見ると死にたくなくなる
ラテンでは、死を白日のもとに晒します。誰もが死を具体的にイメージできます。死体は決して美しくありません。だから、死ぬのは怖い、死にたくないという気持ちが自然に培われていきます。
一方、日本では死体を人の目に晒すと、非難の対象になります。マスコミさえ批判するのです。そんな社会では自殺者増加は必死!
16は確かにそうだなと。日本では、「死」があまりに美化されていますよね。
どういうタイミングだと、こういう荒療治も効果的なのでしょうね。
最後にこれかな?
61.ケ・テ・バーヤ・ビエン!
「がんばれ」の対極にある別れの挨拶です。「いいことがあるようにね」ぐらいの意味です。つまり、人間の意志を放棄しています。日本でも、昔は「さらば」と別れました。「さ、あらばあれ」が古風な言い方で、英語風にいえばLet it beです。でも、明治から、特に戦後から、日本ではガンバリズムが主流になり、人の意志や努力を尊び、別れるときにも、「じゃあ、がんばって」などと言います。でも、中東はインシェラ、英語はTake care,スペイン語はQue te vaya bien。努力を尊ぶような挨拶は世界では稀!
実にラテンですね。
自分も人との別れ際に「がんばって」とか言ってしまうことがある。気をつけよう。
では、ケ・テ・バーヤ・ビエン!
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