アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

そして、誰もいなくなる 

2020年10月07日 | Weblog
 義母の納骨に行ってきました。我が家から、お墓までの往復の走行距離「672km」。行程のほとんどを高速道路利用。納骨の時間を含めて往復にちょうど12時間かかりました。速すぎるって?運転のほとんどがカミサン。カミサンは、高速道路では、前に車がいると追い越さずには気が済まない。「140km/h」は、普通。私が諫めると、「この車、加速が良くて…」と、スピード違反の責任を車へ転嫁。ハンドルを握ると、「自制」という言葉が消えてしまうらしい。

 お墓に到着。納骨式の参列に来てくださった親類の方が、「お箸持ってきた?」と。お骨をお墓に入れるのに、箸を使うのだという。カミサンの妹が、「私買ってきます」と、お墓を後にした。
 お墓から市街地までは、3kmほど。それなのに、義妹は30分経っても戻らない。箸を買うのに、30分はかからないはず。
 「遅いね。もう30分も経ってるよ」と、私。
 「ここにはもう、商店は一軒も無いんだわ。15km離れた隣の街へ行かなければ、箸すら買えないんだわ」と、参列の方がた。

 これが、地方の実情。お墓がある地区にだって、数年前までは5~6軒の商店が在りました。理容院、美容院、豆腐屋さん、農業用の資材・農機具の店舗、郵便局…。一通りそろっていました。それらが今は、一切無い。食料品は、車がある人は、15km離れた商店がある地域まで買いに出かける。車がない人は、「移動販売車」に頼る。

 お坊さんが来て、短いお経を上げてくださって、納骨式終了。お布施は、相場が3~5万円とのことで、3万円にしました。5分ほどのお経で3万円とは…。お坊さんの時給って、いったいいくらなんじゃーっ!お墓までの交通費を考えると、まあそんなもんかなぁ。
 なお、30分以上かけて買ってきた「箸」なのですが、使いませんでした。
 お坊さんが、「箸は、使いません。お骨は、素手でお墓へ納めてあげてください」と。

 義母には、二町歩の水田がありまして…納骨の後、親類筋の人たちに、「水田をもらってくれないか」と、相談しました。皆さん、首を横に振られました。理由は、「(高齢のため)田んぼを増やしても、もう、いっぱいいっぱいだぁ」とのこと。後継者もいないし、自分たちも高齢で体が続かない…。
 この地域、農水省、国交省がいうところの限界集落。近い将来誰もいなくなってしまうのでしょう。

 その前に、アンティークマンがいなくなるかもしれません。限界集落も心配ですが、その前に自分の寿命が心配。
 まっ、今回は気休めにもならない入院ですが、とりあえず入院してきます。11月には退院して、「どーでもいい…ふざけたブログ」書きたいなあ…と、思っています。自分の楽しみのためにねっ。

