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ある戦争について、そのKRIGEN

2022-08-16 18:14:00 | 中東映画

 デンマークの戦争映画。

 ストーリーは、

 アフガンでタリバンと戦うデンマーク軍。
 その陸軍中隊指揮官・クラウス。

 彼は任務中、激しい攻撃に曝され空爆要請をする。
 その判断が、後に思わぬ悲劇を招くことを知らずに──

 静か。淡々としてる。
 ヒロイックさとか、勇壮なものは欠片もない。

 だが、それがいい。

 今の戦争の生々しさ。人を殺した実感の無さ。
 軍法会議という、特徴的な視点がそれを如実に物語る。

 現代はもう、隊員がカメラを付けてたりで。
 証拠も全て明確なんですね。その精妙さが何とも無機質で。

 まぁ、他人事なんだよねw

 自分の国が攻められたわけじゃない。
 アメリカが扇動した、他人の戦争。

 ただ人が傷つき、ただ人が死に、殺される。
 そこに何の意味があるのか。

 だから、『ある』戦争なんでしょうね。
 ○○戦争とか○○の戦いとかではない。

 今もどこかにありそうで、道端に落ちてそうで、ありきたりで。
 ポツンと一個だけある、そんな現実。

 映画の最後もハッピーエンドとは言えない。
 何とも言えない苦々しさ。正に砂を噛むかのような。

 中東の人々も、デンマーク人も。
 同じ人間であり、人間ではない。

 映像により断絶する。突き放される感覚。
 この怖さと寂しさを観客に突き付ける。

 人間同士は永久に分かり合うことはないんだと。
 ある種、証明してしまった映画。

 これを見る自分も、無関心な人間の1人。
 では、また。





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