新型コロナウイルスの検査で陰性となり、大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号を下船した乗客から感染が確認されました。
考えられる原因は二つ。
一つは、下船が感染直後だった場合です。
ウイルスに感染して間もなくは体内のウイルスの量が少なく、検出できず陰性となることがあるとのこと。
もう一つは、検査後に感染した可能性です。
岩田健太郎医師の指摘を考えると、下船準備の段階でもその危険性は無いとは云えないでしょう。
船内での検査結果が陰性で感染者との濃厚接触がなかった豪州人2人も帰国後に陽性が確認されました。また、香港ではチャーター機で帰国した男性(68)の感染が確認されています。
外国籍で自国チャーター機での帰国を希望する人は、下船許可が出た後も船内待機して、さらに大半はそれぞれの国で14日間の隔離期間を過ごさなければいけないようです。
下船後から日常生活に戻ることを認めた日本政府の判断については、
「中国武漢市からチャーター機で帰国後、宿泊施設で健康監視を行った人の検査結果に基づき、国立感染症研究所から14日間の健康監視期間中に発熱などの症状がなく、かつウイルス検査の結果が陰性であれば、同期間経過後に公共交通機関等を用いて移動しても差し支えないとの見解が示されたことを踏まえたと説明」しました。
しかしこれは、チャーター機で帰国した後の千葉のホテルや和光市の施設の状況が健全であった故の結果で、ダイヤモンド・プリンセス船内の状況とは異なると考えるべきではないでしょうか。
少なくても、アメリカをはじめとする諸外国の対応は、岩田医師の発信にもあるようにクルーズ船内の環境を楽観視していないと考えられます。
それまでの国内感染例では、中国への渡航歴や、中国から来た人との接触歴がある場合が大半でしたが、亡くなった女性や感染の外科医には最近の渡航歴はなく、中国から来た人との明らかな接触歴も確認されていません。
国内で感染した可能性が高く、新型肺炎問題は新たな段階に入ったと言えます。
こうした事態を受け、安倍首相は2月14日、感染拡大と感染者の重症化の防止に全力を挙げる考えを示しました。
これは、政府がアメリカなどと違い「水際対策」から「市中感染ありき」と方針を変えたからだと考えてしまいます。
李文亮医師がSNSで発表してから(武漢で発症が確認されてから)1ヶ月間も自由に出入りしていたのですから仕方がないかもしれません。
しかし、国の指導者の判断が甘かったことが蔓延のすべての原因とは云いませんが、加藤勝信厚労相は「国内で流行、まん延している状態ではないという従来の見解を変更する根拠はない」としていました。
例えば、1月末に世界保健機関が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言したのですが、これを受けて日本政府が一部入国拒否を決定したのは2月1日です。
それまでの予定は2月7日からでした。ここにも当初、1週間のタイムラグがありました。
中国・武漢市からチャーター機で帰国した565人のうち、11人が経過観察期間中にもかかわらず、「やむをえない事情」により帰宅を許可しました。
危機管理に対する認識の甘さが感じられてなりません。
今回、クルーズ船から下船された日本人は500人程とか。
議員宿舎は衆参合わせて700弱あります。
2週間だけ貸してあげるってのはいかがでしょうか?