先週の日曜日、墓参に行って来た。
何度も行っているのに、今回は、何かが違う。
墓前に供える花を、買わなかったのだ。
当日の朝早く起きた。
花を用意するために。
キッチンの人造大理石のワークトップの上に、初めに新聞紙を用意して広げた。
適当に花を選んで、しおれないように、切り口をまとめてティッシュを水に濡らして包む。
そして、ビニール袋を二重にして包んだ。
それを新聞紙で包み、輪ゴムで二重、三重に留める。
墓前では、花入れの深さに合わせて茎を花切りばさみで短く切った。
一本一本。
そして、彼岸の故人に心の声で話しかける。
今まで何とも思っていなかった花を用意する一つ一つの所作が、彼岸にいる故人への祈りの積み重ねだったことにそのとき気付いた。
今までは、買って済ませていた。
それで、墓参したと思っていた。
だが、一つ一つの所作が、故人への祈りへ通じていたことに気付いた。
今自分が、生きている世界と彼岸とは、一つ一つの所作を通して繋がっていることに。