豆本三昧我褸芥(がるぁくた)ノート & 美人画あれこれ

日本の名作文芸と東西の名画の自作豆本の内容紹介のほか、その資料として集めている東西の美人画をいろいろ紹介しています。 

PANDORA

2012年06月07日 | 今日の美女
 女の本性はゆがんでいる。我が強く貪欲であり、物の道理を知らず、心移りが激しい。素直でなく愚劣なのが女である。
 これは私が言ってるのではなく、吉田兼好が言っているのだから、文句があったらそちらへ言ってもらいたい。

 さて、パンドラである。彼女は神々から美貌、知恵、技能などを贈られ「すべてを与えられた者」という意味のパンドラと呼ばれるようなすばらしい女ながら、一つの欠点も持っていた。ヘルメスから金の箱とともに与えられた「好奇心」である。好奇心そのものは欠点とは言えないが、場合による。バンドラの場合は、開けることを厳禁されたこの箱をその好奇心ゆえに開けてしまったため、箱から飛び出した様々の災いが世の人々を苦しめることになった。
 考えてみれば、創世記のイブにしろパンドラにしろ、兼好のいう「我欲の強い素直でない」女のために我々はこの世で苦しんでいることになる。
 
 こう言うと世の女性は怒り狂うかもしれないが、ちょっと待ってもらいたい。兼好はそのあとでこういう意味のことも言っている。
「そんなくだらぬ女というものに心迷わせる男というものも情けない存在だが、この煩悩の世界にあってはその迷いに順応することで、女が優美で素晴らしく感じられるのである。」と。
 お解りかな。煩悩の塊の私パースケだからこそ、そして貴方も、愚劣な女に心狂わせ、「今日の美女」などと嬉々として毎日を楽しく過ごせるのであって、「女など下らぬ存在」と悟ってしまったらもはや生きていてもつまらないわけである。

 Rosetti                Tintoretto                   Bouguereau             Waterhouse
      

 Kirk Richards                              Alma Tadema                 Thomas Baker 
    


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