「ゆわさる別室 」の別室

日々BGMな音楽付き見聞録(現在たれぱんだとキイロイトリ暴走中)~sulphurous monkeys~

20150315

2015-03-15 | 矮小布団圧縮袋

○ここ毎週、土曜は仕事だし日曜は悪天候ということが多くて、それであまり野外にツーリングに出てなかったんだと気づく。
 相変わらず博多駅から乗った列車の車窓から、キイロイトリ「キョウハ ハレマシタ」

 
 久しぶりに近郊を走る。梅の花のまだ残っているところもある。先週の寒波で気温が下がったためか。

 天気が悪かったからという理由ではなく、ここのところ宵の帰りや空き時間に映画を見ている。
 家に帰ればAXNミステリーでポワロやマープルやブラウン神父やルイス警部をやってるし、AXNの方では「ハンニバル」吹替版(マッツ・ミケルセンの声が井上和彦さんなのである…留守録できるけど怖くて見られないw)も始まった。
 そして映画も何だか英国ものを続けて見てるような。先日は「おみおくりの作法」(2013、英)にも行ってきたし、今回は



 本日のBGM:
 Mission~Crosswords~Running~Alan Turing's Legacy / Alexandre Desplat (「The Imitation Game Original Motion Picture Soundtrack」)
 映画「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」(2014、英・米 監督:Morten Tyldum  脚本:Graham Moore)
 単館上映ではなくて、福岡付近だと2~3館やってる。博多駅が近かったのでTジョイに。
 グランド・ブダペスト・ホテルやらジャガーのCMの流れから大忙しのcomposer、かっちりとした映画といえば、音楽はアレクサンドル・デスプラが多い。この映画でも繊細で気品のある管弦楽から、サスペンスな音効に至るまで丹念な仕事をしているw。またこの美しい音楽が英国的な映像とぴったりくるから憎い。Crosswordsのシーンは、そのころの空襲のロンドンを避難する人々の映像が「歴史の一こま」のようでもありながら、「解ける人がイギリスのどこかにいるはず」というファンタジーのようでもある、不思議な音楽だ。そしてMissionやRunningのテーマのような主要な「泣き」の旋律もいくつかある。

 実は同様にデスプラ音楽の「英国王のスピーチ」とほぼ同じ時代の反対側、その歴史の極秘の「裏面」のような話でもある。この映画もそう激しい武闘アクションがあるわけでもなく(「暴力」、はあるけど)淡々と渋くスリルの続く作品である。やっぱり自分は安易なハッピーエンドではなく、「孤独な魂」の、しかしその尊厳の高さを慈しもうとする展開、「普通だなんてつまらない」に惹かれ、どこか心が慰められるのかもしれない。恋とか冒険とか絆とかと唱えられるよりもその以前に、自分が世界に対してどう向き合ったらいいのかというところから違和感を感じる人間の、切実なものを感じるからだ。悲しい話ではあるが、「どうやって解くのか」「何が秘密なのか」のミステリーも盛り込まれているし、さらに「解けたら問題解決」なんて簡単な話じゃあ全然なく、というところが悲壮ながら話に複雑さを与えているし、含まれている問題は21世紀の現代にもつながっている。それが決して難解ではなく(パズルが解けるように)わかる面白さがあると思う。ラストシーンに「回想される光景」に、少しうるっと来る。ここでのテーマの旋律も効果的だ。

 時々ちょこっとだけお茶目な所もあり、アラン・チューリングの愛着の側面や持ち味を、そういう脚本と配役で出しているのかと。
 数学や物理学の専門的な理論の「人か機械か」のゲームの考え方と、人間の精神の彷徨やエモーショナルな部分とを、それぞれ話の中のエンターテインメントに組み立てているというか、それを「ベネディクト・カンバーバッチさん座長公演」(爆)にしたような勢いである。それにしてもキャストが英国ドラマではおなじみの「絶対何かで見たことがあるぞこの人」な人たちが登場しすぎる(個性的な面構えの人が多いので、日本の俳優的に、顔ですぐわかるのは面白いw)。キーラ・ナイトレイやマシュー・グードは有名どころとして、それだけでなくロリー・キニア(刑事)も出てきた(スカイフォールですかw)
 そして我らがマーク・ストロングさんも欠かせない(やっぱりそういう役なのねww)

 
 帰りの電車にてキイロイトリとむすび丸「チラシをもらってきましたよ♪」
 去年のニコール・キッドマン主演「わたしが眠りにつく前に」の映画は「リピーテッド」という題名で日本では5月公開とのこと。(かくしてマーク・ストロング特集は続くww←!?)
 それにしても最近、この手の映画で20世紀世界史を学び直しているような気分になる。(20150315)
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