
上掲写真は、東京の樋口一葉記念館内に展示されている拙作の一葉作品豆本。
「たけくらべ」「にごりえ」「大つごもり」「十三夜」「わかれ道」の五作品で、五千円紙幣発行の際に、参考までに送ったところ、かく扱ってくれた次第である。
展示といってももちろん、見る通り一葉女史の資料と並列されているわけではなくて、販売品の一葉グッズのショーケースのアクセサリーとしてである。それだって、一葉女史と同じ屋根の下にあるとなれば、作り手としてはまことに光栄きわまりない思いである。
ところで、これが見学者の目に触れるとみえて、豆本購入を希望する人がけっこう多いということである。そのたびに説明してお断りしているのだが、それがたいへんというわけで、とうとう「非売品」の表示をわざわざ付けるにいたったそうである。


作者としては実に恐縮至極というところだが、一方それだけ多くの人目に触れているという証拠なので、まことに嬉しいことである。