「ゆわさる別室 」の別室

日々BGMな音楽付き見聞録(現在たれぱんだとキイロイトリ暴走中)~sulphurous monkeys~

20140727

2014-07-27 | 矮小布団圧縮袋

○日曜は出勤しない、といっても、家にいても校正原稿とか週明け用の文書作成とか作業が続く。
 写真は筑後地方のお寺の前のキイロイトリ「セミノ コエガ ウルサイデス」


 本日のBGM:
 日曜美術館「胸騒ぎの風景 ヴァロットン」(NHK教育、7/27 9:00~)
 使用BGM: Alberto Iglesias 「Tinker Tailor Solier Spy OMP Soundtrack
 今、東京の丸の内で展覧会開催中だそうだ。
 ただし「歴史に埋もれて、その名が知られてこなかった」画家、という解説は、ちょっと違うのではないか。ルナールの『にんじん』の挿絵の版画で有名なはずだ(岩波文庫とか角川文庫とか旺文社文庫とか、児童文学全集とかに載ってる版画の挿絵)。確かに、版画家の名前は有名ではないかもしれないけど、きっと小中学生のころから、多くの人々は読んで見てるはずで、見たら「ああ、あの絵だ!」と気づくと思う。なんかインパクトある版画なのだ。自分は、にんじんが猫に鉄砲あててる図とか、にんじんが額にけがして包帯巻いてるのに兄さんが貧血で倒れて介抱されてる図とか、にんじんが名付け親のおじさんとベッドで寝てる図とか、ラストの方の家に向かって叫んでる図とか、この版画でもって各場面を、いちいち強烈に記憶している。だから今回は、有名な版画家の、油彩作品を今日的に再評価するということで取り上げているのかもしれない。
 そんな有名な作品なのに全く今日の放送で「にんじん」が出てこなかったのは、この作品がまさか昨今も問題である「家族内虐待」の危険で残酷な内容みたいだからNHKで放送自粛してる?というわけでもないか。澁澤龍彦の指摘のフェティッシュな側面は後半ばっちり放送したしな。やや疑問。(いや、21世紀現代日本の社会問題は、既に19世紀末のこの古典的名作で問題提起されているし、「にんじん」はヴァロットンのシニカルな対象把握の感覚とも主題は通うわけだし、むしろ啓蒙的に知られて然るべきでは? もしかして、いまどきの日本では「子供には読ませたくない話」に知らず知らずなっていたりするのだろうか?)

 それはともかく、朝に偶然テレビをつけていて始まったので見てたところ、番組内での作品や画家の経歴の紹介の画面から突然、こともあろうか「裏切りのサーカス」のサントラが流れてきた(爆)それも、結構あれこれ。音効さんがこの映画好きなのかどうかは知らないw。なんぼ角田光代先生ゲストとはいえそこまでミステリーサスペンス仕立てにするかw
 このアルベルト・イグレシアスの音だけで条件反射的に、画面でゲイリー・オールドマンやらコリン・ファースやカンバーバッチさんやマーク・ストロングさんらがそこらへんうろうろしてるんじゃないかと思っちゃって、そりゃ怪しい雰囲気になるさ(笑)ま、確かにそういう「日常性にも潜む、ひりひりする不安な感じ」っていうので選んできた音楽なのかもしれないが。(20140727)
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