今から8年4か月ほど前(2006年11月17日)、劇作家の鴻上尚史さんが、朝日新聞に「死なないで、逃げて逃げて」と題した一文を載せました。ずいぶん古いなって?確かに現代の時の流れからすると古いのですが、内容はもっとも新しいかも。どんな文章か…
あなたが今、いじめられているのなら、今日、学校に行かなくていいのです。
あなたに、まず、してほしいのは、学校から逃げることです。逃げて、逃げて、とことん逃げ続けることです。学校に行かない自分をせめる必要はありません。大人だって、会社がいやになったら、会社から逃げているのです。
次にあなたにしてほしいのは、絶対に死なないことです。
そのために、自分がどんなにひどくいじめられているか、周りにアピールしましょう。思い切って、「遺書」を書き、台所のテーブルにおいて、外出しましょう。学校に行かず、1日ブラブラして、大人に心配をかけましょう。そして、死にきれなかったと家にもどるのです。それでも、あなたの親があなたを無視するのなら、学校あてに送りましょう。あなたをいじめている人の名前と、あなたの名前を書いて送るのです。
はずかしがることはありません。その学校から、ちゃんと逃げるために、「遺書」を送るのです。
死んでも、安らぎはありません。死んでも、いじめたやつらは、絶対に反省しません。
あなたは、「遺書」を書くことで、死なないで逃げるのです。
だいじょうぶ。この世の中は、あなたが思うより、ずっと広いのです。
あなたが安心して生活できる場所が、ぜったいにあります。それは、小さな村か南の島かもしれませんが、きっとあります。
僕は、南の島でなんとか生きのびた小学生を何人も見てきました。
どうか、勇気を持って逃げてください。
この文章、出された当時は、「逃げるな!立ち向かえ」という風潮もあったため、大衆に受け入れられたわけではありませんでした。むしろ、芳しい反応のほうが劣勢だったと思います。ところが、今、脚光を浴びていると感じます。私は元々、「逃げるが勝ち(価値)主義」ですから、はじめから「死なないで、逃げて逃げて」に同感。今更どうのこうのではないのですがね。ただ、「逃げる」事の大切さについては確認しておきたいわけです。
上村遼太君の事件に限らず、逃げられずに命を絶たなければならなかったり、心に深い傷を負った子どもたちが何人いたことか。「逃げるな!立ち向かえ」などという大人は、いじめられた経験がない、なにも解っていない人たちです。無責任きわまりない。「逃げるな!立ち向かえ」は、…その言葉自体が、いじめです。
明日から新年度。新年度も、私は子どもたちに向かって「逃げろ逃げろ」と、叫びます。勇気が必要。立ち向かう勇気?それは…勇気とは違うもの。ヒグマに立ち向かうウサギ…勇気があると称えられますか?
「逃げる」ことこそ、もっとも勇気ある行動です。
あなたが今、いじめられているのなら、今日、学校に行かなくていいのです。
あなたに、まず、してほしいのは、学校から逃げることです。逃げて、逃げて、とことん逃げ続けることです。学校に行かない自分をせめる必要はありません。大人だって、会社がいやになったら、会社から逃げているのです。
次にあなたにしてほしいのは、絶対に死なないことです。
そのために、自分がどんなにひどくいじめられているか、周りにアピールしましょう。思い切って、「遺書」を書き、台所のテーブルにおいて、外出しましょう。学校に行かず、1日ブラブラして、大人に心配をかけましょう。そして、死にきれなかったと家にもどるのです。それでも、あなたの親があなたを無視するのなら、学校あてに送りましょう。あなたをいじめている人の名前と、あなたの名前を書いて送るのです。
はずかしがることはありません。その学校から、ちゃんと逃げるために、「遺書」を送るのです。
死んでも、安らぎはありません。死んでも、いじめたやつらは、絶対に反省しません。
あなたは、「遺書」を書くことで、死なないで逃げるのです。
だいじょうぶ。この世の中は、あなたが思うより、ずっと広いのです。
あなたが安心して生活できる場所が、ぜったいにあります。それは、小さな村か南の島かもしれませんが、きっとあります。
僕は、南の島でなんとか生きのびた小学生を何人も見てきました。
どうか、勇気を持って逃げてください。
この文章、出された当時は、「逃げるな!立ち向かえ」という風潮もあったため、大衆に受け入れられたわけではありませんでした。むしろ、芳しい反応のほうが劣勢だったと思います。ところが、今、脚光を浴びていると感じます。私は元々、「逃げるが勝ち(価値)主義」ですから、はじめから「死なないで、逃げて逃げて」に同感。今更どうのこうのではないのですがね。ただ、「逃げる」事の大切さについては確認しておきたいわけです。
上村遼太君の事件に限らず、逃げられずに命を絶たなければならなかったり、心に深い傷を負った子どもたちが何人いたことか。「逃げるな!立ち向かえ」などという大人は、いじめられた経験がない、なにも解っていない人たちです。無責任きわまりない。「逃げるな!立ち向かえ」は、…その言葉自体が、いじめです。
明日から新年度。新年度も、私は子どもたちに向かって「逃げろ逃げろ」と、叫びます。勇気が必要。立ち向かう勇気?それは…勇気とは違うもの。ヒグマに立ち向かうウサギ…勇気があると称えられますか?
「逃げる」ことこそ、もっとも勇気ある行動です。