日本が誇る 近藤さん

2020年10月06日 | Weblog
 プロ野球も終盤戦。どのチームが勝とうが負けようが、どってことないのですが、日本ハムファイターズを応援しています。早実からドラ1で入った斎藤佑樹とか、清宮幸太郎とかぁ、金足農高からドラ1の吉田輝星がおります。三人ともパッとしませんがね。パッとしてるのが、近藤健介選手。日本プロ野球界屈指の好打者です。
 で、「近藤」と、聞く度に思い起こすのが、日本人最後の豪傑「近藤さん(実名)」です。なぬ?「近藤勇か」って?そ、それは新撰組。「近藤正臣か」って?そ、それは、鍵盤に上がって足でピアノを弾く人、豪傑ではありません。(これ、記憶にある人っていないよね…)
 豪傑の近藤さんは、日本から、ペルーへ行く飛行機でずっとご一緒させていただいた方です。因島の人だろうって?そ、そうなんです。有名な方です。
 日本からペルー(リマ)への直行便はありませんので、ロスで乗り換え。ロスではトランジットなのですが、一度合衆国へ入国して、あらためて出国しなければなりません。
 ロス空港からリマへ向かう際の手荷物検査場でのこと…日本人乗客で、「缶コーヒー」を持ち込もうとした男がおりました。日本の缶コーヒーを見たことがないと思われる(というか、缶コーヒーは日本独特のモノ)検査官が、眉間に皺を寄せて、「これは何だ?」と質問。缶コーヒー男は、英語が分からないふり。検査官は、直ちに没収!いい気味だ。そんな言い方はないだろうって?日本人として、鼻持ちならない奴だったのでつい…。
  さて、缶コーヒー男の次は、「ワンカップ日本酒の御老人」。180CCの日本酒が、紙の箱に入っている。軽量でコンパクト。ガラスコップではないため割れる心配がないので、アウトドアでお楽しみいただける…。214円で売っている。正式名称は、「上撰金冠ワンカップコンパクト180ml詰」。
  私としましては、「ワンカップの日本酒?そりゃ機内持ち込みは無理だべさぁ!」。検査官は、眉間の皺を最大限に深くして、「こりゃ何だ?」と問いかけた。
  今のアメリカは、とにかく出入国の検査に厳しい。「ベルトを外せ、靴を脱げ」この程度は普通。私など、痩せ男なのでベルトを外すと、ズボンが下がるので、大変ですよ。そこへ持ってきて、エックスレイでは何の音も鳴らなかったのに、「両手を広げろ」といわれて、身体を触られる。ズボンが落ちるっつうの!
  入国では、「右手の(親指以外の)4本指→右手の親指→左手の4本指→左手の親指」の順に、指紋を(ICデータ)採取され、顔写真を撮られる(日本へ来る外国人も同じようにされますけど)。ま、とにかくアメリカは厳しい。蟻ン子一匹通さんぞ!という決意がうかがえる。
  そこへもってきて、「ワンカップ日本酒老人」の登場である。「搭乗」だろうって?まだ乗ってませんで、この段階では、「登場」です。
 この御老人が、「近藤さん」。なぜ知っているんだって?…じ、実は、帽子に「近藤」というネームが付いていたのです(仮名ではなく本名ですが、誹謗しているわけではないので問題ないだろうと…近藤さんは、78歳(当時)。
 「こりゃ何だ?」の英語の問いかけに、近藤さんは何と答えたか?
 「そりゃあ、ワシの薬じゃけん」
 立派な日本語でそう答えたのです。検査の男の眉間の皺の深さは、5cmにも達した(どれほど厚い眉間じゃ?)
 近藤さんは、表情を変えず…きっぱりとダメ押し。
 「そりゃあ、ワシの薬じゃ!」
  …な、な、なんと、検査官は、「OK!」と、通してしまった!ロスでですよ!近藤さんは、リマへ向かう機内でゆっくり薬を楽しんだのでありました。
  復路のリマ空港でも、近藤さんと遭遇。近藤さん、リマの空港でも、手荷物検査場で引っかかった…もちろんワンカップ日本酒で(一体、ワンカップをいくつ持ってきたのか?)。
 「これは何だ?」と、スペイン語。
 「ワシの薬じゃ」と、日本語。
  この問答が数回続いた。ロスのとき同様、検査官が折れて通してしまった。
  近藤さんいわく…
 「検査の奴らは、酒だということぐらい分かっている。没収されてもいいという覚悟がなければ取り上げられる。堂々としているから、許されるのじゃ。ワッハッハ!」
 わ、私の場合、リマでは手荷物検査を通ってから、中の売店で買った水まで搭乗寸前に取り上げられてしまいました。「検査を通ってから、水をそこの売店で買ったんだ!水が必要なんだ。そこの水はセーフだろう」と、懇願しましたが…。
 「持ち込むな。捨てるのが惜しいなら飲んでしまえ」と…。
 ・・・やれやれ、10月8日から、またまた入院いたします。今年、4度目。大学病院入院は今年3度目…どんどん寿命が縮んでいます。1年後、生きていられるかどうか?このたびは、手術はないのですが、脊柱管に3カ所も穴を開けた手術の時の入院期間よりも長い、「3週間!」の入院予定。たぶん、生きて帰ってこられると思っています。帰りましたら、またブログ書きますわ。まだ、「柿」を食べてませんので、退院して柿を食べるのを楽しみにしています・・・

義経がハンバーグを食べた?食べなかった?

