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産卵床造成の意義

2010-10-25 16:58:03 | 日記・エッセイ・コラム

平成22年10月20日:2010sanranshootagawa1020_018 太田川の下流域・・・通称:ヤナギに組合員・一般ボランティア約60名が集まった

高知「たかはし河川生物調査事務所」の高橋勇夫代表の指導監修により、アユの産卵場所を造成工事することになった

昨年、太田川漁協の西田前組合長と相談し、高橋先生に依頼したのです

高橋先生は、高知の利き鮎会でお話を聞いて以来、私の鮎に関する知識の師として尊敬しております

2010sanranshootagawa1020_023 造成工事が、なぜ必要なのか?

上流にダムが複数ある太田川は、ダム放水調整によって水量が危険水位にならないように調整する

ダムへの雨水流入量が多い場合、調整しながら放水量を増やす程度です

ドーと放流しても災害にならない程度で、水位が下がると放水量を抑える

上流から流れ出た砂は、途中で石の間にはまり込む

実際、重機で掘ってみて・・・・砂の量に驚きました

好んで鮎が産卵する場所は・・・

握りこぶしから1cm程度の小石が、浮石になっている場所

石の表面だけを磨いても、鮎は集まります・・・瀬付き漁

しかし受精卵から発眼卵へ、そして仔魚となって海に下るためには・・・

①石と石との間に受精卵が付く・・・魚に食べられないためにも【鮎も含む】

②10月~11月の鮎が産卵するのは、平瀬程度の流れがあること

③12月を過ぎると鮎の体力が落ちるので、やや流れが遅いトロ瀬に場所が移る

④表面に付いた卵は、魚にも食べられるが、紫外線によって孵らない場合がある

⑤仔魚が海に下る為には、障害となる堰があってはいけない

【仔魚は、夜間水面近くを流れに乗って下るので、河口堰のように上下移動式で下部しか開いてない場合、堰の手前で死滅する。11月から12月にかけて水害、高潮の恐れが無い場合は、河口堰を全開にする必要が有る】

2010sanranshootagawa1020_025 岸辺近くを掘りながら、約50m瀬肩近くまで上がると、急に砂が多くなった

急ぎ、先生が重機を止めた

余り掘りすぎると瀬肩の位置が変るからだ

掘っては、右に振って川に落としていると、ドロがまず流れて次に砂も流れる

しかし、大きな石の裏筋には砂が溜まっている

2010sanranshootagawa1020_030 先生の指示で大きな石を退かせると・・・底水の流れが変り、砂が流れるのが見える

2010sanranshootagawa1020_031 組合員やボランティア総出で、石を取り除く作業に入った

2010sanranshootagawa1020_045 若い人は、殆どいない

某県議の秘書の若手が、一人だけ

後は、55歳~80歳の鮎釣りがとても好きな鮎師・・・

2010sanranshootagawa1020_039 重機を入れる前

2010sanranshootagawa1020_037 重機の作業で、石と石が擦れてとても綺麗な石になった

2010sanranshootagawa1020_050 大きな石を取り除き、一列に並んで水中の石をゴリゴリと擦ると・・・

砂が下流に向けてサラサラ流れているのが見える

2010sanranshootagawa1020_052 作業中、後ろを見ると見違えるくらい綺麗な川床になっていた

2010sanranshootagawa1020_057 作業を終えて、一般ボランティアの方々と高橋先生との記念撮影

2010sanranshootagawa1020_060 土手に上がって振返ると・・

作業をした箇所の色が、違う

重機だけで産卵床を造ることは、非常に難しい、いや【やった】だけになる

鮎が落ち着いて付くように、不安定な石組みを落ち着かせる必要がある

砂も大敵だ!

