
「ホーボーズ・ララバイ」という名曲がある。この曲について書いたら、その訳詞を読んでみたいという、危篤・・じゃなくて、奇特なかたなど居た。
おだてられて、掲載と、あいなった・・・・
たくさんのミュージシャンがカバーしている。
俺が、この曲を初めて聴いたのは17の紅顔の美少年の時で・・・・「ウッディー・ガスリーのトリビュートアルバム」でだった。
そこでは、ジョーン・バエズが朗々と歌い、マンドリンがリリカルに、メロを少し崩した程度にオブリガートをつけている。
実は僕が16・17のころというと、聴こうにも、カーター・ファミリーは2枚組の代表曲を集めた物だけ。ウッディーに至っては版元絶版状態であった。
後に、予備校で東京に行くようになって、中古のレコード店とか、輸入盤を扱う店とか、あるんだねぇ・・・と、東京にあこがれた状態であった。
地元にレコード店に調べてもらったら、入手可能なのは、ウッディと名の付くものは、上記「トリビュート」が2枚だけだった(2枚ってのは、出演者の所属レーベルの関係で、ワーナーとCBSがそれぞれ出していて、2枚だったわけさ)・・・・
それでもと、注文して、むさぼるように聴いただよ・・・・
名曲「ホーボーズ・ララバイ」にすっかり魅入ってしまい、しかもコードは3つだけってんで、俺の力量でもコードが探せ、弾けたので、まるでフォークシンガーになったような錯覚の中、歌ったのだった。
原曲は俺の学力でも、ちょいと辞書を調べれば内容がわかるような英語だった。

予備校は数か月で、ちょいと、厄介な病気になって、自宅療養を命ぜられ、年が明けるまで行かなかったが、東京の2か月・・・上野の公園をねじろにしていたホーボー(浮浪者・日雇い労務者)達の印象は鮮烈だった・・・
「これ、ホーボーズ・ララバイ」の世界だよな・・と、思った。
自宅療養は暇だった・・・・
映画「怒りの葡萄」のシーンなどと、ホーボーが融合し・・1番・2番・4番とそれらしい・・・まあ、こんな内容だろうと、詞が付いた。
英語が単純なので、結構誰が訳してもリフなんぞは、似るものだなぁと、後に知る。
3番はポリスや自警団に追い立てられる話だが、うまい言葉が見つからなかったので、省いちまった・・・・
18歳のころ、地元の若い人たちの集まりなどで、時々歌って時は流れたさ・・・
そして、大学を卒業し、地元に帰り、職に就き、やがて仲間と音楽を作る場・音楽でつながる場の模索が始まった。
やがて、「あかんべ山コンサート」「歌声喫茶」・・・そうである!館林ロストシティー・ランブラーズが始まったのだった。
30を過ぎて、この放浪する「ホーボー」の結末をつけたくなった。「現世ではポリスや自警団に追われるよな・・・だけどさ、天国にはポリスは居ないぜ!」という、原曲を生かしたかった。
そして、原曲にないぼくの4番を作った。
♪ 落ち葉よ積もれよ わが身は朽ちるよ うもれしわが身に 花よ開けよ ♪
わしも、死んだら、こんなふうにねぇ・・・・