2020年10月05日 | Weblog
 ハンバーガーのバンズ。下の方を、「ヒール」と呼ぶ。これは知っている人が多いが、上のほうは、何と呼ばれているか?なぬ?「小ボケだけど、ベェィビーフェイスじゃないか」って?プロレスじゃないんだから!
 上は「クラウン」。なぬ?「誰でも知ってる」って?そうですかぁ、私は、「下は、ヒール」で、「上は、ハゲ」だったらどうしようと心配だったもんでね。クラウンで良かったです。クラウンならハゲも隠せますしね。なぬ?「ハゲだって、堂々としてなさい」って?「ハゲだっていいじゃないか、人間だもの」ってかぁ?このところ、このパターン多いね。

 ハンバーグの起源はタルタルステーキであることは、間違いありません。タルタルステーキは、13世紀頃ヨーロッパまで攻め込んでいたモンゴロイド系の騎馬民族が食べていたもの。と、いうことは、ハンバーグは…我らが同胞、幼少時に「おしりや背中等」に青痣(あおあざ)があるモンゴロイドが、ヨーロッパから世界へ広めたということ。モンゴロイドの一人としてなぜか誇らしい。
 それでですね、そのモンゴロイドって、誰?チンギス・ハンでしょう。ここまでは、研究者のみなさんも、「その通りで~す!」と、言ってくださるでしょう。
 さて、ここからなのですがね…なぬ?「また、チンギス・ハンは、義経だったと言い出すんじゃないのか」って?ま、まあ、そうだったらおもしろいかなと…。

 そもそも、「チンギス・ハン=義経」は、シーボルトが言い出したこと。著書「日本」で、そう主張しています。
 歴史学的には義経は平泉で自害したことになっています。しかし、不審な点が…義経自害が頼朝に知らされるまでに、「22日を要した」。これ、あり得ない。あと、首実検が行われるまでに43日も要している。首は、平泉から鎌倉へ運んだのですが、2~3日で済むのに…。43日のうちに、腐乱して「誰の首なのか判断不能」でしょう。元禄時代に編纂された「大日本史」には、「(義経側近が画策して死んだことにして)義経を逃亡させたのではないか」との記述があります。

 なぬ?「義経が、自害したとみせかけて逃げ延びたということは間違いないかもしれないが、チンギス・ハンになったというのは、奇想天外すぎる」って?
 強力なモンゴル軍…義経がつくりあげたと考えられるのです。
1 兵士が、フィジカル面で優れていた…強靱な肉体
2 兵士は、馬を巧みに乗りこなし武術にすぐれていた
3 最新鋭の武器をもっていた…大砲、鉄砲、火炎放射器、投石機
4 矢を防ぐチョッキを着用
5 法令を定めた
 このような軍を遊牧民(チンギス・ハンは遊牧民の子といわれています)がつくれますか?法令を定められますか?

 義経が奥州平泉で自害したとされているのは、1189年。チンギス・ハンは1162年に生まれたとされています。チンギス・ハンが27歳の時、義経30歳。この年齢の近さ…「同一人物である」としても、異論は出ない。

 なぬ?「ハンバーグの話じゃなかたのか」って?
 ハイハイ、大陸へ渡って、チンギス・ハンを名乗り強力な軍隊を作り上げてヨーロッパまで攻め込んだ義経。義経は、タルタルステーキ(ハンバーグ)を食べていた。ハンバーグの生みの親は義経だった。

 なぬ?「無理がある」って?無理はぁ…あるかもしれませんが、「そんなことは絶対無い」と言い切ることができる人はおりません。なぜなら、誰も真実を知らないのですから。シーボルトは、「義経=チンギスハン」と、断言していますがね…。

誤解されてもいいじゃないか、日本人だもの

2020年10月04日 | Weblog
 親類筋の2歳の男の子、名前は、「虎武」。さて、なんと読むか?「トラジくん」なんだって!「トラジ」が、キラキラネームなのかどうかは分かりませんが、強烈なインパクトですよ。で、私は、「トラジ」と聞いて、「うっ」と詰まりました。なぜなら、「トラジ(ハングルでは『도라지 』桔梗の花のこと。民謡の題名)」は、朝鮮族では、「アリラン」と並ぶ二大朝鮮民謡であることを知っていたから。「虎武」という漢字はともかく、音が「トラジ」日本人の男の子につける名前じゃないですよ。名前を付けたご両親は、そんなこととはつゆほども知らない。もっとも、朝鮮族の皆さんに、どう誤解されてもいい。日本人だもの!

