デンマークの戦争映画。
ストーリーは、
アフガンでタリバンと戦うデンマーク軍。その陸軍中隊指揮官・クラウス。彼は任務中、激しい攻撃に曝され空爆要請をする。その判断が、後に思わぬ悲劇を招くことを知らずに──
静か。淡々としてる。
ヒロイックさとか、勇壮なものは欠片もない。
だが、それがいい。
今の戦争の生々しさ。人を殺した実感の無さ。
軍法会議という、特徴的な視点がそれを如実に物語る。
現代はもう、隊員がカメラを付けてたりで。
証拠も全て明確なんですね。その精妙さが何とも無機質で。
まぁ、他人事なんだよねw
自分の国が攻められたわけじゃない。
アメリカが扇動した、他人の戦争。
ただ人が傷つき、ただ人が死に、殺される。
そこに何の意味があるのか。
だから、『ある』戦争なんでしょうね。
○○戦争とか○○の戦いとかではない。
今もどこかにありそうで、道端に落ちてそうで、ありきたりで。
ポツンと一個だけある、そんな現実。
映画の最後もハッピーエンドとは言えない。
何とも言えない苦々しさ。正に砂を噛むかのような。
中東の人々も、デンマーク人も。
同じ人間であり、人間ではない。
映像により断絶する。突き放される感覚。
この怖さと寂しさを観客に突き付ける。
人間同士は永久に分かり合うことはないんだと。
ある種、証明してしまった映画。
これを見る自分も、無関心な人間の1人。
では、また。
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