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PAP-JAPAN代表、川井眞理のお仕事(以外もてんこ盛り)日誌

「聴く」はひたすら相手に合わせ、肯定すること

2006-06-08 | Weblog
久しぶりに行った美容院にて。私より少し遅れて50代か60代前半の太った女性が入ってきました。話しぶりからすると、どこかの店の女主人のよう。私がケアしてもらっている間に、彼女が交代で椅子に座ったのですが、これがまあ、よくしゃべることよくしゃべること!

人のことは言えませんが、どうも会話の内容が少し私とは違うような気がします。雑誌を読むのを諦め、彼女と男性美容師の会話に耳を傾けたら、彼女の話題はものの見事に共通の知人の噂話ばかりなことがわかりました。それも批判的な。合間に37歳の独身の娘さんの話題が少し入るのですが、途端に女主人は娘を褒めちぎります。実に聞き苦しいのに、美容師は終始賛成するでも反対するでもなく、彼女の話を「ふーん」「そうなんですか」「そうですよね~」と言いながら聞き、(その実)手元の作業に熱中しているように見えました。

以前、呉服屋の店員(男性)の一番の仕事は、中年女性客の愚痴を聞くことだと聞いたことがあります。美容界も客は圧倒的に女性が多い。となると、美容師の聴き方は、まさに「客のうっぷんが晴れるよう、話を聞いて、聞いて、とにかく聞いてあげる」ことに尽きるんですね。(私もガマンして相手してもらっていたのかな?ショック!)

巷には『老会話』なんて、高齢者とのコミュニケーション術のポイントを指南する本まで出ていますが、出版の背景には、こういうのをマスターしないと高齢者に向けた仕事が出来ないという事情があるようです。個人的には相手と話題を選びたい思いが非常に強く残り、゛聴く゛のはかなりストレスのたまる仕事と思えました。