 日本では体操着のことを、ジャージ(jersey)といいます。…韓国人留学生は、「ジャージ」を異常に嫌がります。韓国人の前で、「ジャージ」などと言ってはいけないようです。スポーツ用品売り場で、「ジャージを見せて下さい」や「ジャージをください」は…大変まずい様子。ジャージは男性器。「ジャージ」の逆が「キンキ」。「キンキは禁忌です」なんちゃって。
 「近畿がどうのこうの」と、韓国女性に言うと、間違いなく変態扱いです。
 「キンキキッズ(KinKi Kids)」という男性デュオ…今、どうされているか分かりませんが、韓国進出は絶対無理。「変態の子たち」という意味ですから。
 近畿大学は、英語表記を「KINKI UNIVERSITY」から「KINDAI UNIVERSITY」に変更しました。(「変態=KINKY」。「KINKI」に酷似…これは、表記を改めて正解)
 日本語の音が、外国では卑猥だったり失礼になること…ありますねえ。
 「サザエさん」はイタリアではオンエアできませんでした。理由は「カツオ」が男性器を意味するから。
 「近畿日本ツーリスト」…韓国ではどのように扱われているでしょうかねえ?かなり危ないところを案内する日本の旅行会社…
 「運河」も韓国人の前では、要注意。「ウンガ」は、「ウ○コ」です。
 このテーマになるとぉ、以前にも書いたのですが…。親族にファーストネイムが「コウタさん」がおります。「コウタ」という名前は多いと思います。漢字表記は様々ですがね。
 我らが同盟国ドイツでは、「コウタ」は「ウ○コ(kot)」という意味。ドイツへ行ったら、「コウタ」を大声で呼ばないようにしなければなりません。
 ドイツ人は親切なので、「コウタかぁ?トイレならあっちだ」と、教えてくれるかもしれません。さもなくば、「大声で、コウタ、コウタと叫ぶなよなーっ!」と、いやーな顔をされるかもしれません。
 「コウタ」については、イギリスでも注意した方がいいらしい。クーターと聞こえるらしく…クーターは、女性の身体の部位…。それを、「コウタ!コウタ!」と、連呼しようものなら逮捕されるんじゃないか!?
 「コウタ」については、スウェーデンでも注意したほうがいいらしい。やれやれ、「コウタさん、大変ですね」。スウェーデン語の自己紹介で、「アイアムコウタ」は、「私はどスケベです」ということになるのだそうで…!
 「ハルタ」も多いです。漢字では、晴太・陽太…その他。高校の同期に、春田という姓もありました。ハルタくんと、インド旅行をするときには、大きな声で名前を呼ばないほうがいい。ヒンドゥー語で、「ハルタ」は、「泥棒」。
 「山(やま)」という姓の方もおられる。ヒンドゥーのヤマは、「死に神」。「アイアムヤマ」などと自己紹介しようものなら、周囲の人が皆逃げてしまう。
 なぬ?「密を回避するために、『ヤマ』の連呼が有効なんじゃないか」って? コロナが治まったら行って実験してみてください。

柿、食べたいっす!

2020年10月03日 | Weblog
 田舎のスーパーにも「柿」が並ぶようになりました。果物は何でも好きですが、柿の場合「堅い柿→少し柔らかくなった柿→べちょべちょの柿」その時々に、「味や食感や色」を主張してくれる「ハイクオリティフルーツ」だと、いつも感心しています。私が一番好きなのは、「べちょべちょの柿」。スプーンで食べます。上等なゼリーです。「皮の固さと、実のべちょべちょさ」このコラボも美味しい。…解ってますよ。「コラボ」は、人が係わっていなければなりません、「皮と実のコラボ」は、使い方が間違ってます。解ってるんなら使うなって?そのうち、市民権を得てしまうでしょうから…。
 奈良県立医科大学が、柿から高純度に抽出した柿タンニン(柿渋)が、新型コロナウイルスを1万分の1以下に不活化することを確認しました。この秋の注目は、「柿」ですねえ!柿は、奈良!
 柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺 正岡子規
 法隆寺を訪れた時、ちょうど正午に居合わせたので、「鐘」を聴くことができました。で、鐘と次の鐘との間が長いんです。観光客にとっては、長い時間鐘を楽しめるのでうれしい事ですね。
 で、次の抜粋は、正岡子規の「くだもの」から…

