文芸作品を豆本にするとすれば、芥川龍之介の諸作品がよいと思う。しっかりと纏まっており、適当な長さのものがいろいろあって、単独でも、あるいはまた二、三作組み合わせることもできる。
リーブルの製本セットでは「杜子春・蜘蛛の糸」があり、他にも販売されたもので「鼻」や「藪の中」などが作られている。
私も「羅生門・鼻・蜜柑」「杜子春・魔術」「芋粥・蜘蛛の糸」「藪の中・枯野抄」「地獄変」と作っているが、「地獄変」は結構厚くなる。また「杜子春・蜘蛛の糸」も作ったがこれは、リーブルの海賊版ではなく、自分で編集したものである。
ところで豆本のサイズを変えた場合、紙の厚さやページの数まで変わるわけではないから本の厚さはすべて同じである。したがってハードカバーの豆本の場合、短い作品は薄っぺらな感じになり、小さいものだとずんぐりとした分厚い感じになる。画像は大小の「羅生門・鼻」を主として並べたものだが、写真だとそのあたりはわかりにくい。