○本日のBGM: Starry Sky IKZOLOGIC Remix (ニコニコ動画)
マッシュアップといえば以前流行った吉幾三の、傑作である。通常は「幾三が食う」ことの多いあまたのIKZO Remixの中で、この作品はそうではなくて、他の要素の3つが強いから負けることなく恐るべきバランスで「不思議と絡み合う」のも凄い。何度見てもIKZOのファンキーな「合いの手」の「あ、よいしょ」に笑ってしまい、そしてBeastie Boysのラップ(プロテストな訳詞?風の字幕)と中田ヤスタカ的なループなコードの絡むとこを見るたびに、不覚にもほろりとくる。自分は上京者でもないし出身者でもないし県内に親類もいないのだが、これが琴線に触れるのは、10数年前に青森に住んでたからだ。いきなり就職で単身赴任したのが青森だった。その年の4月に赴任してすぐの時、夕方のローカルニュースでいきなりアナが「人口減少対策」の話をおっぱじめたのを見て、俄然この地方で生活するとはどういうことかという意味をかみしめ始めたのだった。冷害もあったりして厳しい自然条件だったとはいえ、しかし、やたら周囲にいた人々がほんとに親身で熱かったのは忘れられない。ちょっとうざく当惑するくらいに熱く感じられて、だから自分は都会で孤独なのではなく、青森にいた時だって孤独だった、といっても過言ではない(どこに行ってもなんやかんやと、人付き合いの悪い奴である)のだが、離れた今も便りがあるたびに、その人々の温かさを思い出す。この動画の「弘前高等学校」「ラピア」「中三」「RABニュースレーダー」「日本原燃」「伊奈かっぺい」とかの集中的弾幕の勢いは、まさに「青森の本気」のその勢いなのだ。確かに太宰治や寺山修司の文学の風土だったことを思い出す。この弾幕を見るたびに、現地の恩人や友人たちを思い出して励まされるように泣けてくる。たいしたものである。ちなみに、NHKだのニュースで当地の報道の時、現地の人のインタビューで、日本語だし聞き取れるし一生懸命標準語しゃべっちゅんず、そん位で字幕出すんじゃね!と思うことは多い。そんな新青森まで、ついに、新幹線が通るというのである。よく作ったな。まだ八戸だって古い駅の時だった頃、盛岡で「はつかり」に乗り換えてからの、その先が遥かに続く本当の冬の北の風景が思い出されて目に浮かんでくる。暦の上では立春&旧正月とはいえ、まだまだ厳寒のはずである。(20110203)