 ・・・或夜夕飯も過ぎて後、宿屋の下女にまだ御所柿は食えまいかというと、もうありますという。…早速沢山持て来いと命じた。やがて下女は直径一尺五寸もありそうな錦手の大丼鉢に山の如く柿を盛て来た。・・・余は柿も食いたいのであるがしかし暫しの間は柿をむいでいる女のややうつむいている顔にほれぼれと見とれていた。この女は年は十六、七位で、色は雪の如く白くて、目鼻立まで申分のないように出来ておる。・・・やがて柿はむけた。余はそれを食うていると彼は更に他の柿をむいでいる。柿も旨い、場所もいい。余はうっとりとしているとボーンという釣鐘の音が一つ聞こえた。・・・あれはどこの鐘かと聞くと、東大寺の大釣鐘が初夜を打つのであるという。

 さて、子規はどこの寺の鐘を聞きながら何を食べているでしょうか?東大寺の鐘を聞きながら、柿を食べていますよね。
 ところが子規の句は…「柿食えば鐘がなるなり法隆寺」
 「奈良を旅し、好物の柿を食っていると、法隆寺の鐘が聞こえてきた」…「法隆寺を、興福寺に替えても、法起寺に替えても、いいんじゃないか?」で、私は、正岡子規にとって「法隆寺」でなければならない何かがあるはずだ。と、考えておりました。
  本来なら、「柿食えば鐘がなるなり東大寺」ですよね。私は、「くだもの」に載っている文章から、東大寺を法隆寺にした理由が分かったような気がしています。
 本当は、「柿食えば鐘がなるなり東大寺」にしたかったのでしょうが、そうしてしまうと、「誰に柿をむいてもらったのか?」が推測されてしまう。
 「くだもの」に、東大寺の近くの宿で柿をむいてくれた女の子の事が詳しく書かれているわけですから。
 「年齢は16~17歳で、肌の色は雪のように白くて、目鼻立ちまで申分のない美人」と。子規は、この娘が気になってしょうがない。しかし、そんな自分の気持ちを他人に悟られたくない。まして、この娘さんに悟られたくない。そのため、東大寺ではなく、「柿食えば鐘がなるなり法隆寺」と、しなければならなかった。

 なぬ?東大寺以外なら、どこの寺でも良かったんじゃないか?なぜ法隆寺なんだって?それは、東大寺に匹敵する、「格式、規模」の寺でなければならなかったからでしょう。あと、東大寺からできるだけ離れた所の寺にしたかった。
 法隆寺の隣の中宮寺では役不足だった。中宮寺に失礼だって?中宮寺を軽く見ているわけではありません。何しろ、聖徳太子の御母様と深い関係があるお寺ですから。ロダンの彫刻に、「考える人」がありますが、中宮寺のご本尊は、「考える姿の仏像」なんです。お顔も美しい。それまで、仏像の顔など気にもならなかったのですが、近年「仏像の顔」が分かるようになってきています。齢を重ねたからでしょうか。

 「柿」、今年も食べます。スーパーのチラシ、「特価、1個158円」う~ん、きっとお安いのでしょうけど…もう少し安くなったら買います。楽しみだなあ!

インカの時代も因果応報…!

