アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

「袋」の中身…愚痴まで入る

2024年06月30日 | Weblog
 引っ越しまして、新居に「神棚」がない。よって、プリンターの横に、「大黒様と恵比寿様」を鎮座していただいております。
 で、幼少のみぎり…大黒様が左の肩には大きな袋を担いでおられる。この袋の中身は何か?常に空腹だった子ども時代でしたから、「お菓子が入っているのだろう!」と、想像しておりました。袋を開けて調べることかなわずに、悶々と暮らしておりました。(金属製なので袋を開けられないんです)
 そうしているうちに、日本でもクリスマスを祝う習慣ができはじめました。クリスマスと言えばサンタクロース。サンタさんも、大きな袋を担いでおられる。中身は、お菓子やおもちゃ。想像は、確信に変わりました。大黒様の袋には、お菓子が入っている!偉い人は、袋を担いでいる。

 成長して、大黒様の袋の中身が、「お菓子ではない」と知って少々落胆しました。
 袋の中身は「七宝」。「七宝焼き」とは関係ありません。「八宝菜」との関連も不明。
 七宝は、「寿命」「人望」「清麗」「大量(度量が広い)」「威光」「裕福」「愛嬌」…そのような、形がないものを入れていたとは!
 七宝は、「人間にとって最も大切なもの」。これはよく分かります。
 しかしながら私の両親は、袋の中身は「寿命」「人望」等の七宝ではないという考えでした。
 別の七宝、仏教の経典無量寿経でいうところの具体的な宝物が入っていると。「金」「銀」「瑠璃」「玻璃(水晶)」「シャコ(エビのシャコではなくシャコ貝。もちろん車庫でもない。車庫を袋へ入れるのは大変です)」「珊瑚」「瑪瑙」の七宝。
 七宝にもいろいろあるのですねえ。どちらも、食べられませんがね。なぬ?「シャコ貝は、刺身が旨い」って?あ、あ、あのね、七宝は貝殻のほうです。

 我が家にはありませんが、七福神の布袋さんも、大きな袋を背負っておられる。身なりからして、「七宝」を入れているとは思えません。布袋寅泰さんも、袋を担いで登場すればウケルと思いますが。
 七福神の布袋さんは、実在した僧。旅の途中で受けた施しを袋の中に入れていたという。これぞ、正しい袋の使い方!
 「堪忍袋」「堪忍袋の緒が切れた」という日本語がありますが、これ、布袋さんに由来します。布袋さんは、円満な性格で、人生の大事でも小事でも、愚痴や怒るべき事も袋の中にしまいこんでいたという。施しものばかりじゃなかったらしい。袋って「愚痴」まで入ってしまうんですね!
 よって、人々は布袋さんの袋を堪忍袋と呼ぶようになった。また我慢の限界をも示すようになった。いい話じゃないですか!私は両親からこういう話を聞いて育ちました。だから、神々しく老化してぇ…もうすぐ神様になれそう!袋も用意しなきゃ。
 なぬ?神様じゃなくて、仏様になるんだろうって?コレコレ。


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