前週に続いて相愛カップルの浮世絵を歌麿中心に展開。そのために敢えてこれまで歌麿を出さなかった。
相愛の美女美男の悲劇を扱った彼の作品はたくさんあって、幾つかの組物や単独の作品として出されている。
最初の「道行三幅対」は梅観のところで既出のものだが、下の三作品を連続させてのどかな春景色を楽しむ纏まった明るい作品に仕立てたものだろう。余計事だが 背景の鳥居が低すぎるようだが、江戸名所の三囲神社は川沿いの土手より低い位置にあるため土手の道から観るとその鳥居はこういうふうに見えるそうで梅の木なども見下ろす形になるという。
お七吉三郎 二点 右 お梅粂之助
◎「風流愛興競」 おさん茂兵衛 ・ お千代半兵衛 ※ 右 お梅粂之助 喜多川秀麿作品
◎ 「当世恋歌八契」 五点欠
個々の名前は無いが 百人一首中の恋の歌を江戸風に描いたもののようである。
君がため ・ 恨み侘び ・ 忘らるる