楽器店での単発のレッスンを受けてまいりました。
先生はベートーベン講座のH先生。おそれ多いことです・・・・
私の時間になってレッスン室のドアが開くと、なかからぞろぞろ。
見るところ、小学生の双子(?)のお嬢さんと、その弟さん、そして、お母さんとビデオカメラかついだお父さん。そうかビデオまで(気合感じます)。
中にはいると、ただでさえ暑いあの部屋が(数日前の連弾の練習で経験済み)、
まるでサウナのよう。ここで「運命」弾くのかっ!!
先生も「ここ暑いのよ、空気の入れ替えします」と立っておられる。
そこへ担当Mちゃんが先生と私に(まで)冷たいお茶を持ってきてくれた。
おかげで、なんとか少しヤル気が。
お茶飲みながら、「レッスンには通っているのですか?」とか「子供の時は何歳までやっていたのですか?」という先生の質問にこたえつつ雑談。いい時間になったのでレッスン開始。
先生にはコピー譜をお渡ししたので、2台のもう片方に座ってきいていただいた。
特に緊張もせず、まあ<並>の出来でした。
先生 「曲もよくわかっておられるし、ベートーベンがお好きなのもよく伝わったし・・・で、レッスンはどのように進めましょうか?」
私 「和音の連打等で芯の無い音になってしまうので、音の出し方について教えてください」
先生 「ああ、わかります。そういうとこありますね。叩き気味というか」
・・・・というわけで「情熱的な曲ほど理性が必要です」とおっしゃって、熱い(暑い?)60分が始まりました。
先生 「まず、最初からいきましょうか?とてもいい音で弾いておられると思うのです。ただ、この狭い部屋ならまあいいですが、広いところでオーケストラのように響かせようとすると、<タタタタ~ン>の一音一音に余韻を作る弾き方が必要です。手首を柔らかくして弦が響くような余韻を作る」
ということに始まり、
「スタカート過ぎてメロディーラインが弱くなるところがあるので気をつける」、
「柱になる和音が結構抜けるので絶対にしっかり押さえる(逆にそのほかの音は多少ミスがあってもあまり問題にならない)」、
「楽譜に長い音符でかかれている音は、特に気をつけて、ペダルから絶対にはずれない、また自分ではその気はないのだろうけど、弾きにくさからスタカートのようにさっと離してしまっている音があるので、粘り強く伸ばす」、
などなど、「はい、おっしゃる通りです」の指摘が続く。
特に印象に残ったのは
「・・・そこは、ほんの少しなんですが、休符が短いです。少しずつ休符が短くなることで、その場所全体のバランスが微妙に狂ってきます。
休符をきっちり取ることで休符の与える緊迫感が逆に出てきます。」
ということ。あと、
「同じスフォルツァンドの連続でも、和音の雰囲気が違う場合は同じ強さで弾かないほうがいいです。柔らかさとかそんなものによって弾き方を変える」
「オーケストラの楽器がそろって響くところはそれなりに構えがいるので、たとえ連続した和音でもそのまま突っ込まず、<いい響き>を作る体勢を整えてから弾く(それはかなりの方々の箇所で指摘されました)」
「フォルテが多いのだけど、フルートのフォルテはそこまで大きくないわけなので、ほかの声部を控えてソプラノを出し、逆にコントラバスなどを強調するときは左の小指を粘り気味に弾く」
「両手で和音を弾くときでも、コントラバスを強調するときは、左手小指だけを長めに弾く」
言葉だけでなく、弾きながらも教えてくださるのですが、これが近くで拝見していても信じられないくらいの技術。
もちろん勢いなど使わずにそっと鍵盤に指をおいただけであらゆる音を出されるのですが、私だと「パタパタいうだけでちゃんと音がでない」写真の箇所は
「ここは、和音の連打だと思わず、それぞれのメロディーを束ねたものだと思わないと、ソプラノだけが目だってオーケストラの厚みがでません」とおっしゃった通り、
最初の(左手)フォルテッシモを打鍵した瞬間に脱力され、いとも軽々と和音のトップをつかまれ、そのまま
レガートで長い長い和音の連打(あえて言いますが)で下りてこられたのには、ほんとに仰天した。
「ちょっと、無駄な動きがありますね。最短距離で移動し、鍵盤につけたまま深く打鍵する」
わかってはいるのですが、先生、今の私には難し過ぎます、それ。
だいたいなんで強打の跳躍が続くところで、自在に表情をつけられるのでしょう??
たぶんほんとは「跳躍」でもないし、「強打」でもないんですよね。
う~ん・・・・、難しい。。。
でも、最後の方、先生ももう一台で一緒に弾いてくださり、なかなか盛り上がりました。ちょっと陰翳つけていただくだけで、なんかとってもシンフォニックな感じになりました。
たぶん、ほぼ一時間弾き続けでしたけど、もしこれ1時間をいう時間制限なかったら一晩でも足りなかったかも・・・
それにしても、「なんでわざわざピアノでシンフォニーなんか弾くの?」の反応も多いこのジャンル、ここまで細かいご指導いただいて本望です。
うれしすぎます・・・