砂に付いた卵は、流れて孵化しない

また、砂が舞う場所は、鮎が嫌がる

鮎師なら判るはずだ

自然の流れを堰止めた限り、人力によるこの様な作業は、必要になる

この人力に頼らなくて済む方法は・・・

①川幅を狭め流速をつける

②淵を掘り砂が溜まる場所を作る、と同時に魚の寝床・緊急避難場所となる

③水の当たる側に深みをつける、網漁がしやすいように川床を平らにしない

瀬から淵へ、淵から瀬への自然の形にしてやることで、砂は自然に下っていきます

淵に溜まった砂は、漁期が終わった冬場に除去する

ダム管理者は、ダムを造った限り責任をもって河川管理をしてもらいたい

補償金をもらった漁協は、一般会計にまわさず河川環境維持費として補償金を使っているのだろうか

何もしない、ただ組合設立条件に沿う事しか念頭に無い組合は、釣人からも組合員からも見放されるだろう


幻の尺鮎

2010-10-07 14:11:31 | 日記・エッセイ・コラム

「細いなー!結束は、・・・俺流?」

「瞬間なんて邪魔くさい!ただの編みこみよ」と、S氏が・・

自信をもって答える言葉には、反論の余地はなかった

午前中は、瀬の肩のドチャラ・・鏡のような水面から波立ちが始まるところへ

「小さい鮎が、集団になっとるね」

「すごい数おるじゃない」と、K氏が

河川全面禁漁を前にした匹見川に産卵の為に鮎が、いくつもの集団となっている

しかし、サイズが15cmクラスかそれ以下・・・小さい

上流に向けてメスの囮を放つと・・・ジグザグ行動・・・来るぞと思ったら

一気に下った

群れと同化したのか?竿が届く範囲で止めていると・・・

かわいい17cmの若いオス鮎が掛かった

囮を交換して放つと、今度は対岸へ一直線

向う岸でキラリとした瞬間、野鮎が跳ねた

20cmのオス・・・・

このオス、元気良く泳ぎ回るが、お友達を連れて来ない

最初のメスの囮と交換したら、向う岸で根掛りしてしまった

外して、今度は対岸から逆に釣ることに

下手で釣っていたKさんの竿が、曲がっている

この調子だと時速5匹か・・・と思っていると

二人とも竿が、曲がらない時間がやってきた

6匹と4匹で竿を収め、昼飯の準備へ

時速2匹は、つらい修行

鮎が居なくて掛からないのは、仕方が無いが・・・

こんなに沢山見えて掛からないのは、精神的に面白くない

私達より上流で釣っていた、SさんとMさん達も8匹と5匹と、貧果に喘いでいたようだ

土手近くの田んぼでは、刈り取られた稲の足が規則正しく並んでいる

辺には、赤い花を大きく広げた彼岸花が、咲いている

この花を見ると、鮎釣りの道具を仕舞う・・・いやもう一度と、悩む時期なのだ

朝は、気温10度水温が18度と、まだシビレる寒さではない

空高く山陰の空気は、澄んで気持ちがいい

竿を持つだけでも、と思っても・・・

曳き船からオスはクーラーへ、メスはオトリ缶へ

厳しい選別・・・哀れオスよ!

汝が囮として使えたら・・

ツインのブクブクがカタカタと、新鮮な空気をオトリ缶に送り込んでいる

「片方のブクブクの電池が弱い」とS氏が言っている

解禁当初には、元気良く空気を送っていた・・・

オトリ缶を車に乗せ、当初の目的地・・・・に向かった

終盤で、尺鮎が掛かる場所

車を止めて、橋の上から覗くと・・・・いるいる

解禁当時よりか同等の・・

中には、小さな鮎を追い散らし、縄張り意識を主張する鮎も見える

しかし『見える鮎は、掛からない!』

目的地は、そこではない

川の中を歩き、石の山を登り、途中のロケーションのよいポイントも無視し、ひたすら歩いて行くと・・・

急に絞り込んだ瀬が、目の前に現れる

その瀬の白波の底に、とてつもなく成長した鮎が隠れている

いや、隠れているのではなく、安住の地として暮らしているのだ

ラインテストの仕掛けを取り出し、竿にセットした時!

はたしてこの仕掛けが、もつだろうか?と思ったが・・・

テストライン0.07号で大鮎、いや尺鮎・・・とんでもない妄想を描いてしまった

午前中の釣りで、22cmを掛けている

結束は、『俺流』ではないが・・・

仕掛けは、テストライン0.07号3mに、付け糸0.3号を少し長めに仕掛けてある

メスのオトリにハナカンを通し、ゆっくりと瀬の白波の中へ

竿を立てて、ゆっくり川から離れた

大石ゴロゴロの場所なので、足元は非常に悪い

落ち込みの白波で、目印が止まった

メスのオトリが、じっとしている

来るかな?

ハリ仕掛けは、本流ながら8号の3本チラシ

ハリスは、1.5号

本流ながらは、チラシに使われていることが多い

3本・4本イカリの掛かりと、遜色ない

夢想の境地で、待っていると

目印が、スーと対岸の岸壁に・・・

竿をゆっくりと立て、糸を張ると・・・

ガガガーンと、竿が揺れた

オトリを連れ、瀬を上って行く

大きい!今までの経験から一気に下るはずだ

大石が続く川辺を、下手へ

目印を、竿の曲がりで確認!

もう私の下手まで、下っている

下る勢いを利用し、浅瀬に誘導した時

掛かり鮎が、見えた

「でかい!」と思わず声がでた

下手のS・K両氏もこちらを見ている

一旦止まった鮎が、また流れを利用して下ろうとした

竿先を上流に寝かし、手前に寄せようとした瞬間・・・

竿のしなりが、戻った

天糸が、縮れて空に浮いている

水面に今まで見えていた目印が、見えない

「切れた」と思わず叫んでしまった!

竿をたたんで、切れた箇所を確認すると・・・・

直感ジョイントに付け糸が残っている

さすが、結束力NO.1と、とある研究室で評価されただけある

付け糸を伸ばして見ると、編み込み部分で切れている

いや抜けている

落胆しながら、球磨川用の仕掛けを張り、22・3の鮎を2匹簡単にぶち抜いて竿を納めた

車に戻って着替えをしていると、村人が車から降りてきた

「どうじゃった」

「サバみたいな鮎は、とれたんか?」

と聞いてくる・・・この爺様は、地元の鮎釣師か!

「先週の人は、サバみたいな鮎を釣っとったで!」

と追い討ち

もやもやとしてると、村人が止めた車の後ろに別の車が・・

やっと、厳しい?追及?から逃れることができた

リベンジは・・・・・

一年後は、私の仕掛けでチャレンジだ!