2020年10月02日 | Weblog
 ペルーの新型コロナウイルス感染者数が80万人を突破し、死亡率が中南米最悪になっている。死亡した医師も120人を突破している。
 ペルーは、徹底的なPCR検査やロックダウンをいち早く実施したのですがね。どうして、こうなったのか?
 貧困層が多いからですよね。PCRで陽性の人は自主隔離する必要があるのですが、在宅で「自主隔離」できる部屋がなかった…。一人が感染すると家族全員が感染してしまう。(ペルーの貧困層は全体の28%。地域によっては住民の50%近くが貧困者という場合もあるという)

 コロナとは関係ないのですが、「ペルー」と聞くと、印象深いものがいくつかありまして…。宇宙人、十二角石、五色人、サルカニ合戦…
 ペルーのリマにある、「天野博物館」で、サルがカニのおにぎりを持って逃げている様子が描かれている絵皿を見ました。撮影禁止でガイド付きなので、写真を撮ることができませんでしたがね。
 「まさか!それはない。あり得ない」と、思いながらもガイドさんに質問。ガイドの、日本人と思われる長身の女性はこともなげに、「サルカニ合戦です。インカ帝国のお話です」と。
 サルカニ合戦は、日本の昔話で因果応報をテーマにしたものと思い込んでおりましたので、それはそれはびっくりしました。実際、今でも、ウィキペディア(Wikipedia)には、「さるかに合戦(さるかにがっせん)は、日本の民話の一つ」と。
 その「サルカニ合戦の様子を描いた絵皿」が、インカ帝国時代のものを主に収蔵した天野さんの博物館にある。「サルカニ合戦」のルーツは、ガイドの女性が言うようにインカ帝国だったのだろうか?それとも、日本人とインカ人の源流が同じだったのだろうか?
 帰国後すぐさま手を尽くして調べてはみたのですが、インカ帝国とサルカニ合戦を結ぶものは…見つけられませんでした。
 しかし、サルカニ合戦は、「日本だけの昔話ではない」ということは分かりました。日本国内でも地域によってお話の登場人物ぅ…人物は出てきませんね。「登場する生物やら、物やら」に結構違いがある。
  サルカニ合戦、前半は…カニはサルにおにぎりを強奪され、代わりに柿の種をもらった。カニは、「早く芽を出せ柿の種。出さぬとはさみでちょんぎるぞ」と、脅しながら柿を育てた。柿は猛スピードで成長し、見事な実をつけました。ところが、その柿の実もサルに食べられ、さらに固いカキをぶつけられ、死んでしまいます。これって、「白雪姫」と同じ展開。あっさり、死んでしまう(殺してしまう)。
 後半は、死んだカニの子どもたちが活躍。子ガニたちは、「仇討ち」を企てます。「クリ(栗)、ハチ(蜂)、ウス(臼)」が助っ人になります。サルの留守中に、家に忍び込みサルの帰りを待った。そして仇討ち成立。めでたしめでたし。白雪姫も後半めでたしめでたし…。
 地方によって、助っ人が様々です。「針」「キネ(杵)」「牛のくそ」「蛇」「包丁」「荒布」…つまり、基本になる話が伝わって、登場するものはそれぞれの地方に合ったものが使われるようになった…。

 サルカニ合戦に類似した話は、中国、モンゴル、韓国にもあることが解りました。フィリピンでは、カニがカメに代わった、「サルカメ合戦」があります。
 あと、興味深いのは、アイヌの文化にも、サルカニ合戦に類似した話があります。江戸から蝦夷地のアイヌに伝わったのか?それは、考えにくい。和人がアイヌに教えた?それも、あり得ない。となると、偶然、類似した話が作られたぁ?そんなことはぁ…ないない。さて、アイヌに伝わるサルカニ合戦は、どこから伝えられた…?大陸から?南米から?
 ナスカへ来ていた宇宙人が、日本、中国、モンゴル、韓国、フィリピン、アイヌ…へ伝えた。天野さんのところのサルカニ合戦の絵皿も宇宙人が焼成したもの…こう考えると収まるような。
 なぬ?「宇宙のどこかに、サルやらカニやら牛のくそやらが存在する星があるとは思えないけど…それにしても何のために白雪姫を出したんだ」って?
 サルカニ合戦のルーツを探るに当たって、書き始めたときはグリム童話を持ち出そうとしたのです。その伏線で白雪姫を出しました。でも、長くなっちゃうので、ペルーに来ていたと思われる「宇宙人」をもちだして完結させましたわ。アハハ。…カニがいる星ですかぁ?「カニ座」です!

