平成22年10月20日: 太田川の下流域・・・通称:ヤナギに組合員・一般ボランティア約60名が集まった
高知「たかはし河川生物調査事務所」の高橋勇夫代表の指導監修により、アユの産卵場所を造成工事することになった
昨年、太田川漁協の西田前組合長と相談し、高橋先生に依頼したのです
高橋先生は、高知の利き鮎会でお話を聞いて以来、私の鮎に関する知識の師として尊敬しております
上流にダムが複数ある太田川は、ダム放水調整によって水量が危険水位にならないように調整する
ダムへの雨水流入量が多い場合、調整しながら放水量を増やす程度です
ドーと放流しても災害にならない程度で、水位が下がると放水量を抑える
上流から流れ出た砂は、途中で石の間にはまり込む
実際、重機で掘ってみて・・・・砂の量に驚きました
好んで鮎が産卵する場所は・・・
握りこぶしから1cm程度の小石が、浮石になっている場所
石の表面だけを磨いても、鮎は集まります・・・瀬付き漁
しかし受精卵から発眼卵へ、そして仔魚となって海に下るためには・・・
①石と石との間に受精卵が付く・・・魚に食べられないためにも【鮎も含む】
②10月~11月の鮎が産卵するのは、平瀬程度の流れがあること
③12月を過ぎると鮎の体力が落ちるので、やや流れが遅いトロ瀬に場所が移る
④表面に付いた卵は、魚にも食べられるが、紫外線によって孵らない場合がある
⑤仔魚が海に下る為には、障害となる堰があってはいけない
【仔魚は、夜間水面近くを流れに乗って下るので、河口堰のように上下移動式で下部しか開いてない場合、堰の手前で死滅する。11月から12月にかけて水害、高潮の恐れが無い場合は、河口堰を全開にする必要が有る】
岸辺近くを掘りながら、約50m瀬肩近くまで上がると、急に砂が多くなった
急ぎ、先生が重機を止めた
余り掘りすぎると瀬肩の位置が変るからだ
掘っては、右に振って川に落としていると、ドロがまず流れて次に砂も流れる
しかし、大きな石の裏筋には砂が溜まっている
先生の指示で大きな石を退かせると・・・底水の流れが変り、砂が流れるのが見える
某県議の秘書の若手が、一人だけ
後は、55歳~80歳の鮎釣りがとても好きな鮎師・・・
大きな石を取り除き、一列に並んで水中の石をゴリゴリと擦ると・・・
砂が下流に向けてサラサラ流れているのが見える
作業をした箇所の色が、違う
重機だけで産卵床を造ることは、非常に難しい、いや【やった】だけになる
鮎が落ち着いて付くように、不安定な石組みを落ち着かせる必要がある
砂も大敵だ!
砂に付いた卵は、流れて孵化しない
また、砂が舞う場所は、鮎が嫌がる
鮎師なら判るはずだ
自然の流れを堰止めた限り、人力によるこの様な作業は、必要になる
この人力に頼らなくて済む方法は・・・
①川幅を狭め流速をつける
②淵を掘り砂が溜まる場所を作る、と同時に魚の寝床・緊急避難場所となる
③水の当たる側に深みをつける、網漁がしやすいように川床を平らにしない
瀬から淵へ、淵から瀬への自然の形にしてやることで、砂は自然に下っていきます
淵に溜まった砂は、漁期が終わった冬場に除去する
ダム管理者は、ダムを造った限り責任をもって河川管理をしてもらいたい
補償金をもらった漁協は、一般会計にまわさず河川環境維持費として補償金を使っているのだろうか
何もしない、ただ組合の設立条件に沿う事しか念頭に無い組合は、釣人からも組合員からも見放されるだろう