NHK世界大惨事大全「スペースシャトル コロンビア号 空中分解事故」を見ました。
『人類の歴史は失敗の歴史である。そんな歴史上の“大いなる失敗”にフォーカスし、破局への道のりを丹念にたどり、「驚き、発見する」スペシャル番組。』
という番組です。
最初は、大惨事に対する野次馬根性で見たのですが、番組で問題にしていたのは「大惨事」そのものではなく、それを引き起こした「組織」でした。
直接の原因は『宇宙ステーション建設のスケジュールを守る』ことに囚われたエリート組織(NASA)の硬直化でした。
番組ではNASAの責任者が出て、「事故は私の責任だ」と言ってました。
アメリカでは、原因の究明と責任の所在をはっきりさせているのだなと感じました。
ところで、8月12日は御巣鷹の尾根にジャンボ機が墜落した日です。(1985年)
37年が経ちました。
私は、近くのラーメン屋で食事中に、ジャンボ機不明のニュースを見たことを思い出します。
『圧力隔壁』などという言葉を知りました。
ボーイングによる修理ミスがアメリカ側の調査で判明し、それが原因で圧力隔壁が壊れたとニューヨークタイムズが伝えました。
この報道を受けたボーイングが「1978年の(伊丹の)しりもち事故の修理で、隔壁継ぎ目全体の17%に不備があった」ことを認めたとのことです。
外国メディアの報道が先行した理由は、修理ミスが原因であったことを日本運輸省の調査委員会が公開することためらっていたため、米国政府がリークしたからでした。
なぜ?
それは、日本における「司法取引」の米国との違いが原因と思われます。
【司法取引制度】被疑者や被告人が、共犯者についての情報を提供することを条件に、検察官が、かかる条件を認めた者の責任を援助したり、不起訴処分としたりする制度。
司法取引の対象となる犯罪は、アメリカでは、特に定められていません。
しかし、日本では、組織的に行われる賄賂など一定の財政経済犯罪と、薬物や銃器に関わる犯罪、司法的な制度の妨害行為に限定されています。
つまり、航空機整備士などの現場職員が訴追に及ぶことを危惧して、充分な証言が得られないことが事故原因究明の障害となっていると云われています。
ボーイング社が修理ミスを認めたところで幕引きとなってしまったのでしょうか。
大切なのは、責任の所在もそうですが、二度と同様の事故が起きないようにする「原因完全解明」ではないでしょうか。
硬直化したNASAが、7人の犠牲者を生んだ事故原因究明に全力を注いだように、520人の犠牲者を出した史上最悪の航空機事故の原因(整備不良を見逃した理由)が究明されるのはいつだろうか。
沈まぬ太陽は事故原因完全解明により、日没という終演を迎えるのでしょうか・・・。
テレビを見て考えてしまいました。
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