俳句とは人間だよ

2020年10月01日 | Weblog
 校内俳句大会を、年2回開催していた中学校がありました。その大会の審査員を頼まれ、15年間審査をさせていただきました。…昨年度から、審査依頼がない…。昨年度からなのでコロナ禍とは関係なさそう。つまり、校内俳句大会をやめてしまったらしい。大変残念なことです。日本の教育には「俳句」が必要なのです。(理由を述べ始めると長くなりすぎますから割愛します)今や世界中で俳句が詠まれているのに…15年続いた俳句大会を無くしてしまう日本の学校がある…。批判はしませんが、「もったいない」。

 世界が、俳句のすばらしさに気づいています。
 セルビアでも俳句が盛ん。髪を刈ってもらいながら詠むのかねえ。なぬ?「理髪師はセビリア、セルビアと混同するな」って?「セビリア」と「セルビア」良く間違うんですよ。20年前のコソボ紛争の時、NATOの司令官だったかが、「セビリアを攻撃せよ」と命令して処罰されました。セビリアはスペインの都市。NATOの司令官でさえ混同するのですから、私の混同なんて可愛いもんです。
 ブルガリアでも俳句が盛ん。ブルガリアといえば、琴欧州(鳴門部屋の師匠)、碧山ですよね。琴欧洲も俳句を詠んだのでしょうか。
 琴欧洲は、「ブルガリアの実家にいた頃は毎日約2キロものヨーグルトを食べていた」。私は、毎朝200グラムのヨーグルト(自家製)を食べております。 私が琴欧洲ファンである一番大きな理由は、「自分は、親に仕送りするために相撲界に入った。日本人はどうして入門してからも親に仕送りをしてもらうの。おかしいね」との発言を耳にしたからです。日本人力士の現状に厳しい言葉を投げかけた。尊敬に値します。俳句の影響でしょうね。
 なぬ?「仕送りと俳句は関係ないでしょう」って?それが大あり。
 「俳句とは何か」ですが、古沢太穂(ふるさわたいほ)さんが言っているんですがね。「俳句とは、人間だよ」。この言葉、俳句をよく表しています。琴欧洲の場合、父親が事故に遭い一家の収入がなくなるという状況に追い込まれた。当然琴欧洲が働いてブルガリアの家族に仕送りをしなければなりません。「人間だもの!」。「俳句=人間=一家を支えるための仕送り」。

  外国語で、どうやって俳句を作るのか…外国語では「定型」は無理です。おおむね、「3行17音節」。もっとも、これさえも難しいですがね。季語はもちろん入れます。国が違いますから、季語も日本の季語に合わせることなどできません。「切れ字」はぁ…ないです。しかし、感嘆符を付けることは行われています。切れ字は感動の中心ですから、感嘆符でOKでしょう。
 台湾、ブラジルでは、日本語で俳句が詠まれています。当たり前と言われてしまうとそれまでですがね。
  文化交流大使としてフランスで俳句の指導に当たられ、今もフランスの俳句大会などに招待されている、「黛まどかさん」に言わせると…
 「フランス人の句は、季語が詠まれていなかったり定型でなかったり、基本を守っていないものが少なくない」
 私など、季語は入れていただかなければならないが、定型については目くじらをたてなくてもいいんじゃないか…。と、思いますが、黛さんは妥協を許さない。
 「型なしに句を作れば、短い詩に過ぎない。俳句は型があるからこそ、その中で自由に発想できる」…本気ですねぇ、黛さん。本気で現在のフランスの俳句を高めようとされている。こういう人がおられるのって、俳人の一人として(廃人じゃありません。もうすぐ廃人)嬉しく有り難い限りです。

  外国で俳句が詠まれているのは、実に嬉しいことです。ただ、普及については多くは望めません(日本でさえ衰退ぎみですから)。普及させようとして適当に妥協し、「俳句を単なる短い詩にしてしまう」これは阻止しなければならない。よく分かりました。
 なぬ?「アンティークマン自身は最近『寡作廃人』…もとい、『寡作俳人』になってしまっているんじゃないか」って?
 では、珠玉の名作のうちの一つを…(自分で珠玉の名作って言うなってがぁ)
 『粒ごとに少年の日あり山葡萄』