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ハリの焼き入れ・・その弐

2015-01-30 17:59:30 | うんちく・小ネタ
シェカー炉の欠点は打撃音です。
町場の工場では、ご近所に・・
通常のハリならこの程度の焼き入れでも良いと思います
鮎バリをこの方法でされている工場が多いと思います。
熟練が要らない
メーターを見て判断すればOK・・
鮎バリは、別物と考えなくてはいけないのに・・・
温度計は、湿度が高いと正確な温度表示を示しません
特に高温になればなるほど数値の狂いは大きく、出来た品物は×
刀鍛冶の現場には、温度計なる物がありません
炉の温度は、刀の焼き色で判断します焼き入れの水は、手を浸ければ判ります
焼き色で判断するために、良い材料があります
それは、オキアミです
高価な極上品は、白っぽい
安い低級品は、赤っぽい
1000℃近くになると、色は白っぽくなります
温度が下がると徐々に赤みを増してきます
白っぽいオレンジが900℃
赤が860℃
赤黒が800℃かな
焼入れで使う温度が860℃~900℃です
マルトの鮎バリは、浸炭焼入れで焼入れをしています
浸炭とは、鉄に炭素を吹き込み鉄から鋼にすることです
線径0.4mm~1.5mm前後なので芯まで鋼になります
ハリに研ぎが利くハリになる訳です
30年くらい前は、炭屋さんに頼んで松炭を砕いたものを購入し、通しで選り分けて使っていました
炭の需要が少なくなって、砕く杵も壊れたと炭屋が言ってきました
破砕機を手造りして急場を凌ぎましたが、大変な労力と経費がかかりました
色々と探してみて、単価は高いがサイズが米粒程度のドイツ製の炭を購入することになりました
今でも使っていますが、高価でも再利用が可能なので、結果安上がりになりました
炉は、半地下炉です
最近の断熱材を使えば、半地下にする必要もなかったのですが、その当時としては省エネだったのです
半地下にすることで、土が保温と断熱の作用があったのです
また、レンガも耐熱煉瓦、断熱煉瓦、ふつうの煉瓦の組み合わせです
直接炎が当たる箇所には、断熱煉瓦を使い
煙突に逃げる熱気も炉の周りを温めながら煙突へ行くように工夫されています
断熱煉瓦は、軽くてすぐに壊れるので煙道の外側に配置します
その外側は、煉瓦で補強します
今の炉の事を考えれば、ややこしい造りです
続く・・・・

ハリの焼き入れ①

2015-01-23 17:23:40 | うんちく・小ネタ
創業明治9年から鮎懸鉤(アユカケバリ)を製造して、今年で138年になります
その間、日本を取り巻く環境は大きく変化してきました
大昔のハリの型には、人の名前が刻まれています
川漁師の希望に合ったハリを、造っていたのでしょう
その種類と数量は、尋常の数ではありません
それらの型の対象とするのは、鮎です
一つの魚種に対するハリの型の多さは、どの魚種にも負けない
こだわりの釣りと言われる所以です
鮎釣りに嵌ると、中々抜けられない
鮎釣り中毒に、皆さん掛かってしまうのでしょう
鮎バリ製造の長い歴史の中で、機械化が進み
ハリも連続して綺麗にできるようになりました
『鮎バリができるのなら、どのハリでも簡単にできる!』
と、言われたことがあります
確かに、軸が細い割にはふところが広い
型も色々の謂れがあって、地域と河川によって異なる
鮎釣りを理解していないと、その型の意味すら判らないと思う
ただ、一河川、二河川の釣行では、鮎釣りをしていても判らない
鮎釣り名人が、講演でハリの型の事を色々と言っているが、的を得た話をされる方は極少数
「鮎バリの命は、何と言っても焼きだ!」と言われる
細軸で、ハリ先が鮎の皮膚に食い込んで少ししなる
しなった反動で、ハリ先が戻って皮膚に食い込む
その後、鮎が逃げようとした反動で、ハリ先が身を貫く
そのしなりを生み出すのが焼き入れなのだ
ただ硬くするだけでなく、粘りも備わっていなければならない
マルト138年の歴史には、その秘めたる手法が伝えられている
現在、多くのハリ屋さんは、ハイカーボン鋼材の材料でハリを造っている
電気炉で熱して、焼入油に投入し、次に焼戻しを熱した油に入れ戻す(焼き戻し・テンパー)
『ハリを電気炉で熱して』と簡単に書いたが、その温度域を保って空気(酸素)に触れない状態で焼入油に入れる
なぜ空気に触れない状態が必要かと言えば、酸素と結合してハイカーボン鋼が脱炭するからだ
それも全体の表面が脱炭するので、その部分が柔らかくなる
ハリ先の先もハリの表面だから、ハリ先が柔らかいハリ・・ハリ先がすぐにダメになるハリとなる訳だ
窒素ガスを使った雰囲気炉だと、その心配は解消?される
今度は、ハリを炉の中に運ぶ方法が問題となってくる
当初は、メッシュベルトで連続して運ぶ方法だった
しかし、ステンレスメッシュを使っても焼き入れ温度が高温なので、ベルトの損傷が頻発に起こった
解消方法として、シェーカー炉が考え出された
これは、テーブルの上にハリを乗せ、テーブルの横を叩くとハリが移動することを利用したものだ
つづく・・・

謹賀新年

2015-01-05 10:00:25 | ブログ
新年明けましておめでとうございます
平成27年の年明けは、初雪で明けました
大晦日から大雪で、三滝山の初詣も行けずじまい
元旦は、家族3人で祝い酒
二日目は、義母と四人で祝い酒
三日目は、午前中後援している代議士の新年会(会費制)、午後から深夜にかけて広島清流会と関係者で祝い酒
三日続けて飲み続ければ、体重も増加してしまった
日本酒に焼酎、少しウィスキー
頭は天国だが、内臓には地獄だったかもしれない
4日は、禁酒・・・
幾分調子が戻ってきた
これから続く長旅と激務?に耐えれる体作りをしないと、釣具業界の休み無しで続く展示会に耐えられない
もう年だから・・と思うと年寄りになる
年寄りばかりと話すと年寄りになる
若者と話すと元気をもらえる
未来のある話は良い
年金・老後・介護と話が進むと、何か侘びしくなる
今年は、免許の更新!今月が誕生月
今回の更新では、初めて5年青色?になる
平成22年7月、速度違反で5年を逃したので今回は・・・
しかし、周りはゴールドの方が多い
年間走行距離が違うので・・というのは理由にならない
油断!不注意!長距離運転による疲労ボケでついついメーターを見ずに・・
すべて、理由にならない理由だ!
速度が増すと事故による損傷が大きくなる
わが身だけが・・なら良いが?他人に迷惑を掛けては、人生最大の汚点となる
交通安全・家内安全・商売繁盛・・・・祈願成就であらんことを
鮎釣りが、昔のように楽しく釣れますように!・・祈願祈願いたします