「十六利勘」は、釈迦の高弟の「十六羅漢」のごろ合わせで「利勘」は「損得勘定」の意味であろうか。
画面右上に「誰々尊者」を「何々損者」と変えて「何々は損だ」の意味を持たせ、画中に細かい説明があってその内容の女性が描かれているのだが、例によって損者名の意味も判りにくいし関連付けは難しい。
最初の絵は羅漢筆頭の長野善光寺で有名な「賓頭盧尊者」のごろ合わせなのだが、「貧困は損だ」と言う意味なのか、そうだとしても絵との繋がりが分らない。
右の絵は、「者」を「何々は」と読む漢文語法で「短気は損気」の諺そのものであるし、腹立ち紛れに茶碗を煙管で叩き割ったらしい女の絵で、これはなんとか理解出来る。
貧須盧損者 短気者損者
欲連損者 ・ 我慢損者 ・ 借越損者
奢羅損者 ・ 通損者 ・ 降那損者