豆本三昧我褸芥(がるぁくた)ノート & 美人画あれこれ

日本の名作文芸と東西の名画の自作豆本の内容紹介のほか、その資料として集めている東西の美人画をいろいろ紹介しています。 

駆けっこ美女 その二 Atalanta And Hippomenes

2014年09月12日 | 今日の美女
 アタランテはアルカディアの王女だが王は男子を望んでいたため山に捨てられた。彼女は女神アルテミスの差し向けた雌の熊に育てられたので山野を自在に駆け巡り狩猟神アルテミスのように優れた狩人として成長した。

    

 後に狩人達に発見されカリュドンの猪狩りの後に王と再会する。彼女が野山を駆ける姿は多くの若者の心を捉えたが、アタランテには「結婚すると身を滅ぼす」という神託があったために彼らを寄せ付けなかった、しかし王が彼女の結婚を強く望んだので、「私と駆け比べをして私に勝ったものと結婚するが、負けた者は死ななければならない」という厳しい条件をつけた。

  

多くの若者が挑戦したが皆彼女の足には勝てず死んでいった。彼女の疾走する姿に魅せられた一人にヒッポメネスという美しい若者がいた。 彼の挑戦には彼女も憐れみを感じたが、神託もあるので負けるわけにはいかなかった。
  

 しかし彼の方はアタランテに勝てる自身がなかったので愛の女神アフロディテに祈った。女神は受け入れて三個の金の林檎を与え秘策を授けた。
  

 ヒッポメネスは懸命に走ったがとても勝てるはずもなかった。そこで彼はあぶなくなると金の林檎を投げてアタランテが林檎を拾っている間に追い抜き、こうしてなんとか勝利をものにできたのであった。

   

  Noel Halle


  17世紀のタペストリー


  Guido Reni 二点
  

  Willem van Herp                                             Nicolas_Colombel
  

  Sebastien Leclerc                               作者不詳
  

  Sebastiano Marsili           Paul Manship
    



 かくして二人はめでたし、めでたし・・・・・となるはずであった。いや、いったんはなったのである。
 すぐ上の絵を見ると右の建物の中で抱き合う二人と雌雄のライオンが描かれている。実はこれ前にも出てきた一つの絵の中に時間の経過した複数の場面を描く手法で、レース後の二人の姿を描いたもので、下右はそこだけを描いたものである。
 舞い上がった二人は女神アフロディテにお礼参りをするのを忘れ、罰としてライオンに変えられてしまったのである。したがって例の神託は実現してしまったということになるのである。
 
                                          Crispin van de Passe   
  

にほんブログ村 ハンドメイドブログ 豆本へにほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

プログ村

にほんブログ村 ハンドメイドブログ 豆本へにほんブログ村