◎ 細田栄之 七福神を描くのではなく持ち物を使った美人画。毘沙門天欠。
弁天 恵比寿 大黒



布袋 福禄寿 寿老人



◎ 歌川国芳 これも美人画だが、背後の神様と描かれた女性との関連を考えるのが難しい。賛の和歌がそれを解くヒントになるようだが、江戸の変体仮名が読めないのでお手あげてある。
大黒の場合、なんとか「大黒傘」の文字を見つけた。大黒傘は大黒屋という店で売り出した安い番傘ことで女の手にしている傘に拠る関連であろう。
福禄寿は「三番叟」の文字が読めるので手にした被り物で想像がつく。






毘沙門はこの絵だけ和歌が無いのだが、違う版で歌を見つけた。
この絵では「一本槍の客ぞうれしき」という下の句があるし、手にしているのは将棋の駒の「香車」である。
となると「香車→やり→毘沙門」という関連ではないか。着物の柄の塔も毘沙門の持つ宝塔との繋がり。
こういう文字通りの「絵解き」が江戸の人たちの楽しみだったのだろう。


