〇…日替わりで押し寄せ人々を打ちひしぐ諸々の喪失感を、薙ぎ倒すかのごとき閃光の一撃。
すげえ。幸宏さんたち本気だよ。
本日のBGM:「META」/ METAFIVE( Warner Music Japan, WPCL-12294 )
※帰ってきてからジャケットを眺めるキイロイトリとカツオ人間たち
たれぱんだ「今日発売だったので、おまけの特典缶バッチもらえました」
むすび丸「2013年のLIVE以来ですねえ」
自分の人生には時々たまたま偶然の一致(coinsidence)みたいなことがあって、それが契機となってまったく意外な方向に向かって予想外の展開となる、ということが起こる(その連続で現在福岡で生活しているのだが)。今日も、デスクで「そろそろ、お昼休みにするか」と11時半過ぎにつけたcross FMから突然、えもいわれぬ妙なる調べが流れる。しかも、この声は、まぎれもなく…と思い、すぐPCのブックマークでオンエアリストのページを開くと、メタファイブの「Luv U Tokio」であった。何てこった。そうだ、こういうのがあったか。
さらにあろうことか、次にかかったナンバーがJapanの「Gentlemen Take Polaroids」(爆)ではないか。誰だこの選曲者は(怒)人を挑発しているとしか思えない。市内にいるのか。出てこい。一杯おごるから呑もう。つきあえ。とon the streetで叫びだしたくなり、いてもたってもいられず席を立つ。
すぐさま会社のビルを出て、そこから一番近い店舗のCD屋にとりあえず走り、今日発売のCDを買って、またデスクに戻る。そんな勢いで入手した。高橋幸宏さんはよく誰かと組んでやってたが、Don't Moveに始まるLEO今井のIva Daviesみたいに煽ってくるvocalはもとより、ともかく強烈なメンバーが集まったエネルギー反応がいい効果を生んでる感がある。テイトウワとか、かつてサンストのデモテープ・コーナーに応募してたのではないかと思われるYMOリスペクト世代の強豪と、そのLEO今井が最年少(!)というメンバーで、凄まじく尖った、凝ったやつが出来た。つか自分たちは中田ヤスタカでも小室哲哉でもなく、こういう「がつんとした」、しかし幸宏さんいわく「日本だとかっこよすぎると却って売れない、けどやりだすとやめられない」系の音楽で、10~20代の間、贅沢に育ってしまったから、こんな勢いのテンションが詰まっててなんぼである。納得できる。正直、こういうのを聴きたかったといいたい。
まさか2016年の今になって、こんなWild & Moodyみたいな衝撃を受けるとは思いもよらなかった。そのへんの異常な「音のアンチエイジング具合」(!?)には、YMOよりYMOにうるさそうな研究者・砂原さん(まりん)のマスタリングあたりの影響もあるのだろう。なにせ、Headphoneでサラウンドで聴いていると、6人全員の音が全部「立っている」(!!)のだから。全曲のレヴェルが粒揃いでもある。こんなBryan Ferryのアルバムみたいな豪勢なトラックの粘り方をしてくれるゴージャスなプロフェッショナルクリエイターチームが、株価暴落と年金喪失とヤンキー政治劣化と安かろう悪かろう危機的状況が国際的世界から遠巻きにささやかれている今日の日本にも、まだ健在であるのだ。あだやおろそかにはできない。
それにしても、こういう時に突然ラジオから聴こえてきた幸宏さんの歌声、っていうのは不思議と、何か全く知らない土地で、偶然、知っている人に巡り会えたみたいな、ほっとした気持ちを与えてくれるものだ。そしてこの人たちは、何歳になっても「僕(ボク)」という自称が許される、と思う。許す。(20160113)